新井 恒易(あらい つねやす、1912年12月18日[1] - 1999年9月15日[2])は、日本の民俗学者、教育評論家。特に民俗芸能の研究。
来歴
埼玉県比企郡野本村(現東松山市)生まれ。速記者として1935年に日本民俗協会設立総会の速記をしたことがきっかけとなり、日本文化中央連盟に勤務[1][3]。折口信夫が公開講座で行った「日本芸能史六講」の速記を行った[3][4]。
戦後は、郷土教育協会理事[5]、社団法人教育文化振興会代表理事[6]を務め、『日本教育年鑑』の編集・執筆を行った。その間、学校図書館法の制定に尽力した[7]。その傍ら、まつり同好会に所属して、田遊びを中心とする民俗芸能の研究を行い、1982年に『農と田遊びの研究』で角川源義賞受賞[8]。
著書
- 『社会科教育に資する新教育と郷土の科学』西荻書店 1948
- 『危機の学生運動 歴史とその展望』明治書院 1952
- 『日教組運動史』日本出版協同 1953
- 『日本の祭と芸能』吉川弘文館 1956
- 『愛国心と教育』1958 三一書房・三一新書)
- 『能の研究 古猿楽の翁と能の伝承』新読書社 1966
- 『中世芸能の研究 呪師・田楽・猿楽』新読書社 1970
- 『続 中世芸能の研究 田楽を中心として』新読書社 1974
- 『農と田遊びの研究』明治書院 1981.5
- 『日本の祭りと芸能』ぎょうせい 1990.2
- 『恍惚と笑いの芸術<猿楽> 』新読書社 1993.9
共編著
- 『教科書 ふたたび誤ちをくりかえすか』真下孝雄、皆川正治共著 明治図書出版 1955
- 『書くべえ読むべえ話すべえ』 1957 (三一新書)
- 『現代世界教育史』原田種雄共編著 ぎょうせい 1981.9
参考文献
- 新井恒易「学校図書館法の解説」『新しく制定された重要教育法の解説』東洋館出版、1953年、1-42頁。 NCID BN10543642。
- 新井恒易「歴史と私」『歴史手帖』第15巻第5号、名著出版、1987年、3頁。
- 新井奈夫「略歴―新井恒易」『まつり』第62号、まつり同好会、2000年、97-98頁。
- 渡辺伸夫「新井恒易〔特集〈人物史・芸能研究の昭和(二)〉〕」『芸能』第31巻第11号、芸能学会、1989年、29-30頁。
脚注