『ライヴ・ベスト(原題:Live…in the Raw)は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンド、W.A.S.P.が1987年に発表したキャリア初のライブ・アルバム。
背景
アルバム『エレクトリック・サーカス』(1986年)リリース後のアメリカ・ツアーのうち、カリフォルニア・シアター公演とロングビーチ・アリーナ公演におけるライブ録音が使用された[4]。ただし、ブラッキー・ローレスによれば、大部分はツアー最終日に当たるロングビーチ・アリーナ公演の録音だという[5]。
「マニマル」と「ハーダー・ファスター」はスタジオ・アルバム未収録の新曲で[6]、後者の歌詞は、以前よりW.A.S.P.を槍玉に挙げていたPMRCへ向けられた内容である[7]。また、ホラー映画『グーリーズII』の主題歌「悪魔の叫び」のみスタジオ録音で[8]、ローレスはこの曲に関して「余りにもわざとらしかった」とコメントしている[5]。
スティーヴ・ライリーは本作のリリース前にW.A.S.P.を脱退し[6]、デビュー・アルバムのレコーディングを終えたばかりのL.A.ガンズに加入した[9]。
1998年発売のリマスターCDに収録されたボーナス・トラックは、いずれもシングルB面曲としてリリース済みで[4]、「シュート・フロム・ザ・ヒップ」のライヴ・ヴァージョンと「スリーピング」のアコースティック・ヴァージョンは「悪魔の叫び」[10]、「ウィドウメイカー」と「セックス・ドライヴ」のライヴ・ヴァージョンは「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」に収録されていた[11]。
反響
母国アメリカのBillboard 200では77位を記録[3]。一方、イギリスでは1987年9月26日付の全英アルバムチャートで初登場23位となり[12]、バンド初の全英トップ40アルバムとなった[1]。
本作の先行シングル「悪魔の叫び」は、全英シングルチャートで32位を記録し、バンド初の全英トップ40シングルとなった[13]。また、「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」のライヴ・ヴァージョンもシングル・カットされて[11]、全英31位に達した[13]。
収録曲
特記なき楽曲はブラッキー・ローレス作。
- エレクトリック・サーカス - Inside the Electric Circus - 4:31
- アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター - I Don't Need No Doctor (Nick Ashford, Valerie Simpson, Jo Armstead) - 3:39
- ラヴ・マシーン - L.O.V.E. Machine - 4:27
- ワイルド・チャイルド - Wild Child (Blackie Lawless, Chris Holmes) - 6:01
- 9.5.-N.A.S.T.Y. - 9.5.-N.A.S.T.Y. (B. Lawless, C. Holmes) - 5:10
- スリーピング - Sleeping (In the Fire) - 5:26
- マニマル - The Manimal (B. Lawless, C. Holmes) - 4:43
- 悪魔の化身 - I Wanna Be Somebody - 6:42
- ハーダー・ファスター - Harder Faster - 7:19
- ブラインド・イン・テキサス - Blind in Texas - 5:40
- 悪魔の叫び(「グーリーズII」のテーマ) - Scream Until You Like It (Paul Sabu, C. Esposito, N. Citron) - 3:25
1998年再発盤ボーナス・トラック
- シュート・フロム・ザ・ヒップ - Shoot from the Hip - 5:14
- ウィドウメイカー - Widowmaker - 4:35
- セックス・ドライヴ - Sex Drive (B. Lawless, C. Holmes) - 3:41
- スリーピング[アコースティック・ヴァージョン] - Sleeping (In the Fire) (Acoustic) - 4:02
参加ミュージシャン
脚注・出典
|
---|
ブラッキー・ローレス | ダグ・ブレアー | マイク・デューダ| アキレス・プリースター リク・フォックス | ランディ・パイパー | トニー・リチャーズ | クリス・ホルムズ | スティーヴン・ライリー | ジョニー・ロッド | フランキー・バネリ | ステット・ホーランド | ダレル・ロバーツ | マイク・デュプキー |
スタジオ・アルバム | |
---|
セルフカヴァー・アルバム | |
---|
ライヴ・アルバム | |
---|
コンピレーション・アルバム | |
---|