フランスでは、André Truong Trong Thi[6] と François Gernelle が R2E (Réalisations et Etudes Electroniques) を創業し、1973年2月、Intel 8008 を採用したマイクロコンピュータMicral N を発売した[7]。これは元々はフランス国立農業研究所(英語版)で湿度測定を自動化するために設計されたコンピュータである[8]。Micral N の価格はPDP-8の約5分の1だった。クロック周波数は500kHzで、メモリは16kB搭載している。Pluribus と呼ばれるバスで最大14枚の基板を接続できる。デジタルI/O、アナログI/O、メモリ、フロッピーディスクコントローラなどの基板があった。
1970年代中ごろのホビーストたちは自前のシステムを設計し、時には集まって開発を行った。そんな中でホームブリュー・コンピュータ・クラブが生まれ、ホビーストたちの情報交換の場となった。多くのホビーストは公開された設計に基づいてコンピュータを自作した。例えば、1980年代前半の例として Galaksija がある。
Appleが Apple I を発売したのは1976年のことである。これはキットではないが、ケースや一部部品を自前で用意する必要があった。そして1977年、ケースに入った完成品のコンピュータ Apple II、Commodore PET、TRS-80 が発売された。後にバイト誌はこれらを "1977 Trinity" と称した[9]。ここからホームコンピュータの巨大市場の時代へと突入し、誰でも簡単にコンピュータを入手し、ゲーム、ワードプロセッサ、表計算ソフトなどのアプリケーションソフトウェアを入手できるようになっていく。一方ビジネス用途ではCP/Mが動作するコンピュータが主流だったが、IBMが IBM PC を発売するとこれがすぐに広まった。このPCは多くの企業によってコピーされ互換機市場を形成し、量産効果によって部品の価格がどんどん低下していき、PC/AT互換機が大きなシェアを占めるようになっていった。このため1990年代に入ると家庭用でもPC/AT互換機が主流となっていった。
脚注
^D. A. Slotnick, The Fastest Computer, Scientific American February 1971, reprinted in Computers and Computation, Freeman and Company, San Francisco 1971, ISBN 0-7167-0936-8
^Athony Ralston and edwin D. Reilly (ed), Encyclopedia of Computer Science 3rd Edition, Van Nostrand Reinhold, 1993 ISBN 0-442-27679-6, article Digital Computers History
^Freiberger, Paul; Michael Swaine (2000). Fire in the Valley: The Making of the Personal Computer. New York: McGraw-Hill. pp. 35–36. ISBN0-07-135892-7. ""A giant step toward the realization of the personal-computer dream happened in 1973, when Radio Electronics published an article by Don Lancaster that described a 'TV Typewriter'.""
^Ceruzzi, Paul E. (2003). A History of Modern Computing. Cambridge, MA: MIT Press. p. 226. ISBN0-262-53203-4. ""One influential project was the TV-Typewriter, designed by Don Lancaster and published in Radio-Electronics in September 1973.""
^Rheingold, H. (2000). Tools for thought: the history and future of mind-expanding technology (New ed.). Cambridge, MA etc.: The MIT Press.