『朗読』(ろうどく)は、NHKラジオで放送されている朗読番組である。本項では同じNHKで制作され、ほぼ同じ構成で放送されているラジオ朗読番組『朗読の世界』(ろうどくのせかい)についても説明する。
番組概要
『朗読』
- 冒頭で朗読者が「朗読の時間です」または「朗読の時間」とタイトルコールするが、番組名は『朗読の時間』ではなく単に『朗読』である。日本の近現代の作家を中心とする文芸作品を、俳優やアナウンサーらが朗読する。明治~昭和の近代文学作品が多いものの、存命中の作家が取り上げられることもある。番組構成はエンディングで音楽が流れる以外、効果音やBGMなどを一切用いず、作品本文は朗読音声のみを届ける点が特徴。本文以外の部分も作者・作品の紹介や、朗読者名・開始と終了のアナウンスなど最低限にとどまり、トークなども原則挟まない。ただし取り上げた作品が古く、今日放送では使われない表現(いわゆる放送禁止用語)が含まれる場合、作者の意思や原作のオリジナリティを尊重する観点からそのまま朗読する旨の断りのアナウンスが入ることがある。
- 2022年度以前
- 2022年4月までの時点では、作品の長さはさまざまで、1回~数回に収まる短編を複数作品まとめた短編集形式から、1作品で50回以上に跨る長編のものまで含まれていた。どれほどの長さでも、朗読者は1作品(または1つの短編集)で1人に固定されていた。1放送回は15分間で、週5回の本放送(月 - 金曜)および5回分連続の再放送(土曜)があったが、古くは1回20分・週6回放送だった時期があるなど変遷がある(詳しくは後述)。この形式でのレギュラー放送は2022年度の番組編成変更[1]により、同年4月2日の再放送を以って一度終了し、同年度中は特別番組として不定期に放送されていた。
- 2023年度以降
- 2023年度からは週1回(土曜)15分間の番組としてレギュラー放送が再開された[2]。番組構成はおおむね従前から引き継いでいるが、4回前後(約1ヶ月間)で1作品を取り上げる形式となり、それ以上の長さの作品は後述の『朗読の世界』が取り上げるようになった。また複数の朗読者で1作品を朗読する[3]など、以前と異なる構成の放送回もある。
『朗読の世界』
上述の『朗読』のレギュラー放送再開と同じ2023年4月に始まった[2]朗読番組で、本文を演出・BGMなしでそのまま朗読する点、本文以外の内容が最小限である点など、番組構成のほとんどが『朗読』と共通している。
また1回15分間・週5回(月 - 金曜)放送で、1作品の放送回数が作品の長さに応じて不定となっている点、朗読者が1作品1人に固定されている点は、2022年4月までの時点の『朗読』と同じスタイルを踏襲している。原則新作を生放送するが、過去にラジオ第2で生放送された作品の再放送も行われるものもある。
放送期間と放送日時
放送時刻
2023年4月 -
放送時刻等の変遷
【再】はその日またはその週の放送回の再放送。放送波の「第1」はラジオ第1、「第2」はラジオ第2、「FM」はNHK-FM。
- 『朗読』
期間 |
放送波 |
放送曜日 |
放送時刻
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(不明)[6] ~1978/11/18[7]
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FM |
月-土(週6回) |
午前10:40 - 11:00(20分間)
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FM【再】 |
月-土(週6回) |
午後11:35 - 11:55(20分間) ※再放送がない日・期間もあった。
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1978/11/20[8] ~1983/4/1[9]
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FM |
月-金(週5回) |
午前10:40 - 11:00(20分間)
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1983/4/4[10] ~1985/3/23[11]
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FM |
月-金(週5回) |
午前10:45 - 11:05(20分間)
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1985/4/1[12] ~1995/3/31[13]
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FM |
月-金(週5回) |
午前11:00 - 11:15(15分間)
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1995/4/3 ~1996/3/29[13]
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FM |
月-金(週5回) |
午前11:00 - 11:15(15分間)
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第2【再】 |
月-金(週5回) |
午後6:10 - 6:25(15分間)
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1996/4/1 ~2002/3/29[13]
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第2 |
月-金(週5回) |
午後6:10 - 6:25(15分間)
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2002/4/1 ~2008/3/28[13]
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第2 |
月-金(週5回) |
午後3:45 - 3:59(約15分間)
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2008/3/31 ~2011/3/25[13]
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第2 |
月-金(週5回) |
午前10:45 - 10:59(約15分間)
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2011/3/28 ~2018/3/31[13]
