『荒くれKNIGHT』(あらくれナイト)は、吉田聡による日本の漫画作品。1995年から2005年まで『ヤングキング』(少年画報社刊)誌上で連載され、のち2006年1月16日号から同年12月26日号まで『月刊荒くれKNIGHTマガジン』誌上で連載再開された。2007年4月時点で『荒くれKNIGHT』全28巻の総売上げは1000万部を記録している[1]。
本項では続編作品、また同作を原作として制作されたOVA、およびオリジナルビデオ・映画版についても記載する。
本作は暴走族「BIKEPACK‐輪蛇」の3代目リーダー・善波七五十を中心とした青少年達の青春を描いた群像劇であり、神奈川県の湘南海岸近辺、および周辺地域を舞台としている。
登場人物たちは暴走族・ヤンキーが主となっているが、主人公の「善波七五十」率いる『輪蛇』は周囲から、既存の暴走族とは一線を画する半ば伝説の存在と目されている。一方で輪蛇のメンバーたちは何らかの欠陥を抱えた者たちが大半であり、輪蛇を「(自分たちのような)弱虫たちが集まって生きていくために作り上げた聖なる結界」や「学校」に例えており、服部のように輪蛇から「卒業」して一人立ちしていくキャラクターもいる。喧嘩やチーム同士の抗争が頻発する点においては既存の暴走族と同じだが、基本的に輪蛇が抗争するのは「自分たちの走る道」を守るためであり、喧嘩をせざるを得ないという状況(自分たちの性格も含めて)をどう克服していくかという点において苦悩している。
『湘南爆走族』の自己オマージュ的な作品であり『湘爆』を彷彿とさせるキャラクターが多数登場する。(本作と『湘爆』は完全に独立した別作品であり『湘爆』を知らない読者が楽しめないと言う事は全く無い)なお2006年に刊行された『月刊荒くれKNIGHTマガジン』には『湘爆』のアナザーストーリーが掲載された。
作品タイトルの『荒くれKNIGHT』は、もともと『湘南爆走族』の外伝の中の石川晃(いしかわあきら)が、心から仲間と呼べるチームのメンバーに出会う前、まだ荒くれていた中学時代を描いたエピソードタイトル『荒くれNIGHT』(コミックス『湘南爆走族 別巻』に収録)を発展させたもの。
『ヤングチャンピオン』(秋田書店)にて『黒い残響 完結編』が連載された後、下記のシリーズが同誌にてそれぞれ掲載。
三代目リーダー・善波七五十率いる湘南随一の荒くれ集団。「がらがら蛇」の「赤蛇」こと内海マコトによって、「がらがら蛇」から純粋に「走り」を求める仲間だけが集められ組織されたチームである。
メンバーの全員が蛇の絡まった十字架が刺繍された革ジャンを身に着けており、歴代のリーダーには同じく十字架をモチーフとしたリーダーズリングが継承されるなど、十字架をチームのシンボルとして掲げている。これは「がらがら蛇」に属していた頃の罪――同じ「仲間」であった「がらがら蛇」を壊滅させた罪――に対する贖罪といったニュアンスに加え、「リンダ」という1人の女性を象徴するものとしても扱われている。革ジャンは代々受け継がれており、善波の革ジャンは初代リーダー・内海、春間の革ジャンは二代目リーダー・木原のものである。
チームを守る為に組織の正確な情報はメンバー以外には容易に掴めないものとなっている。作中でも正確なメンバー数は明かされておらず、むしろ一切登場しないメンバーの方が多数と思われる。チームの存在自体が一部の不良や走り屋の間で噂される程度であり、「輪蛇」を知る者たち(他チームに属する者など)にとっては恐怖の代名詞として知れ渡っている。故に自分たちが喧嘩を仕掛けた相手が「輪蛇」であると判明した途端、手のひらを返したように謝罪する場面が随所に見られる。一方でその存在感から、ある程度の実力を伴うチームなどには、しばしば同盟や合併、或いは抗争に備えた情報収集を目的とした接触を受ける(ネイティブ・ドラゴンズは本編で描かれている唯一の友好チーム)ものの、これらの全ては跳ね除けられ、一貫して秘密は守られている。
三代目の主要メンバーは、リーダー・善波七五十を始め、牧紅音、藤木圭三、野呂貞治など、十数名が登場しており、いずれも喧嘩に於いては屈強の猛者である(詳細は登場人物を参照)。
二代目・輪蛇の(特に善波の加入時期頃の)エピソードもしばしば描かれており、二代目リーダー・木原を始め、堺、堂上、白田、武田、嘉納兄弟といったメンバーが登場している。
輪蛇を裏から支える私設応援隊。 元は夜行蟲の最高幹部の一人、浅井亮率いる「浅井隊」の親衛隊と本隊の一部が輪蛇に対する恩義から設立した。輪蛇のエンブレムを上下逆にした革ジャンを着用しており、その存在を知る者は輪蛇メンバーですら限られている。牧の指示により動いていたが、のちに善波の判断により解散となった。その後、隊員だった村雨は輪蛇に加入している。
