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毛利 嘉孝(もうり よしたか、1963年3月21日 - )は、日本の社会学者。専攻は、社会学・文化研究・メディア論。東京芸術大学大学院国際芸術創造研究科教授。東京在住。
経歴
長崎県生まれ。京都大学経済学部卒業後、広告代理店(I&S)に勤務。その後、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジに留学。ポール・ギルロイらの指導を受ける。
九州大学大学院比較社会文化研究院助手、助教授などを経て、2005年より東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科助教授、2007年より東京芸術大学大学院音楽研究科(音楽文化学芸術環境創造研究分野)准教授。
2016年より東京芸術大学大学院国際芸術創造研究科(アートプロデュース専攻)教授。
その他、NPO法人アート・インスチチュート北九州理事。東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、立教大学兼任講師など。
現在は、カルチュラル・スタディーズの他、音楽や美術などの現代文化、メディア・社会運動を中心として、社会科学と人文科学を範囲に、研究・批評・実践活動を行っている。
東浩紀との論争
アジア太平洋資料センター(PARC)の雑誌『オルタ』2007年7月号に、「エセの人間工学に抗して、より正しい人間工学を~下北沢の再開発計画と『東京から考える』をめぐって~ 」と題する文章を寄稿。東浩紀と北田暁大の共著『東京から考える』(NHK出版、2007年1月)を取り上げ、東のいうジャスコ化(都市がバリアフリーやセキュリティを追求するための低コスト型の処方箋)を批判、「人間工学的に正しい」「だれにでもやさしい公共空間」という「エセの科学、エセの理念」には問題があり、「表面的に耳障りのいいこうした語は、けれどもそもそも都市空間がもっている政治的・経済的・社会的な不均衡を覆い隠している。空間は決して中立なものではなく、一定の権力関係の下で生産されたものなのである」と批判した[1]。
対して東浩紀は毛利の『ストリートの思想』と三浦展を取り上げて「三浦さんと毛利さんはまったく違ったタイプの書き手ですが、共通して、空調が効いたショッピングモールを批判し、猥雑な商店街あるいはストリートこそが本当の公共圏だと主張」しているが、「軽薄な消費者(=資本主義)」と「まじめな市民(=共同体主義)」という構図は限界であり、「思えばショッピングモールというのは、人々が政治も文化も宗教も共有しないまま、互いに調和的にふるまい、なにかを共有しているかのような気になれる空間」と現代消費社会肯定論を展開している[2]。
学歴
職歴
著作
単著
共著
編著
- 『日式韓流――『冬のソナタ』と日韓大衆文化の現在』(せりか書房, 2004年)
- 『アフターミュージッキング――実践する音楽』(東京藝術大学出版会, 2017年)
共編著
訳書
- ピーター・ワード『キッチュ・シンクロニシティ――20世紀消費社会における悪趣味文化の変遷』(アスペクト, 1998年)
- グレアム・ターナー『カルチュラル・スタディーズ入門』(溝上由紀ほか共訳, 作品社, 1999年)
- ジェイムズ・クリフォード『ルーツ――20世紀後期の旅と翻訳』(有元健ほか共訳, 月曜社, 2002年)
- ジャウディン・サルダーほか『〔INTRODUCING〕カルチュラル・スタディーズ』(小野俊彦共訳, 作品社 2002年)
- ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック――近代性と二重意識』(鈴木慎一郎共訳 月曜社 2006年)
- スティーヴ・ライト『BANKSY'S BRISTOL: HOME SWEET HOME』(小倉利丸, 鈴木沓子共訳, 作品社, 2012年)
- パトリック・ポッター『BANKSY YOU ARE AN ACCEPTABLE LEVEL OF THREAT』(鈴木沓子共訳, パルコ出版, 2013年)
- レイ・モック『バンクシー・イン・ニューヨーク』(鈴木沓子共訳, パルコ出版, 2016年)
- ゼイナップ・トゥフェックチ―『ツイッターと催涙ガス ネット時代の政治運動における強さと脆さ (ele-king books)』(監修、中林敦子訳, Pヴァイン, 2018年)
連載
脚注
関連項目
外部リンク