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第2 |
月-金(週5回) |
午前9:45 - 9:59(約15分間)
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第2【再】 |
土(5回連続) |
午後10:25 - 11:40(75分間)
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2018/4/2 ~2022/4/2[13]
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第2 |
月-金(週5回) |
午前9:45 - 9:59(約15分間)
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第2【再】 |
土(5回連続) |
午後9:45 - 10:59(約75分間)
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2022年度
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第1 |
不定期特別番組として放送
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2023/4/8~
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第1 |
土(週1回) |
午後0:30 - 0:45(15分間)[4]
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- 『朗読の世界』
期間 |
放送波 |
放送曜日 |
放送時刻
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2023/4/3~
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FM |
月-金(週5回) |
午後9:15 - 9:30(15分間)[5]
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特別番組
2015年から2022年にかけ、毎年ラジオ第2の年末年始特別編成が実施される時期に『朗読特集』などと銘打ち、普段より長い時間で集中的に放送していたことがあった。また2022年度は特別番組が不定期で放送された。
- 2022年度の不定期放送
- 『村上春樹を読む「ドライブ・マイ・カー」 〜短編集「女のいない男たち」より〜』 - 2022年8月8~12日、15~17日(15分×15回)・ラジオ第1[16]
- 番組名こそ『朗読』ではなかったものの、同じスタイルの朗読番組として放送され、『朗読』レギュラー放送終了時に使われていたエンディングテーマ曲も使用された。読み手は勝村政信と山像かおり。
- 年末年始の朗読特集
- 『朗読特集 向田邦子「思い出トランプ」』 - 2021年12月31日~2022年1月3日(60分×4回)・ラジオ第2[17]
- 読み手は青木裕子。
- 『新春朗読特集「アンネの日記」』 - 2015年1月1~3日(90分×3回)・ラジオ第2[18]
- 読み手は竹下景子。
ほか。
過去の主な朗読者
関連項目
出典
- ^ 2022年度放送番組時刻表
- ^ a b 新設番組一覧 - NHK(2023年3月19日閲覧)
- ^ アナウンサーが読む 江戸川乱歩「人間椅子」第1回 - 朗読 - NHK (2023年5月17日閲覧)
- ^ a b 朗読 - NHK at the Wayback Machine (archived 2023年4月9日)
- ^ a b 朗読の世界 - NHK at the Wayback Machine (archived 2023年4月9日)
- ^ 『読売新聞縮刷版』1969年4月号(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表の記述に従えば、1969年4月7日よりこの時刻・曜日での放送が始まったとみられる。また、『読売新聞縮刷版』1963年4月号(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表より、『朗読』の番組自体は遅くとも1963年4月以前である。
- ^ 『読売新聞縮刷版』1978年11月号(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表より。
- ^ 『読売新聞縮刷版』1978年11月号(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表より。
- ^ 『読売新聞縮刷版』1985年3月号・4月号(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表より。
- ^ 『読売新聞縮刷版』1983年4月号(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表より。
- ^ 『読売新聞縮刷版』1985年3月号(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表より。
- ^ 『読売新聞縮刷版 1985年4月号』(読売新聞社)内の各日刊・夕刊ラジオ番組表より。
- ^ a b c d e f g NHK公式サイト「NHKクロニクル」の過去のラジオ番組表(NHKクロニクル | NHKアーカイブス - 日本放送協会(2023年3月19日閲覧)にて検索可能)より
- ^ 岸本加世子が読む 向田邦子「あ・うん」より「狛犬」 第1回 - 朗読 - NHK(2013年3月19日閲覧)
- ^ 野間口徹が読む 遠藤周作「四十歳の男」 第1回 - 朗読 - NHK(2013年3月19日閲覧)
- ^ 村上春樹を読む「ドライブ・マイ・カー」 〜短編集「女のいない男たち」より〜 - NHK(2023年3月19日閲覧)
- ^ 朗読特集 向田邦子「思い出トランプ」 (1) | NHKクロニクル | NHKアーカイブス、朗読特集 向田邦子「思い出トランプ」 (2) | NHKクロニクル | NHKアーカイブス、朗読特集 向田邦子「思い出トランプ」 (3) | NHKクロニクル | NHKアーカイブス、朗読特集 向田邦子「思い出トランプ」 (4) | NHKクロニクル | NHKアーカイブス | NHKクロニクル | NHKアーカイブス(2023年3月19日閲覧)
- ^ 年末年始特集 各波おすすめ番組 -NHK(2013年3月19日閲覧)
外部リンク