「#WeThe15」(ハッシュタグ・ウィー・ザ・フィフティーン)は、世界人口の15%、つまり12億人にあたる障害のある人や障害のある可能性のある人を数として可視化することを目的とした世界的な人権運動キャンペーンとそれを示すハッシュタグ[1][2][3][4][5]。また、「WeThe15」(ウィー・ザ・フィフティーン)は国際パラリンピック委員会(IPC)が2021年8月19日にYouTubeにて公開した動画及び2020年東京パラリンピック開閉会式で放映された映像の題名[6]。
概要
共生社会の実現に向けて「多様性と調和」を掲げ、2021年に開催された2020年東京パラリンピックにあわせて発表、開始された[7]、社会の人々の障害者への意識を変え、世界中の障害者への偏見や差別をなくすための試みとして[1][2][8][9][3][10][4][5]、国際パラリンピック委員会をはじめとする障害者スポーツを推進する団体や障害者の権利を擁護する団体、また非政府組織(NGO)および政府間組織、国連機関を含む国際機関によって企画されたキャンペーンである。8月24日の開会式に合わせて、東京スカイツリー、レインボーブリッジ、東京都庁といった開催地、東京の建物だけでなく、アメリカ・ニューヨークのエンパイアステートビル、イタリア・ローマのコロッセオ、アメリカ・カナダ国境にあるナイアガラの滝、シンガポールのガーデンズ・バイ・ザ・ベイにあるスーパーツリーグローブやイギリスのロンドンにあるロンドン・アイなどの世界中の125か所以上のランドマークがシンボルカラーである紫色にライトアップされた[11][12][13][14][5][15]。紫の円グラフのロゴは世界に12億人いるとされる「何らかの障害のある人」の世界人口における割合である15%を表すもの。ハッシュタグはTwitter等で用いられる[16]。
国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長は2020年東京パラリンピック開会式で以下のように述べている[17][10]。
We want to change the entire world.
That is why the IPC and International Disability Alliance spearheaded the launch of WeThe15.
Over the next 10 years WeThe15 will challenge how the world’s 15% with disabilities are perceived and treated at a global level. With the support of 20 international organisations, civil society, the business sector, and the media we will put the world’s 1.2 billion persons with disabilities firmly at the heart of the inclusion agenda. (...) Your performances could change the fortunes of your lives. But most importantly they will change the lives of 1.2 billion forever. This is the power of sport, to transform lives and communities. Change starts with sport. And from tomorrow on, Paralympic athletes start once again to change to world.
私達は世界を変えたい。そのためにIPCと国際障害同盟とでWeThe15を立ち上げました。今後10年間にわたり、WeThe15は、世界の15%にあたる何らかの障害を持つ人々がどのように認識され、扱われているのか、グローバルレベルで挑戦していきます。20の国際機関、市民社会、企業、メディアの支援を得て、世界の12億人の障害者をインクルージョンアジェンダの中心に据えます。(中略)選手のみなさんのパフォーマンスによってそれぞれの運命が変わるかもしれません。しかし、最も重要なことは、みなさんが12億人の人生を永遠に変えうることです。これこそが、人生やコミュニティを変革するスポーツの力なのです。変化はスポーツから始まります。そして明日から、パラリンピックアスリートは世界を変えるために再びスタートを切ります。
— アンドリュー・パーソンズ、2020年東京パラリンピック開会式のスピーチにて[17][10]
また、9月5日の閉会式でもこの運動にフォーカスが当てられ、イルミネーションや聖火の色をキャンペーンのシンボルカラーである紫色に変えるなどの演出を行った[18][19]。閉会式のスピーチでもパーソンズ会長は次のようにして「#WeThe15」について触れている[20][21]。
よりよい形での再建を目指す中 世界人口の15%を 取り残すことは できないのです。アスリートの向こうには 大変すばらしい活躍をした 彼らの向こうには 12億人の障がい者たちがいます。彼らも、一市民として 共生社会で活動したいと思い 活動できるのです。それが ルードヴィッヒ・グッドマン卿 という パラリンピック創始者の 願いでした。「WE THE 15」を通して グッドマンのレガシーを さらに高めたい。グローバルなムーブメントを通し アクセスを可能にし キャンペーンを展開したいと 思っています。今週、こう言いました。障がいを持つ人は 認められるために すごいことをしなくても いいはずだと。スポーツで、扉は開かれました。今度は、私たち一人一人が 私たちを分断する障壁を 打ち壊すときです。
東京パラリンピックを中継するテレビ放送を通して放映されたキャンペーンCMでは、障害のある人を「特別な存在」または「感動的な存在」としてではなく、障害を持たない人々、いわゆる健常者と同じ課題を抱えた普通の人々とした上で、無視するのではなく、受け入れるべき存在として紹介している[6][22]。
設立組織
- 障害者スポーツ団体
- 運動およびイノベーション組織
- 国際機関
協賛・支援・協力・賛同
- ツイートやプロフィールに「#WeThe15」と入力すると、キャンペーンのロゴマークである15%を示した紫の円グラフのアイコンが付記された[16]。
脚注
出典
関連項目
外部リンク