フェリックス・ゲイリー・グレイ(Felix Gary Gray、1969年7月17日 - )[1] は、アメリカ合衆国のミュージック・ビデオ監督、映画監督、映画プロデューサー、俳優である[2]。
人物
アイス・キューブの「It Was a Good Day」、ドクター・ドレーとアイス・キューブの「Natural Born Killaz」、ドクター・ドレーの「Keep Their Heads Ringin'」、TLCの「Waterfalls」、アウトキャストの「Ms.Jackson」など、数々のミュージック・ビデオの監督を務め、高い評価を受け、賞を受賞している。
グレイは、コメディ映画『friday』(1995年)で長編映画の監督としてデビューした。その後、映画『SET IT OFF』(1996年)、『交渉人』(1998年)、『ミニミニ大作戦』(2003年)、『Be Cool/ビー・クール』(2005年)、『完全なる報復』(2009年)、『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015年)を監督している。また、『ワイルド・スピード』フランチャイズの第8弾『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017年)を監督し、この作品は歴代19位の興行収入を記録している[3]。
生い立ちとキャリア
グレイはニューヨークで生まれ、主に南ロサンゼルスで育った[4]。1989年に風刺コメディ映画『メジャーリーグ』にクレジットなしで出演し、キャリアをスタートさせた[要出典]。その3年後には、アイス・キューブの"It Was a Good Day"のミュージック・ビデオを監督した。このビデオは、歌詞を文字通り映像化したものである。彼はその後、アイス・キューブをはじめ、サイプレス・ヒル、アウトキャスト、ドクター・ドレー、クイーン・ラティファなどのアーティストのビデオを監督することになる。
26歳のとき[4]、グレイは、ラッパーでプロデューサーのアイス・キューブとクリス・タッカーが共演したコメディ『friday』を初めて監督した。次に、ジェイダ・ピンケットとクイーン・ラティファが出演した映画『SET IT OFF』を監督した。その後、ケビン・スペイシーとサミュエル・L・ジャクソンが共演した『交渉人』を監督し、グレイは1998年のアカプルコ映画祭(Acapulco Film Festival)で最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞した。
2003年には、シャーリーズ・セロンとマーク・ウォールバーグ主演のアクションスリラー映画『ミニミニ大作戦』を監督した。国内興行収入が1億ドルを突破したこの作品で、グレイは2004年ブラック・アメリカン・フィルム・フェスティバルで最優秀監督賞を受賞した。次の作品は、ヴィン・ディーゼル主演のアクション・スリラー『ブルドッグ』で、その後、エルモア・レナードの同名小説を映画化した『Be Cool/ビー・クール』を監督した。ジョン・トラボルタ主演のこの作品は、批評家には酷評されたものの、全世界で9500万ドル以上の興行収入を記録した[5]。
その後、ジェイミー・フォックスとジェラルド・バトラーが出演し、カート・ウィマーが脚本を担当したスリラー映画『完全なる報復』を監督した。この映画は全世界で1億ドル以上の興行収入を記録した。グレイは、Black Hollywood Education and Resource CenterからThe Ivan Dixon Award of Achievementを受賞し、Black Enterprise誌の「50 Best and Brightest African Americans Under 40」の一人に選ばれた。また、African American Film Critics Association(アフリカ系アメリカ人映画批評家協会)から2004年特別功労賞を受賞し、同年にはArtist Empowerment Coalition(アーティスト・エンパワーメント・コーリション)からアーティスト・エンパワーメント賞を受賞している。また、2010年にはPan-African Film and Arts FestivalからPioneer Director賞を受賞している。
グレイは、ギャングスタラップグループN.W.Aの伝記映画である2015年のドラマ『ストレイト・アウタ・コンプトン』を監督し、2017年には、『ワイルド・スピード』フランチャイズの第8作目となる『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017年4月14日公開)を監督した[6]。公開と同時に、両作品は黒人監督の作品による最高のオープニング興収記録を樹立し[3]、『ワイルド・スピード ICE BREAK』はアフリカ系アメリカ人が監督した初の全世界興行収入10億ドルを超える作品となった[7][8]。2019年4月、グレイがビデオゲーム・フランチャイズ『Saints Row』の映画化を監督することが明らかになり、脚本はGreg Russoが担当することになった[9]。
フィルモグラフィ
映画
テレビシリーズ
年 |
邦題 原題 |
備考
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1999
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ライアン〜若き巡査の誇り Ryan Caulfield: Year One
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Episode "Pilot"
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2006
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Enemies
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Episode "Pilot"
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ミュージック・ビデオ
出典
- ^ “F. Gary Gray Biography (1969?-)”. FilmReference.com. June 29, 2017閲覧。
- ^ “The New York Times”. The New York Times. 2012年1月21日閲覧。
- ^ a b D'Alessandro, Anthony (April 17, 2017). “‘Fate Of The Furious’ To Clock $100M+ Stateside, As Pic Zooms To All-Time $529M+ Global Debut – Sunday AM Update”. Deadline Hollywood. April 17, 2017閲覧。
- ^ a b Barker, Andrew (April 5, 2017). “On Eve of ‘Fate of the Furious,’ F. Gary Gray Celebrates 25 Years of Filmmaking”. Variety. https://variety.com/2017/film/features/gary-gray-celebrates-25-years-of-filmmaking-1202021599/ June 29, 2017閲覧。
- ^ “Be Cool (2005)”. Box Office Mojo. 2017年8月6日閲覧。
- ^ “The Fate of the Furious (2017) - Box Office Mojo”. 2017年2月6日閲覧。
- ^ “Box-Office Milestone: 'Fate of the Furious' Crosses $1B Globally”. The Hollywood Reporter (2017年4月30日). 2017年6月22日閲覧。
- ^ Harris (2017年4月4日). “‘The Fate of the Furious’: F. Gary Gray is the First African American To Direct a Billion-Dollar Movie”. Indiewire.com. 2017年6月22日閲覧。
- ^ Fleming, Mike Jr. (2019年4月30日). “F. Gary Gray Developing To Direct Movie Based On Video Game Franchise ‘Saints Row’ For Fenix, Koch, Occupant” (英語). Deadline. 2020年6月24日閲覧。
- ^ “"Pretty Girl" by Jon B.”. VH1 (Viacom International) (September 1, 2004). May 18, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。May 9, 2015閲覧。
外部リンク