『アンホーリー・テラー』(Unholy Terror)は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンド、W.A.S.P.が2001年に発表した9作目のスタジオ・アルバム。バンドが新たに契約したサンクチュアリ・レコード傘下のレーベル「Metal-Is Records」からリリースされた[2]。
背景
アルバム・タイトルはブラッキー・ローレスの宗教体験に基づいており、ローレスは18歳まで敬虔なクリスチャンとして育った後、教会に不満を感じてオカルトに傾倒した[2]。ローレスは本作のテーマに関して「他人の宗教や信仰を非難すべきではなく、むしろ励ましてもいいぐらいだと思っている。俺は人々に、自分の答えは自分で探して、既存の信仰に頼るべきではないと伝えようとしたんだ」と語っている[2]。また、ローレス自身は本作を『魔人伝』(1984年)と『ヘッドレス・チルドレン』(1989年)の折衷と捉えている[3]。
「フー・スレイド・ベイビー・ジェーン?」と「ウェイステッド・ホワイト・ボーイズ」にはロイ・Zがゲスト参加した[4]。
本作リリース後の2001年8月、オリジナル・メンバーのクリス・ホルムズが2度目の脱退に至り、本作がホルムズ在籍時としては最後のアルバムとなった[5]。
反響・評価
バンドの母国アメリカではチャート入りしていないが[6]、ドイツのアルバム・チャートでは前スタジオ・アルバム『ヘルドラド』(1999年)に引き続きトップ100入りを果たして、最高88位を記録[1]。
ゲイリー・ヒルはオールミュージックにおいて5点満点中2.5点を付け、当時のW.A.S.P.の「殆ど未完成に近いほどの生々しさ」と「よりメロディックでパワフルな、ウォール・オブ・サウンド的アプローチ」の両面を披露したアルバムと評している[7]。
収録曲
全曲ともブラッキー・ローレス作。
- レット・イット・ロア - Let It Roar - 4:40
- ヘイト・トゥ・ラヴ・ミー - Hate to Love Me - 4:07
- ロコ・モティヴ・マン - Loco-Motive Man (And the Killer Babies) - 6:01
- アンホーリー・テラー - Unholy Terror - 2:01
- カリスマ - Charisma - 5:26
- フー・スレイド・ベイビー・ジェーン? - Who Slayed Baby Jane? - 4:54
- ユーフォリア - Euphoria - 3:19
- レイヴン・ハート - Raven Heart - 3:45
- エヴァーモア - Evermore - 6:10
- ウェイステッド・ホワイト・ボーイズ - Wasted White Boys - 6:50
日本盤ボーナス・トラック
- ヘイト・トゥ・ラヴ・ミー(カラオケ・ミックス) - Hate to Love Me (Karaoke Mix) - 4:12
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
- ロイ・Z - リードギター(on #6, #10)
- ヴァレンティナ - バックグラウンド・ボーカル(on #6)
脚注
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ブラッキー・ローレス | ダグ・ブレアー | マイク・デューダ| アキレス・プリースター リク・フォックス | ランディ・パイパー | トニー・リチャーズ | クリス・ホルムズ | スティーヴン・ライリー | ジョニー・ロッド | フランキー・バネリ | ステット・ホーランド | ダレル・ロバーツ | マイク・デュプキー |
スタジオ・アルバム | |
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セルフカヴァー・アルバム | |
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ライヴ・アルバム | |
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コンピレーション・アルバム | |
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