伊号第三百六十七潜水艦（いごうだいさんびゃくろくじゅうななせんすいかん）は、大日本帝国海軍の潜水艦。伊三百六十一型潜水艦の7番艦。回天攻撃隊に参加、戦後海没処分。以下、日本海軍の潜水艦名は「伊367潜」等と略記する。
艦歴
1942年の改⑤計画第5467号艦[3]。1943年10月22日、三菱重工業神戸造船所にて起工[3]。1944年4月28日に進水[3]。同年8月15日、竣工[4]。佐世保鎮守府籍。同日、第十一潜水戦隊に編入[4]。
10月15日、第七潜水戦隊に編入[5]。
10月31日、横須賀を発し、南鳥島へ輸送任務に従事[5]。11月6日に揚陸を行い、11月12日に横須賀に帰投[5]。揚陸物件は糧食、弾薬61トン[5]、または糧秣61トン[6]。
12月4日、横須賀を発し、ウェーク島への輸送任務に従事[5]。12月17日に揚陸を行い、1945年1月1日に横須賀に帰投[7]。揚陸物件は糧食、弾薬81トン[8]。
その後、回天搭載艦へ改装される[9]。3月20日、第七潜水戦隊が解隊され、「伊367潜」は第十五潜水隊に編入[10]。
5月3日、「伊366潜」と「伊367潜」で回天特別攻撃隊振武隊を編成[11]。「伊367潜」は回天5基を搭載して5月5日に大津島基地を出撃[11]。サイパン北西400浬へ向かったが回天を発進させられる機会はなく5月26日に帰投命令を受けた[11]。しかし、回天乗員の要望により作戦を続行し、翌日船団を発見[12]。3基に不具合が発生したため、2基の回転を発進させた[13]。戦果は不詳[14]。6月4日に大津島に帰投し、翌日呉着[14]、または6月4日に呉に帰投[15]。
次いで「伊367潜」は回天特別攻撃隊多聞隊に加わり、7月19日に大津島を出撃して沖縄南東400浬へ向かった[16]。帰投中、豊後水道で終戦の報を受けた[17]。8月16日、呉着[18]。
11月30日、除籍。
1946年4月1日、五島列島沖で海没処分[18]。
歴代艦長
※『艦長たちの軍艦史』445-446頁による。
艦長
- 篠原茂夫 少佐：1944年8月15日 -
- 武富邦夫 少佐：1944年11月15日 -
- 今西三郎 大尉：1945年6月14日 -
脚注
- ^ 『ハンディ判 日本海軍艦艇写真集20巻』69頁。
- ^ 数値は『写真 日本の軍艦』の解説より。『艦長たちの軍艦史』によると伊361型の搭載量は艦内65トン、艦外40トンで合計105トン
- ^ a b c 輸送潜水艦伊号第361型列伝、138ページ
- ^ a b 輸送潜水艦伊号第361型列伝、140ページ
- ^ a b c d e 戦史叢書第98巻 潜水艦史、381ページ
- ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、141ページ
- ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、381-382ページ
- ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、382ページ
- ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、142-143ページ
- ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、143ページ
- ^ a b c 輸送潜水艦伊号第361型列伝、144ページ
- ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、144-145ページ
- ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、145-146ページ
- ^ a b 輸送潜水艦伊号第361型列伝、146ページ
- ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、430ページ
- ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、431ページ、輸送潜水艦伊号第361型列伝、149ページ
- ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、149-150ページ
- ^ a b 輸送潜水艦伊号第361型列伝、150ページ
参考文献
関連項目
![回天を搭載して出撃する伊367 （呉、1945年7月19日（推定）[1]）](%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Japanese_submarine_I-367.jpg)
