「愛のことば 」 (あいのことば、原題 : The Word )は、ビートルズ の楽曲である。1965年12月3日に発売された6作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ラバー・ソウル 』のA面5曲目に収録された。レノン=マッカートニー の作品で、ボーカル は主にジョン・レノン 、ポール・マッカートニー 、ジョージ・ハリスン の3声コーラスで、ミドルエイトのみレノンがリードをとっている。
背景
本作はレノンとマッカートニーの共作で、本作についてレノンは「ポールと一緒に書いたけど、ほとんどは僕が書いた。ことばを読むとなかなか垢抜けてるのがわかるよ。ちょうどマリファナ にはまっていた時期だ。これは“愛”。“愛と平和”の“愛”だ」と語り[2] 、マッカートニーは「僕らは少しマリファナ を吸ってから、カラフルな気分で書いた。僕らは普段作業をしながら吸ったりしなかったから、初めての体験だった」と語っている。
作曲の貢献度について、2018年にハーバード大学 のマーク・グリックマンらが、かつてシェイクスピア の作品のいくつかは劇作家のクリストファー・マーロウ との共著であると解明したのと同じ統計学 の手法を用いて楽曲や作曲背景の分析を行い、「『The Word 』はポールの作品と結論づけた」と発表した[4] 。
曲の構成
音楽的には、曲は疾走するリズムと数コードと簡単なメロディ (Dメジャー )の上に成り立っている。リフレインはD のキーに設定されたブルース形式 になっていて、主にD7コードが使用されており、これは「ドライヴ・マイ・カー 」や「タックスマン 」でも使用された。
後年、マッカートニーは、本作について「ジョンと僕は『ロング・トール・サリー 』みたい記憶に残る曲が作りたかったんだ。『愛のことば』ではそれに近づけたかな」と語っている。
評価
『ラバー・ソウル』の発売50周年を記念したレビューで、『クラシック・ロック 』誌のジェイコブ・アルバーノは、本作について「絶対的に素晴らしい物と言えるわけではない」「ハーモニー が少し不自然」とする一方で、本作を「面白い楽曲」とし、下降するピアノのフレーズとリンゴ・スター のドラミングを称賛した[8] 。
2018年に『タイムアウト・ロンドン 』誌が発表した「The 50 Best Beatles songs 」で、第33位にランクインした[9] 。
クレジット
※出典。
カバー・バージョンやその他の使用例
「愛のことば」は、13thフロア・エレベーターズ 、ケリー・ハント (英語版 ) 、ポール・ミシェル (英語版 ) らによってカバーされた[11] 。
2006年にシルク・ドゥ・ソレイユ のショーのサウンドトラック・アルバムとして発売された『LOVE 』に、「ドライヴ・マイ・カー 」、「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング 」とのメドレー「ドライヴ・マイ・カー / 愛のことば / ホワット・ユー・アー・ドゥーイング 」(Drive My Car / The Word / What You're Doing )が収録された。このメドレーには、「タックスマン 」のギターソロと「サボイ・トラッフル 」のホーンセクション[12] [13] [12] のほか、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ 」のコーラスと「ヘルター・スケルター 」の効果音がコラージュされている[14] 。
脚注
出典
参考文献
MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised Edition ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-844-13828-3
Aldridge, Alan (1990). The Beatles Illustrated Lyrics . Boston: Houghton Mifflin / Seymour Lawrence. ISBN 0-395-59426-X
外部リンク