孫楊

孫楊
2014年アジア大会での孫楊
選手情報
フルネーム 孫楊
国籍 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
泳法 自由形
生年月日 (1991-12-01) 1991年12月1日(32歳)
生誕地 浙江省杭州市
身長 198 cm
体重 89 kg
獲得メダル
競泳
中華人民共和国の旗 中華人民共和国
オリンピック
2012 ロンドン 男子 400m自由形
2012 ロンドン 男子 1500m自由形
2016 リオデジャネイロ 男子 200m自由形
2012 ロンドン 男子 200m自由形
2016 リオデジャネイロ 男子 400m自由形
2012 ロンドン 男子 4×200mフリーリレー
世界水泳選手権
2011 上海 男子 800m自由形
2011 上海 男子 1500m自由形
2013 バルセロナ 男子 400m自由形
2013 バルセロナ 男子 800m自由形
2013 バルセロナ 男子 1500m自由形
2015 カザン 男子 400m自由形
2015 カザン 男子 800m自由形
2017 ブダペスト 男子 200m自由形
2017 ブダペスト 男子 400m自由形
2019 光州 男子 200m自由形
2019 光州 男子 400m自由形
2011 上海 男子 400m自由形
2015 カザン 男子 200m自由形
2009 ローマ 男子 1500m 自由形
2011 上海 男子 4×200mフリーリレー
2013 バルセロナ 男子 4×200mフリーリレー
アジア競技大会
2010 広州 男子 1500m自由形
2010 広州 男子 4×200mフリーリレー
2014 仁川 男子 400m自由形
2014 仁川 男子 1500m自由形
2014 仁川 男子 4×100mフリーリレー
2018 ジャカルタ 男子 200m自由形
2018 ジャカルタ 男子 400m自由形
2018 ジャカルタ 男子 800m自由形
2018 ジャカルタ 男子 1500m自由形
2010 広州 男子 200m自由形
2010 広州 男子 400m自由形
2014 仁川 男子 200m自由形
2018 ジャカルタ 男子 4×100mフリーリレー
2018 ジャカルタ 男子 4×200mフリーリレー
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孫 楊(そん よう、Sun Yang)は、中国浙江省杭州市出身の競泳選手[1]。専門は中長距離の自由形。身長198cm。

経歴

バスケットボール選手の父親とバレーボール選手の母親の間に生まれた[2]

2008年の北京オリンピックの1500m自由形で8位となった[1]

2010年、アジア競技大会の1500mで世界記録に0秒87差の記録で金メダルを獲得[2]

2011年、世界水泳上海大会の1500m自由形で、高速水着でも破れなかった世界記録を10年ぶりに更新する[2]14分34秒14の記録で金メダルを獲得、それまでの記録はグラント・ハケットが持っていた[3]。800m自由形でも金メダルを獲得した[1]

2012年のロンドンオリンピックの400m自由形では300mまで韓国朴泰桓にリードされたが逆転[4]、3分40秒14のオリンピック新記録で[5]金メダルを獲得している[6]。1500m自由形では自らの持つ世界記録を約3秒縮める14分31秒02のタイムで金メダルを獲得した。

2013年バルセロナで開催された世界水泳では、男子400、800、1500m自由形で金メダル[7]、男子4×200mフリーリレーでは銅メダルを獲得した[8]

発言

2014年9月に仁川で開催されたアジア大会で、24日の男子400mリレーで金メダルを取った際のインタビューにおいて孫楊は「スッキリしました。正直言って、日本の国歌は本当に耳障りですよ」と発言したと報道された[9][10]。その後、26日の男子1500m自由形終了後に開かれた会見で、「いくつかのメディアに報じられた国歌のことについて、申し訳なく思っています」とコメントした[11]

ドーピング違反による3か月の資格停止処分

2014年11月、孫陽は同年5月に中国国内で行われた大会後のドーピング検査で興奮剤トリメタジジン」に陽性反応を示したとして、7月に3か月の出場停止処分を科されていたことが発覚した[12]

また上記の報道を受け、同年12月には拠点としていたオーストラリアでの練習を禁止されたのちに追放されたほか、オーストラリア人コーチとの師弟関係も解消される方向であると報じられた[13]

ドーピング検査妨害による4年超の資格停止処分

2018年9月、浙江省別荘へドーピング検査員が訪問して抜き打ち検査を行った際に、孫が警備員とともに採取された血液サンプルを金槌で一緒に壊して妨害した事件が、2019年1月に国際水泳連盟ドーピングパネルによる報告書に記載された。これに対して孫側は検査員が必要な資格を有していなかったとして反論した。国際水泳連盟は、孫に違反はなかったとの判断を下して2019年7月に開催される2019年世界水泳選手権への出場を許可したが、世界反ドーピング機関スポーツ仲裁裁判所に異議申し立てを行った[14]

