五稜郭機関区(ごりょうかくきかんく)は、北海道函館市昭和4丁目 43-1にある日本貨物鉄道(JR貨物)の車両基地および乗務員基地である。
概要
函館本線五稜郭駅(函館貨物駅)構内の北端に位置し、JR貨物発足当初からのディーゼル機関車基地であるDL基地と、北海道旅客鉄道(JR北海道)函館運輸所青函派出所(←青函運転所)から移管された、EL基地からなる。付近にはかつて、五稜郭操車場があったため、函館本線の上下線に挟まれる形で設置されている[2]。このほか、乗務員のみの配置区として室蘭派出がある[2]。
DL基地
敷地面積22887m2、最大長391.0m、最大幅86.7m。検修庫3棟(1~4・6番線)と留置線8線を有し、うち1~4番線に給油設備を設ける。以前は転車台が設置されていたが、EH800形導入に伴う1号車庫新設に当たって撤去されている。構内は基本的に非電化であるが、1号車庫内のみEH800の定地試験を行うため電化されている[2]。
EL基地
敷地面積31192m2、最大長4125m、最大幅450m(入出庫線を含む)。電留線6線と検修線4線、中引上線、下り引上線、機回り線、車輪旋盤線(在姿旋盤装置)からなる。すべての転轍機は電動化されており、EL庫に隣接する信号扱い所から操作される[2]。
構内は交流20kV50Hzで電化されているが、北海道新幹線との共用区間を走行するEH800形を配置するため、検修4番線は庫内で新幹線と同様の交流25kV50Hzの通電が可能なよう2017年に改修が行われている[2]。また検修庫と一部の電留線には新幹線区間で使用する漏洩同軸ケーブル(LCX)無線の試験用に地上装置を設けている[2]。
なお、1989年(平成元年)のED79形の同区配置から、2016年(平成28年)3月26日の青函派出所移管まで、同区配置の電気機関車は青函派出所に検査・留置を委託する体制としていた[2]。
歴史
所属車両の車体に記される略号
- 「五」「貨」 - 五稜郭機関区を意味する「五」と、日本貨物鉄道を意味する「貨」から構成される。
黒地の「五」の札は左側、白地の「貨」の札は右側に差される。
所属車両
2021年3月現在。
電気機関車
- EH800形
-
- 20両(901, 1 - 19号機)が所属。定期運用範囲は東青森 - 五稜郭駅間。
ディーゼル機関車
- DF200形
-
- 42両(901・1-12・51-55・57-63・102-104・108-115・117-119・121号機)が所属。
- 定期運用範囲は五稜郭 - 札幌貨物ターミナル駅[7]・北旭川駅[8]・富良野駅[8]・北見駅[8]・釧路貨物駅[9]間。
- なお、56号機は事故により廃車となった。また、101・105-107・116・120・122・123号機は、愛知機関区に転属の上で200番台へと改番された。
過去の所属車両
電気機関車
- ED79形
- 2015年(平成27年)3月1日当時、9両(51 - 55, 57 - 60号機)が所属。同年3月14日改正時の定期運用範囲は東青森 - 五稜郭駅間[10]。
- 貨物列車のほか、客車列車の快速「海峡」(函館 - 青森駅間)を代走牽引したことがある[11]。
ディーゼル機関車
- DD51形
- 2015年3月1日当時、5両(1089, 1150, 1152, 1162, 1165号機)が所属。但し、鷲別機関区廃止と同時に定期運用が消滅していた[10]。
- このほか、1999年4月1日まで同区所属機が存在した。
脚注
関連項目
座標: 北緯41度48分41.6秒 東経140度43分52秒 / 北緯41.811556度 東経140.73111度 / 41.811556; 140.73111