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この項目では、宇宙ステーションについて説明しています。その他の用法については「ミール (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
ミール(露: Мир)は、ソビエト連邦によって1986年2月19日に打ち上げられ、2001年3月23日まで使われた宇宙ステーションである。ミールという名前は、ロシア語で「平和」「世界」を意味する。サリュートの後継機。
概要
コアモジュールはサリュート6・7号とほぼ同じ構造を使用しているが、新たに5個のドッキングポートを有する球状のドッキング区画を装備した。サリュート6, 7号が2箇所のドッキングポートしかなかったのに対して、ミールのコアモジュールは計6箇所のドッキングポートを利用できた。これを利用して1996年までの10年間に5つの大型モジュールが打ち上げられ、それらを結合することによって規模を拡大させた。残りの1箇所とクバント1のドッキングポートには、ソユーズ宇宙船とプログレス補給船のドッキングに使用された。
1990年代にアメリカ合衆国主導の国際宇宙ステーション計画へロシア連邦が参加することが決定し、1997年のプログレス補給船衝突事故以降、施設の老朽化と陳腐化が関係者の間で問題となり、またロシア側が新たな基本モジュール(名称:ズヴェズダ。ミールのコアモジュールの改良型)の打ち上げに意欲を示したことから、国際宇宙ステーションに飛行士が滞在するのに合わせて廃棄する事となり、2001年3月23日に大気圏に突入した。15年もの間、旧東側諸国を中心にアメリカやヨーロッパからも100人以上の宇宙飛行士が訪れた。
宇宙飛行士の往復には主に有人宇宙船ソユーズ(ソユーズT、ソユーズTM)が使用され、補給品の輸送には無人貨物宇宙船プログレス(初代およびプログレスM、プログレスM1)も使用された。またスペースシャトルも8回のドッキングを行った。
歴史
モジュール
ミールは、別々に打ち上げられた7つのモジュールを接続することで建設された。スペースシャトルで打ち上げられたドッキングモジュール以外は、すべてプロトンロケットで打ち上げられた。
ミール予備機
ミールのコアモジュールとクバント1は予備機が製作され、宇宙飛行士の地上訓練や国外での展示などに使用された。
1989年、名古屋の世界デザイン博覧会に出展された予備機を堀江企画が購入、岩倉建設に転売された後、1998年に北海道苫小牧市へ寄贈された(なお、現・苫小牧市長の岩倉博文は岩倉建設の役員であった)。当初は苫小牧市科学センターの脇で屋外展示されていたが、1999年に「ミール展示館」が建設され、ミール滞在経験のある元宇宙飛行士なども訪れている。
搭載機器にまつわる話
- 画像編集などの用途でSonyのHB-G900 (MSX2) が使用されていた(経緯に関してはMSXと冷戦を参照)。MSX愛好家の間では愛着を込めて「MSXを使用している宇宙船」として認識されていた。1990年12月、日本のTV局であるTBSの宇宙プロジェクト『日本人初!宇宙へ』にて撮影されたビデオの編集に使用されていたことが、スポンサーであるソニーの技術情報誌の特集記事として掲載された。
- 宇宙という場所にありながら、宇宙飛行士が数ヶ月単位で長期滞在するために、ゲーム、音楽の入ったCDやテープ、さらには酒やアダルトビデオも持ち込まれたといわれる。
脚注
関連文献
外部リンク
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