阿倍野駅(あべのえき)は、大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋にある、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の駅・阪堺電気軌道の停留場。
本項では、廃止された南海電気鉄道の駅についても記述する。
利用可能な鉄道路線
- 大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
- 阪堺電気軌道
歴史
Osaka Metro谷町線の阿倍野駅は、旧南海平野線阿倍野駅の代替駅として開業した。
年表
駅構造
大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
島式ホーム1面2線の地下駅である。ホーム階はシールド工法で建設された(八尾南方面と大日方面の計2本のシールドトンネル)。そのため、ホームの壁面が円柱の一部のように湾曲しており、ホーム端部は2本のシールドトンネルをつなげているのに対し、ホーム中央部は開口部を除きシールドトンネル状になっている。
改札口は北改札と南改札の2ヶ所設けられている。北改札は1号出入口(あべの橋駅・天王寺駅方面)、南改札は3-7号出入口(あべのベルタ)と直結している。2011年4月に開業したあべのキューズタウンと当駅を結ぶ連絡地下道(2号出入口)が2014年3月15日に開通した[2][3]。
当駅は、平野管区駅の所属で、文の里駅が管轄している。
八尾南方面は南海平野線跡地の阪神高速14号松原線と一体施工されたため、当駅より南東へ大きく曲がる。また、大日方面は阿倍野筋・谷町筋を北上する。
のりば
阪堺電気軌道
併用軌道区間の途中にあり、千鳥式ホーム2面2線を有する。朝ラッシュ時には係員が乗降客の整理のために配置される。2016年(平成28年)12月3日に新軌道に切り替えられるまでは、相対式2面2線の安全地帯が設けられていた。
現在の駅は上町線のみだが、かつて南海電鉄時代の1980年まで平野線と上町線が交差しており、天王寺駅前~平野間直通のための渡り線があった。
また、天王寺駅前停留場が現在地に移転する前(1950年代以前)は、現在の地下鉄阿倍野駅北出入口付近にも常盤通駅があった他、1970年頃まで当停留場~松虫間に中道駅があった。
のりば
南海電気鉄道(廃止)
南海平野線の阿倍野駅は、阿倍野交差点の南東角にあった。現在は、大阪市道津守・阿倍野線の道路の一部となっているため併用軌道上にあった駅のように見えるが、当時は阿倍野交差点東側の大阪市道津守・阿倍野線は片側一車線で、その南側が平野線の専用軌道となっており、同線の阿倍野駅もその専用軌道上にあった。
また、平野線の阿倍野駅は、1929年に上町線との直通運転が開始される頃まで交差点西側の現在阿倍野図書館・阿倍野区民センターがあるところの前の併用軌道区間にあり、この阿倍野図書館・阿倍野区民センターがあるところにかつて阿倍野斎場(火葬場)があった経緯から、上町線の阿倍野駅と区別するため、「斎場前」という副称が廃止されるまで付いていた(交差点の名前も以前は「斎場前」であった)。
のりば
利用状況
- 大阪市高速電気軌道 - 2023年11月7日の1日乗降人員は17,928人(乗車人員:9,453人、降車人員:8,475人)であった[5]。近年まで乗降人員は横ばいだったが、あべのハルカスの全面開業により、2014年度は増加となった。
年度別利用状況(大阪府統計年鑑より)
年度 |
大阪市高速電気軌道[注 1]
|
調査日 |
乗車人員 |
降車人員 |
乗降人員
|
1990年 |
11月06日
|
7,621 |
6,901 |
14,522
|
1995年 |
[注 2]2月15日
|
7,236 |
6,434 |
13,670
|
1998年 |
11月10日
|
7,294 |
6,465 |
13,759
|
2007年 |
11月13日
|
7,891 |
7,146 |
15,037
|
2008年 |
11月11日
|
8,307 |
7,654 |
15,961
|
2009年 |
11月10日
|
8,078 |
7,526 |
15,604
|
2010年 |
11月09日
|
7,975 |
7,419 |
15,394
|
2011年 |
11月08日
|
8,267 |
