この項目では、手芸品について説明しています。
ミサンガ
ミサンガ(葡 : miçanga )は、手芸 の組み紐 の一種である。色とりどりの刺繍糸を何本もあわせて編み、模様をつける[ 1] 。日本ではプロミスリング 、プロミスバンド とも言う。
概要
「ミサンガ」の語源はポルトガル語 であるが、本来の意味は「ビーズ 」であり、紐のものを「ミサンガ」と呼ばない。また、「プロミスリング」(Promise Ring )という名称は、英語では、恋人同士などを互いに表現する金属製の指輪の一種を指すことが一般的である。
発祥
発祥地についてはポルトガル 、ブラジル 、グアテマラ など諸説ある。17世紀 頃、ポルトガルの「ポン・フィン」という教会で作られていた「フィタ」という名前のひもを結んだのがミサンガの始まりとされている。フィタを編むときに、願いごとや叶えたいことを込めていたという。そのフィタを教会関係者や村人たちは、手や足に結びお守りにした。
ポルトガル語で「ポン・フィン」は「美しい結末」や「良い終わり」という意味がある。これが転じて、編んで身に着けたミサンガが自然に切れると願い事が叶う、という現在の思想に結び付いたと考えられる。
現在ではブラジルバイーア州 サルバドール にあるボン・フィン教会が流行の発祥という説がよく唱えられている。ミサンガ・フィタと呼び、紐を2回ほど手首や足首に巻いたのが最初だと言われている。
実際にボン・フィン教会にはおびただしい数のミサンガ(ここではリボン状)が建物外観に結わえられているが、これは、願いが叶った人々がお礼に結んだものだという。なお、この教会には手足の治癒のお礼に義手や義足も多数納められている。[ 2]
日本での広まり
ミサンガは、ポンファン・フィタという名前でポルトガル語圏に広がり、特にサッカー選手が好んで身につけた。
日本 では1993年 にJリーグ が開幕した際、ヴェルディ川崎 に所属するラモス瑠偉 [ 1] [ 3] や北澤豪 [ 3] がチームの勝利などを祈願してミサンガを身につけていた事がきっかけとなり、Jリーグブームの高まりと共に国内に広まった[ 4] 。手首や足首などに巻きつけて使用し、紐が自然に切れたら願いごとがかなうという縁起担ぎ(逆ジンクス )の意味がある[ 1] [ 5] 。
ミサンガはJリーグブームの収束後も若者やスポーツ選手に人気があると言われ[ 4] 、2004年 に行われたプロ野球オールスターゲーム では、古田敦也 をはじめプロ野球選手 が、プロ野球再編問題 で2球団合併反対、1リーグ制反対の願いを込めて12球団のイメージカラーをもとに作ったミサンガを使用した。
東日本大震災とミサンガ
2011年 (平成23年)3月11日 に発生した東北地方太平洋沖地震 に伴う東日本大震災 では、阪神・淡路大震災 を大きく上回る被害が発生した。そこでダンスボーカルユニットのEXILE はグループのミサンガを製作し、収益をあしなが育英会 を通して震災で親を亡くした子ども の支援に充てることを発表した[ 6] 。ほかにも企業 [ 7] や個人 [ 8] でミサンガを作製・販売してチャリティー 活動を展開する動きも見られた。
また、被災地の宮城県 石巻市 の小中高校生15名が結成した「We make Ishinomaki」は、ボランティア で同地を訪れた人々に配布するために1万本を目標にミサンガ製作を始めた[ 5] 。We make Ishinomakiのメンバーは朝日新聞 の取材に対し、「アクセサリー をすることができない被災者とボランティアの人が同じものを身につけることで一体感を生み出したい」「石巻のために子どもでもできることを」という思いから作製したと答えた[ 5] 。
三陸 地方では、震災で仕事を失った女性たちが、震災後に漁に用いることのできない漁網 を再利用して「浜のミサンガ 環 」を製作しており、大きな収入を得るとともに、全国的な話題となっている[ 9] 。
脚注
外部リンク
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