ウォルター・“メイナード”・ファーガソン(Walter Maynard Ferguson、1928年5月4日 - 2006年8月23日)は、カナダ出身のジャズ・トランペット奏者。ハイノート・ヒッター(非常に高い音域を正確に演奏すること)で知られている。
来歴
1928年5月4日、カナダ・ケベック州ヴェルダン(現在のモントリオールの一部)生まれ。両親の薦めで4歳にはピアノとヴァイオリンを習う。9歳の時、地元の教会で聴いたコルネットの音色に感銘を受け、両親に頼んでトランペットを手に入れ、以来奨学金制度を利用してトランペットに励むこととなる。13歳の時(1941年)にはカナダ放送協会楽団で天才的な子供として取り上げられ、ソロを披露している。
1949年、21歳の時にアメリカに移住、スタン・ケントン楽団に加わり頭角を現す。当時はまだ若かったため、楽団のツアーに両親がついて回ったというエピソードが残されている。1954年にスタン・ケントンの下を去ってパラマウント・ピクチャーズに入り、『十戒』などの映画でリードトランペットを担当した。
パラマウントを去った後、バードランドドリームバンドを結成するも、1960年代には当時のアメリカ音楽の変化に失望感を抱き、イギリスへの移住を計画していたとも伝えられる。
1976年8月1日に行われたモントリオールオリンピックの閉会式では、トランペットのソリストを務めた。その後は、自身のビッグバンドを率いて活動。1977年のシングルである「ロッキーのテーマ」は、ビル・コンティによるバージョンが全米1位の大ヒットとなったが、ファーガソンのバージョンも30位以内に入るヒットとなった。なお、同曲にはリズム・ヘリテージのカバーもある。
ダブル・ハイC(2オクターブ上のC=ド)を奏でることができるその演奏は、映画音楽やテレビ音楽などで印象的に用いられた。日本では「スター・トレックのテーマ」が日本テレビ系『アメリカ横断ウルトラクイズ』のテーマ曲として、「ハリウッド」が日本テレビ系『全国高等学校クイズ選手権』のテーマ曲や、CBCテレビ制作・TBSテレビ系『国際招待ゴルフ・中日クラウンズ』の中継テーマ曲として使用され、ファーガソンの名を知らなくともその演奏は広く全国に知れ渡っている。それ以外にも、フュージョン時代の楽曲は、全盛時の新日本プロレスにおける来日外国人レスラーなど、格闘家の入場テーマ曲などで多数使用された(下表参照)。
2006年8月23日、腎臓疾患と肝臓疾患のため、アメリカのカリフォルニア州の病院で死去。9月に日本ツアーを行う予定だった。
日本で使用された楽曲
脚注
関連項目
外部リンク