7,579 |
15,846
|
2012年 |
11月13日
|
8,226 |
7,577 |
15,803
|
2013年 |
11月19日
|
8,134 |
7,540 |
15,674
|
2014年 |
11月11日
|
8,627 |
7,869 |
16,496
|
2015年 |
11月17日
|
8,705 |
7,861 |
16,566
|
2016年 |
11月08日
|
9,298 |
8,544 |
17,842
|
2017年 |
11月14日
|
9,196 |
8,639 |
17,835
|
2018年 |
11月13日
|
9,429 |
8,554 |
17,983
|
2019年 |
11月12日
|
9,564 |
8,723 |
18,287
|
2020年 |
11月10日
|
8,619 |
7,755 |
16,374
|
2021年 |
11月16日
|
8,730 |
7,866 |
16,596
|
2022年 |
11月15日
|
9,295 |
8,454 |
17,749
|
駅周辺
公共施設
- あべのベルタ
- あべのベルタ内郵便局
- 大阪市立阿倍野市民学習センター
- あべのベルタ(西館)
- あべのフォルサ
- 大阪市立阿倍野屋内プール
- 大阪市立阿倍野防災センター
- 大阪市職員研修センター
- 大阪市消防局南方面隊
- 阿倍野備蓄倉庫
- 阿倍野区民センター
- 大阪市立阿倍野図書館
- 大阪市営南霊園阿倍野墓地
- 大阪市立葬祭場やすらぎ天空館
- 大阪阿倍野筋郵便局
- 関西電力 阿倍野変電所
- 大阪市阿倍野消防署
- 大阪府阿倍野警察署
- 大阪市阿倍野区役所
商業施設
金融機関
学校
その他
- 松崎食産・曲田商店(とんかつKYK・カレーサンマルコ)
- 相愛会相原第二病院
- 飛田遊廓跡
- 近鉄の大阪阿部野橋駅へは、直線距離で200 m程の距離にある。また、地下鉄谷町線と阪堺電気軌道上町線との乗り換えも、この駅で乗り換える方が天王寺駅で乗り換えるよりもむしろ便利である。
バス路線
最寄停留所は阿倍野筋四丁目となる。以下の路線が乗り入れ、大阪シティバスにより運行されている。
補足
1929年9月1日から1980年11月27日まで上町線と平野線をつなぐ連絡線があり、1929年12月8日から平野線最終営業日の1980年11月27日までこの連絡線を使用して天王寺駅前 - 平野間の電車が運行されていた(戦中・戦後の一時期は中止されていた)。阿倍野交差点北東角(旧・近畿大阪銀行前)にある南西方向に向かって建てられたトラス構造の鉄柱はその連絡線の架線柱として使われていたものであり、その後は上町線の架線を支える支柱として使用されているが、今も残る数少ない往時の名残りの一つである。また、阿倍野交差点から西側の大阪市道津守阿倍野線沿い、阪堺線今船停留場付近までの区間(平野線の阿倍野 - 飛田間に相当)にも平野線の架線柱として使われていた支柱が残っており、現在も阪堺線と上町線を結ぶ送電線用の支柱として使用されている。支柱番号は上町線の饋電線を意味する「上 キ」となっている。
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残存する架線柱(2020年3月)
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支柱番号の表示(2020年3月)
隣の駅
- 大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
- 谷町線
- 天王寺駅 (T27) - 阿倍野駅 (T28) - 文の里駅 (T29)
- 阪堺電気軌道
- ■上町線
- 天王寺駅前停留場 (HN01) - 阿倍野停留場 (HN02) - 松虫停留場 (HN03)
かつて存在した路線
- 南海電気鉄道
- ■平野線
- 飛田停留場 - 阿倍野駅 - 苗代田停留場
脚注
注釈
- ^ 2017年度までは大阪市営地下鉄。
- ^ 1996年に行われた調査であるが、会計年度上は1995年度となる。
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
阿倍野駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク