『evergreen』(エヴァー・グリーン)は、1995年12月5日に発売されたMY LITTLE LOVERの1枚目のアルバム。発売元はトイズファクトリー。
解説
- 3rdシングル「Hello, Again 〜昔からある場所〜」の大ヒットの余韻が残る中でリリースされた。
- 初回限定盤のみクリアスリーブケース仕様。メンバーのサイン入り円形ポストカードが付いている。初回盤も通常盤も同じ3面デジパック仕様であるが、通常盤はタイトルロゴなどがデジパックに直接箔押しされている。2008年にエイベックスから再発された際、通常のプラケース仕様に再デザインされた。
- 2015年には20周年を記念して、続編アルバム『re:evergreen』に、本作をリプロデュースさせた新アルバム「evergreen+」が付属された。
制作・構成
- 以下の項目は、2015年にリリースのアルバム発売記念のインタビューの際に、akkoと小林とのエピソードが備えられている[2]。
アルバムのレコーディング制作は、アメリカのロサンゼルスで即行をしていたという。
「タイトル曲の「evergreen」の最後のコーラスのメロディが小林さんの頭の中に浮かんだ瞬間のことはよく覚えています。ロスの青空の下、レンタカーでスタジオに向かっているときに彼がメロディを思い付いて。スタジオに着いてすぐに、呼んでいたコーラスの男の人……ブラジル人だったんですけど、その人に「『ララララー』っていうふうにコーラスを入れたいんだ」と小林さんが説明したら、彼が「僕の国の歌い回しでこういうのがあって、そのメロディに合うと思うからやってみるね」と言って歌ってくれたのが「ラライヤー」という歌い方だったんです。そのときの、すべてがピタッと来た瞬間は衝撃でしたね。」
[2] — akko
デビューアルバムを振り返ると、
「未熟な私にとっての「evergreen」は、1stアルバムにしていきなりハードルの高いアルバムだったと思います。どの曲も音数が多かったり、メロディラインが難しかったり……言葉を畳みかけて跳ねまくるっていう曲調はマイラバらしいし、自分の得意とするところではあるけれど「デビューアルバムでここまでやるか!?」って、今となっては思います(笑)。」
[2] — akko
と当時の心境を綴っている。
また、プロデュースとして全面に関わっていた小林武史は
「やっぱり「evergreen」なんですよね。マイラバでいろいろ作品を作ってきた中でも「evergreen」の誕生には特別な思い入れがあります。僕は1つのカテゴリに縛られないようなプロデュースワークをしている人間だと思っていますが、「evergreen」は“ポップミュージックを作る宿命”というか、そういうものに導かれて作ったところがあると思っていて……それは無意識だったんですが。」「表題曲の最後のコーラスのところ。リリース日も決まり、アルバムの終わり方や最終的な詰めを手探りでいろいろ試し続けていたあるとき、ロスでレンタカーにガソリンを入れていたら、「はっ」とフレーズを思い付いたんですよね。それでアルバムの完成が見えて。すぐに公衆電話から自宅に電話して、留守番電話に録音したんです。真っ青な空の下で、車はオープンカーで……って嘘みたいな話なんですけど(笑)。」「セールスだけで言えば、当時あれくらい売れているアーティストはほかにもいましたよね。僕はポップスにはある種の凝縮感が必要だと思っていて、「evergreen」には凝縮感もあったし、広がりも感じられた。その両方があったことで、けっこう受け入れてもらえるんじゃないかと思っていましたね。どこまで売れるかはわからなかったけれど。」
[2]
と語っている。
チャート成績
- オリコンチャート初登場で100万枚を突破し初動ミリオンを達成、同時にファーストアルバムによる初動ミリオンを初めて記録したアルバムとなり[3]、最終的には累計枚数が280万枚近く売り上げる大ヒット作品となった。
収録曲
CD全編曲: 小林武史(※特記以外)。 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|
1. | 「Magic Time」 | 小林武史 | 小林武史 | |
2. | 「Free」 | 小林武史 | 小林武史 | |
3. | 「白いカイト (Album Version)」 | 小林武史 | 小林武史 | |
4. | 「めぐり逢う世界」 | 小林武史・AKKO | 小林武史 | |
5. | 「Hello, Again 〜昔からある場所〜」 | 小林武史 | 藤井謙二・小林武史 | |
6. | 「My Paiting」 | 小林武史 | 小林武史 | |
7. | 「暮れゆく街で」 | AKKO | 小林武史 | |
8. | 「Delicacy (Album Version)」 | 小林武史 | 小林武史 | |
9. | 「Man & Woman」 | 小林武史 | 小林武史 | |
10. | 「evergreen」 | 小林武史 | 小林武史 | |
合計時間: | |
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楽曲解説
