鈴木 靖民(すずき やすたみ、1941年7月30日[1] - )は、日本の歴史学者。専門は、日本古代史・東北アジア古代史。國學院大學名誉教授。前横浜市歴史博物館館長。
1941年、北海道で生まれた[2]。國學院大學文学部史学科で学び、1964年に卒業。同大学大学院文学研究科に進学し、1969年に博士課程を単位取得退学。
その後は國學院大學文学部助教授となり、後に教授昇格。1987年、学位論文『古代対外関係史の研究』を國學院大學に提出して文学博士号を取得[3]。2012年に國學院大學を定年退任し、名誉教授となった。2011年7月より2021年3月まで第3代横浜市歴史博物館館長を務めた[4]。
専門は古代史。倭国形成の時代から、東アジア全域の国際関係にも目を配って国家形成を考察していることから、対外関係史に関する著作も多い。
古代国家形成を文化人類学の首長制社会論を発展させて提唱し、「石母田正氏の提起した在地首長制論を継承する同学の方々が独自の解釈を展開したのとは逆に、そのもとを探って米欧の研究に深入りした」と自らの研究を述べている[5]。
また、「前方後円墳の巨大化は、基本的に共同体の代表としての継承資格を継承儀礼により獲得したことを、共同体成員に対してより明確に示すためになされたものであろう」[6]と、独自の古代国家形成論から一部の考古学者が主張する初期国家体制論を否定している。