孫への批判は他国の競泳選手の中にも広がり、2019年世界水泳選手権では孫と並んで表彰台に上ることを拒否する選手も現れた[15]。この件について、孫が表彰台への登壇を拒否した選手に詰め寄り恫喝する素振りを見せている姿が撮影されている[16]

2020年2月28日、最終的にスポーツ仲裁裁判所は、世界反ドーピング機関が主張する孫のドーピング検査妨害を認め、孫に同日から8年間の資格停止処分を科すと発表した[17]。しかしその後、同年12月23日に、スイス連邦裁判所により資格停止処分が取り消され、スポーツ仲裁裁判所への審理差し戻しとなり[18]、審理が再度行われていたが、2021年6月22日に2020年2月から4年超の資格停止処分が科されることが発表された[19]。これにより、2020年東京オリンピックへの出場は不可能となった。

自己ベスト

泳法 距離 水路 記録 樹立日 大会名 備考
自由形 100m 長水路 48秒94 2013年9月8日 2013中華人民共和国全国運動会
自由形 200m 長水路 1分44秒39 2017年7月25日 2017世界水泳選手権 アジア記録
自由形 400m 長水路 3分40秒14 2012年7月28日 2012ロンドンオリンピック アジア記録五輪記録
自由形 800m 長水路 7分38秒57 2011年7月27日 2011世界水泳選手権
自由形 1500m 長水路 14分31秒02 2012年8月4日 2012ロンドンオリンピック

脚注

  1. ^ a b c 金メダリストの略歴=孫楊(男子400メートル自由形)”. 時事通信 (2012年7月29日). 2012年7月29日閲覧。
  2. ^ a b c 世界水泳 孫楊 上海で歴史をつくる世界新記録”. 産経新聞 (2011年8月1日). 2012年7月29日閲覧。
  3. ^ 世界水泳男子で最古の世界記録更新”. 産経新聞 (2011年7月31日). 2012年7月29日閲覧。
  4. ^ 朴泰桓、連覇ならず”. 日刊スポーツ (2012年7月29日). 2012年7月29日閲覧。
  5. ^ 朴泰桓が競泳400自由形で銀 五輪2連覇ならず”. 中央日報 (2012年7月29日). 2012年7月29日閲覧。
  6. ^ 朴泰桓、連覇ならず”. 日刊スポーツ (2012年7月29日). 2012年7月29日閲覧。
  7. ^ 孫楊が男子1500m制し大会3個目の金、第15回世界水泳 AFPBB News 2013年8月5日
  8. ^ 日本男子5位!メダル届かず/世界水泳 日刊スポーツ 2013年8月3日
  9. ^ 中国水泳界の王者・孫楊、日本の国歌は「耳障り」と発言 AFPBB News 2014年9月26日
  10. ^ 中国人選手「日本国歌は嫌な曲ですから」・・・仁川アジア大会で、ネットでは賛否 サーチナ 2014年9月26日
  11. ^ 「申し訳なく思う」、孫楊が「耳障り」発言を謝罪 AFPBB News 2014年9月27日
  12. ^ 中国水泳界のエース孫楊がドーピング違反か、新華社報道 AFPBB News 2014年11月24日
  13. ^ ドーピング違反の孫楊、拠点のオーストラリアから追放 豪報道 AFPBB News 2014年12月3日
  14. ^ 血液検体を金づちで破壊、孫楊がドーピング検査を妨害か”. AFP (2019年7月14日). 2019年7月23日閲覧。
  15. ^ 表彰台拒否の豪選手に警告、孫楊への抗議で”. AFP (2019年7月23日). 2019年7月23日閲覧。
  16. ^ 2冠の孫楊、表彰台で3位英選手恫喝か 米記者問題視「感情むき出しで怒鳴りつけた」”. THE ANSER (2019年7月24日). 2019年7月27日閲覧。
  17. ^ 競泳、中国の孫楊が五輪アウト 薬物違反で8年資格停止 東京新聞 2010年2月28日
  18. ^ “競泳、中国・孫楊の処分無効 スイス裁判所、東京五輪へ道残る”. 共同通信. (2020年12月24日). https://web.archive.org/web/20210624203521/https://nordot.app/714644624339746816?c=39546741839462401 2021年6月23日閲覧。 
  19. ^ “競泳、孫楊に4年超資格停止 東京五輪出場、望み絶たれる”. 東京新聞. (2021年6月23日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/112223 2021年6月23日閲覧。 

関連項目

外部リンク