「私軍 」とは異なります。
この項目では、英語で「Private military 」とも表記される概念について説明しています。
英語で「Private military company 」等と表記される概念については「民間軍事会社 」をご覧ください。
私兵 (しへい、英 : Private army ないし 英 : Private military 、独 : Privatarmee 、葡 : Exército privado )とは、その忠誠 の対象を国民 ・民族 や国家 ・政府 に対してでなく、私人 ・民間人 ・特定の政党 及び私的な集団 ・組織 ・団体 ・企業 に対して向ける、武器 で武装 した戦闘員 、或いは、そのような戦闘員から成る軍事 組織のこと。
形式的に国軍 ・正規軍 ・常備軍 ・準軍事組織 その他の公式・合法な軍隊 であったとしても、その実質的な忠誠 の対象が上述の定義に当てはまれば、「私兵」と見做され得る。
歴史
中央政府が弱い場合に土地所有者が争いの際に自らと財産を守るために家来を武装させることで、私設軍隊が結成されることがある。このような私設軍隊は、例えばローマ帝国において、中央政府が崩壊した後に存在した。このような状況での力関係の変遷は、現代のコロンビアでも目にすることができる。麻薬カルテル に所属し、彼らの犯罪行為を保護するために存在する部隊がいる一方で、誘拐や恐喝 に対抗するために編成された地主の部隊、すなわちコロンビア自衛軍連合 のような私兵部隊もいる。
多くの場所で、このような私兵団は封建 的な構造に発展し、義務や忠誠を公式化して親衛隊や近衛兵といった様相 (英語版 ) を帯びるようになり、場合によっては名目上の宗主国 から権力を奪ったり、新しい主権国家を創設したりできるほどの力を得た。
私設軍隊は、実際に行われる迫害や認識される迫害から身を守るために、また自分たちの信条を推進するために、宗教を同じくする人々が団結して形成されることもある。例えば、フス戦争 におけるフス派 、モルモン教のNauvoo Legion 、イラクのマフディー軍 など。このような民兵組織 は、その性質上、カリスマ的指導者によって結成されたり、その影響下に置かれたりして、個人的な野心の道具になり得る可能性もある。
2017年に伝統的な兵装でパレードを行なうアトール・ハイランダーズ。イギリス軍 からは独立した存在であり、2021年現在もリー・メトフォード小銃 を装備している。
スコットランド のアソル公爵 に従属するアトール・ハイランダーズ は、2021年現在、ヨーロッパに存在する唯一の合法的な私兵 である。
具体例の一覧
関連項目
外部リンク