澤田 直(さわだ なお、1959年 - )は、日本のフランス哲学者・フランス文学者・翻訳家。立教大学教授。直之の名も使う。ジャン=ポール・サルトル、ジャン=リュック・ナンシーなどを研究[1]。
来歴
1984年法政大学文学部哲学科卒業、1987年同大学院人文科学研究科哲学専攻修士課程修了、1994年パリ第1大学大学院哲学科博士課程修了、哲学博士。1995年流通経済大学経済学部専任講師、1996年助教授、2000年白百合女子大学文学部助教授、2002年教授、2006年立教大学文学部文学科フランス文学専修・同大学院文学研究科フランス文学専攻博士課程前期課程教授[1]。2023年『フェルナンド・ペソア伝 異名者たちの迷路』で読売文学賞(評論・伝記賞)受賞[2]。
日仏哲学会理事、日仏翻訳文学賞(小西国際交流財団主催)および渋沢・クローデル賞の選考委員を務める[3]。
2018年6月、フランス政府教育功労章シュヴァリエ(騎士、3等)を受章[3]。
家族
妻リリアンヌ・ラタンジオ(Liliane Lattanzio)との共著でフランス語教材を出版し、NHKラジオのフランス語講座を担当するなどフランス語教育にも貢献[3]。
著書
- 『新・サルトル講義 - 未完の思想、実存から倫理へ』(平凡社新書) 2002年
- 『〈呼びかけ〉の経験 - サルトルのモラル論』(人文書院) 2002年
- 『ジャン=リュック・ナンシー 分有のためのエチュード』(白水社、哲学の現代を読む) 2013年
- 『サルトル読本』(法政大学出版局) 2015年
- 『サルトルのプリズム - 二十世紀フランス文学・思想論』(法政大学出版局) 2019年
- 『フェルナンド・ペソア伝 異名者たちの迷路』集英社、2023.8
共編著
- 『国境なき文学』(白百合女子大学言語・文学研究センター編、責任編集、芸林書房、アウリオン叢書) 2004年
- 『翻訳の地平 フランス編』(白百合女子大学言語・文学研究センター編、星埜守之と責任編集、弘学社、アウリオン叢書) 2006年
- 『サルトル 21世紀の思想家 - 国際シンポジウム記録論集』(石崎晴己共編、思潮社) 2007年
- 『完本 ジャコメッティ手帖』I - Ⅱ(矢内原伊作著、武田昭彦,菅野洋人,李美那共編、みすず書房) 2010年
- 『写真と文学 - 何がイメージの価値を決めるのか』(塚本昌則共著、平凡社) 2013年
- 『共にあることの哲学 - フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉1 理論編』(岩野卓司編、湯浅博雄,合田正人,増田一夫,坂本尚志,藤田尚志共著、書肆心水) 2016年
- 『共にあることの哲学と現実 - 家族・社会・文学・政治 - フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉2 実践・状況編』(岩野卓司編、合田正人,郷原佳以,坂本尚志,藤田尚志,増田一夫,宮﨑裕助共著、書肆心水) 2017年
- 『異貌のパリ 1919 - 1939 - シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化』(水声社) 2017年
- 『はじまりのバタイユ 贈与・共同体・アナキズム』岩野卓司共編、法政大学出版局、2023.4
教材・翻訳関連
- 『アミカルマン - フランス語・フランス文化への誘い』改訂版(澤田直之名義、リリアンヌ・ラタンジオ,黒川学著、駿河台出版社) 2002年
- 『翻訳の地平 フランス編』(白百合女子大学言語・文学研究センター編、星埜守之と責任編集、弘学社、アウリオン叢書) 2006年
- 『博物誌で学ぶフランス語カジュアル表現 - 入門を終えたら NHKラジオフランス語講座』(リリアンヌ・ラタンジオ共著、日本放送出版協会) 2007年
- 『ヴレマン? 文法を深めながら発見するフランス14章』(リリアンヌ・ラタンジオ共著、三修社) 2017年
- 『アミカルマン〈プリュス〉』(リリアンヌ・ラタンジオ,黒川学共著、駿河台出版社) 2018年
- 『翻訳家たちの挑戦 - 日仏交流から世界文学へ』(坂井セシル共著、水声社) 2019年
翻訳
ジャン=ポール・サルトル
- 『真理と実存』(ジャン=ポール・サルトル、人文書院) 2000年
- 『言葉』新訳(ジャン=ポール・サルトル、人文書院) 2006年
- 『自由への道』全6巻(ジャン=ポール・サルトル、海老坂武共訳、岩波書店、岩波文庫)2009 - 2011年
- 『家の馬鹿息子 - ギュスターヴ・フローベル論(1821年より1857年まで)4』(ジャン=ポール・サルトル、鈴木道彦,海老坂武監訳、黒川学,坂井由加里共訳、人文書院) 2015年
- 『主体性とは何か?』(ジャン=ポール・サルトル、水野浩二共訳、白水社) 2015年
- 『イマジネール 想像力の現象学的心理学』(ジャン=ポール・サルトル、水野浩二共訳、講談社学術文庫) 2020年
- 『家の馬鹿息子 - ギュスターヴ・フローベル論(1821年より1857年まで)5』(ジャン=ポール・サルトル、鈴木道彦,海老坂武監訳、黒川学,坂井由加里共訳、人文書院) 2021年
フィリップ・フォレスト
脚注