ワスコ郡(英: Wasco County)は、アメリカ合衆国オレゴン州にある郡。郡の名称は、ワスコと呼ばれるコロンビア川南側で生活していたチヌーク系部族の名に由来する。人口は2万6670人(2020年)[1]。郡庁所在地は、ザ・ダルズ。
歴史
コロンビア川のセライロの滝は、古くからワスコ族、パイユート族、ウォーム・スプリングス族などの先住民が集まる場所だったため、民族間の主要な貿易中心として栄えた。フランス系カナダ人の毛皮商たちは、この渓流を Le Grand Dalles de la Columbia (コロンビアの大滝)と名付けた。
ザ・ダルズは当初、ウィラメット渓谷へ向かう移民者達の道の途中駅であった。カスケード山脈を越える開拓者道路の建設(1845年)や、Donation Land Claim Act (1850年)により、この地に定住する家庭が多くなった。その後、ワスコ郡は河川交通や陸上交通の要所として栄えた。
1854年1月11日、オレゴン準州議会によりクラカマス郡、レーン郡、リン郡、マリオン郡の一部分離させてワスコ郡が発足。発足当初、ワスコ郡は340,000 km2(130,000 mi2)の面積を有し、アメリカ合衆国で最大の郡であった。ワシントン準州や他のオレゴンの郡が発足していくに従って、ワスコ郡は現在の面積まで縮小した。郡成立時に郡庁がダ・ダルズに置かれた。
コロンビア川の河川交通は、マルトノマ郡のボンネビル・ダム(1935年)、ワスコ郡のザ・ダルズ・ダム(1957年)の建設により、大きな影響を受けた。
経済
郡の経済は、農業(果樹、小麦、牧場)、伐木業、製造業、発電、交通、観光に頼っている。アルミニウムの生産はかつてこの地域の主要産業であったが、電気代の変動と世界規模でのアルミニウム価格の下落により、郡にあった多くのアルミニウム鋳造工場が閉鎖した。
地理
アメリカ合衆国国勢調査局によれば、ワスコ郡の総面積 6,204 km2(2,395 mi2)の内、6,167 km2(2,381 mi2)が陸地、37 km2(14 mi2)が水地である。
隣接郡
自治体
行政都市
非法人地域、国勢調査指定地域
ゴーストタウン
関連項目
脚注
外部リンク
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