翁島村(おきなじまむら)は、福島県耶麻郡にかつて存在した村である。
地理
村は猪苗代湖の北岸に位置し、現在の猪苗代町の南西部にあたる。
歴史
1889年、町村制の施行に伴い、三ッ和村・長田村・磐根村・翁沢村の4か村が合併して発足した。村名は、村域に含まれる猪苗代湖上唯一の島・翁島(おきなじま、旧翁沢村域)に由来する。
1899年、磐越西線が開通し、翁島駅(おきなしまえき)が開設された。
1908年には村内に有栖川宮の別邸(翁島別邸、天鏡閣)が建設された。有栖川宮威仁親王没(1913年)後、天鏡閣は高松宮の所有に移り、第二次世界大戦後の1952年に福島県に払い下げられている。天鏡閣には、皇太子時代の大正天皇が訪問したことがあるほか、1924年には当時の皇太子裕仁親王(のちの昭和天皇)が新婚旅行で訪問している。皇族が利用する関係で、最寄り駅である翁島駅には貴賓室が設けられた。
この村の出身者には野口英世がいる。野口は1876年、(翁島村発足以前の)三ツ和村三城潟に生まれた。1915年、野口は米国から15年ぶりに帰国し、故郷の地を踏んでいる。
1947年8月18日、昭和天皇の戦後巡幸があり、村内の緊急開拓農地を視察、高松宮別邸(前出)に宿泊した[1]。
村域の変遷
変遷表
1868年 以前
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明治8年
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明治22年 4月1日
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昭和30年 3月1日
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現在
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三城潟村
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三ツ和村
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翁島村
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猪苗代町
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猪苗代町
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新在家村
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五十軒村
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大在家村
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長田村
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釜井村
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烏帽子小屋村
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東真行村
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南真行村
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西真行村
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西久保村
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磐根村
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桜川村
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行津村
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土田新田村
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袋新田村
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本町の一部
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新町上分の一部
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蟹沢村
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翁沢村
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金滓沢新田村
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戸ノ口村
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三本木新田村
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大字
- 三ツ和(みつわ)
- 長田(おさだ)
- 磐根(いわね)
- 翁沢(おきなざわ)
人口・世帯
人口
総数 [単位: 人]
世帯
総数 [単位: 世帯]
1920年(大正 9年) | 346 |
1947年(昭和22年) | 518 |
経済
- 農業
『大日本篤農家名鑑』によれば翁島村の篤農家は、「宇南山重郎、山内清作、鈴木藤八、渡部佐一、五十嵐勝司」などである[2]。
交通(廃止直前)
鉄道
道路
著名な出身者
- 野口シカ - 野口英世の母、産婆。三城潟村生まれ。
- 野口英世 - 医学者。1876年(明治9年)、三ツ和村三城潟生まれ。
脚注
参考文献
関連項目