- Magic Time
- Free
- AXIACMイメージソング
- 白いカイト (Album Version)
- 2ndシングル。
- 2004年にジョンソン・エンド・ジョンソン「タイレノール」[4]及び、サントリーチューハイ「ほろよい 白いサワー」CMソング[5]
- めぐり逢う世界
- 後に4thシングル「ALICE」のカップリング曲として、シングルカットされたが、そちらでは冒頭のサウンドエフェクトがカットされている。
- タイトルとは異なり、歌詞中では「めぐり逢える世界」と歌われている。
- Hello, Again 〜昔からある場所〜
- 3rdシングル
- 日本テレビ系ドラマ「終わらない夏」オープニングテーマ
- My Painting
- 1stシングル両A面曲
- アルバム収録は今作のみであり、ベストアルバム等には収録されていない。
- 暮れゆく街で
- Delicacy (Album Version)
- 3rdシングルのカップリング
- アウトロがシングルバージョンと異なり、シンセサイザーのサンプルアンドホールドが用いられた上で男声のアナウンスにラジオのチューニングが合わさったSEが入り、そのまま次曲につながる。
- Man & Woman
- 1stシングル
- evergreen
- メロディーは小林が音楽を担当したドラマ『誰にも言えない』の劇伴として作られた「One Color」という曲が原型。「Lala〜,Lala,lalileile,aiWow~」と歌う部分は、小林がロスのレンタカーでレコーディング・スタジオに向かう中で、不意に浮かんできたという。アルバムリリース告知のTV SPOTではこの部分が起用されており、AKKO KENJI FUJII and TAKESHI KOBAYASHIの順にメンバーの名前が登場。3人でこの部分を歌っているような演出もさることながら、小林が正式に加入したことを強調したSPOTとも見て取ることができる。
- 小林が参加するBank Bandがアルバム『沿志奏逢2』にてカバー。
参加ミュージシャン
- Magic Time
- Free
- 白いカイト (Album Version)
- 山本拓夫 - Saxophone
- 荒木敏男 - Trumpet
- 高安錬太郎 - Computer Programming
- 角谷仁宣 - Computer Programming
- 松本賢 - Computer Programming
- めぐり逢う世界
- マイク・ベアード - Drums
- 高安錬太郎 - Computer Programming
- Hello, Again 〜昔からある場所〜
- 山本拓夫 - Saxophone
- 青山純 - Drums
- 美久月千晴 - Bass
- 高安錬太郎 - Computer Programming
|
- My Painting
- 樋沢達彦 - Bass
- 桑野聖ストリングス - Strings
- es sisters - Chorus
- 高安錬太郎 - Computer Programming
- 角谷仁宣 - Computer Programming
- 松本賢 - Computer Programming
- 暮れゆく街で
- ジョナサン・デービス - Oboe
- 高安錬太郎 - Computer Programming
- Delicacy (Album Version)
- 山本拓夫 - Saxophone
- 荒木敏男 - Trumpet
- 松永俊弥 - Drums
- 高安錬太郎 - Computer Programming
- Man & Woman
- 山本拓夫 - Saxophone
- 荒木敏男 - Trumpet
- 西村浩二 - Trumpet
- 村田陽一 - Trombone
- 高安錬太郎 - Computer Programming
- 角谷仁宣 - Computer Programming
- evergreen
- マイク・ベアード - Drums
- ニール・スチューベンハウス - Bass
- ジェリー・ヘイ - Trumpet,Flugelhorn
- ダン・ヒギンズ - Saxophone
- ビル・ライヒェンバッハ - Trombone
- ジョー・ピッツロ - Background Vocal
- 高安錬太郎 - Computer Programming
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タイアップ
脚注
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AKKO (Vocal) 小林武史 (Keyboard) - 藤井謙二 (Guitar) |
シングル |
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アルバム |
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