伊武恋二郎をリーダーとする湘南きっての実力派チーム。元は「がらがら蛇」の下部組織として設立された「パシリ」チームであった。その為、黎明期は強力なまとめ役が不在で「暫定リーダー」を庭住が務めていた。のちに黎明期を支えたメンバー・根岸に導かれリーダーとなった大鳥が圧倒的な存在感を放つ。そんな大鳥の下に花形、三田、鏑木、朝日、そして火仲などの猛者が集い次第に強大なチームへと変貌していく。時は流れ三代目・伊武の時代には輪蛇と肩を並べるほどのチームへと成長を遂げる。
「暫定リーダー」庭住の引退後は大鳥が「初代」リーダーを名乗る事になるが、その後を継いだ伊武は「三代目」を名乗っている。大鳥や後輩たちにとって真の「初代」は根岸であり根岸から大鳥、大鳥から伊武へと心の灯を受け継いだ「リーダーの系譜」はこの物語の主題である。
黒い残響 完結編にて黎明期からの詳しい遍歴が明かされている。
がらがら蛇の関連団体であると言う出自や一年戦争を生き延びたポテンシャル、同じ祖を持つ輪蛇との関係に大鳥らの合流など、黎明期から既に湘南のパワーバランスを左右する存在であった。そのため、湘南に野心を持つ組織はまず虎武羅に接触しようとする場合が多く、初期は輪蛇を超える湘南の火薬庫と化していた。伊武は比較的慎重なチーム運営姿勢を取っており、おいそれと抗争に介入はしないが、それでも輪蛇を標的とした騒動に巻き込まれることは少なくない。メンバー個々の能力が突出していない代わりに統率力に優れ、輪蛇と比べて非常時における構成員の暴発が少ない。劇中の描写では守りに力を発揮するチームである。
かつて「赤蛇」「青蛇」と呼ばれる2人の人物がリーダーを務め、南関東一帯に悪名を轟かせた最凶最悪の集団。他のチームへの襲撃・吸収を経て南関東全域を支配する巨大な組織へと成長を遂げて行く中で、主に抗争や犯罪の指揮を「青蛇」が、バイクや仲間内の相談事などを「赤蛇」が担う形をとり始め組織内部の二極化が進むこととなる。また巨大となった組織は支部同士で相打つ事態となるなど統率が取れなくなってゆく。
やがて、リーダーの1人である赤蛇が「走り」を基本とするメンバーを引き連れ「がらがら蛇」からチームを割って「輪蛇」を結成する。これを裏切り行為とした青蛇は「がらがら蛇」を率いて「輪蛇」の壊滅を図り、「輪蛇」も自らの自由を得るために「がらがら蛇」との抗争に応じ、「一年戦争」と呼ばれる抗争の果てに、ついに「がらがら蛇」は壊滅した。
その後、「がらがら蛇」の残党は輪蛇への復讐を狙って虎武羅へ寄生を図るなど様々な策謀をめぐらしていく。
総長・足立が絶対的統治のもと暗躍し支配。横須賀に本部を置き三浦半島一帯をテリトリーとしている。輪蛇・虎武羅と同様に組織の成り立ちには「がらがら蛇」が関係している。輪蛇壊滅・根絶やしを標榜し、宿命ともいえる輪蛇との因縁から度々抗争が勃発する。
『ヤングチャンピオン』(秋田書店刊)誌上で2007年No.20(2007年9月25日号)から2016年No.6(2016年2月23日発売)[2]まで連載。
大鳥大悟を主人公とし、虎武羅の過去を描く外伝作品。
春間を中心に四代目・輪蛇が形成されつつある中、春間のライバルを自認する井脇は、自身がナンバー2を務めていたローグスを離脱し己が進むべき道を見失っていた。井脇はローグスが手本としていた虎武羅に加入するも迷走は収まらなかった。そんな井脇の嘆願を受け稲垣は虎武羅の黎明期について話し始める…[3]。
「がらがら蛇」から「輪蛇」が割って出たことにより勃発した「一年戦争」の末期。潰し屋「花鳥風月」の「鳥」こと大鳥大悟は輪蛇を潰す計画の一環として虎武羅に近づくがチームの中心人物・根岸に感銘を受け、後の「輪蛇」二代目リーダー木原篤をはじめとする様々な人々との出会いの中で次第にその考え・生き方を変えていく。
『黒い残響 完結編』完結後、『ヤングチャンピオン』誌上で2018年No.7から連載されている[4]。
東映Vアニメのレーベルで東映ビデオより、全2巻で発売。2004年5月21日に、2巻分を1本にまとめたDVDもリリースされた。
東映Vシネマレーベルで東映ビデオよりVHSでリリース。2004年にDVD化リリースされた。
映画の続編のオリジナルビデオ版は、下記#映画を参照。
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