トーストに塗られたベジマイト
ベジマイト (英語 : Vegemite )は、オーストラリア で生産されている発酵食品 である。その独特の風味から「世界一まずいジャム」と言われることもある。
歴史
第一次世界大戦 の影響でイギリス からのマーマイト の輸入が途絶えていた1923年 に、フレッド・ウォーカー (英語版 ) の経営する企業の食品技術者であったシリル・パーシー・キャリスター (英語版 ) によって開発された。商品名は賞金付きで公募され、ウォーカーの娘シーラ(Sheilah)によって無作為に選ばれた。
商標権はモンデリーズ・インターナショナル (2012年 にクラフトフーヅ から改称)が保有していたが、2017年 1月にオーストラリアの乳製品メーカーのベガ・チーズ (英語版 ) が4億6,000万オーストラリアドル で買収した[ 1] 。
製法
ベジマイトはイースト菌 抽出物(酵母エキス )や塩 を原料に作られている。これはビール醸造の副生成物であり、麦芽抽出物を含む。栄養面ではチアミン (B1)・リボフラビン (B2)・ナイアシン (B3)・葉酸 (B5)などのビタミンB群 に富んでいる。
味や製法はマーマイトに酷似しており、マーマイトをもじった「パーウィル (Parwill)」という商品名を使用していた時期もある(“Ma might not like the taste, but I'm sure Pa will ”「ママはこの味が好きじゃないかもしれないけど、パパならきっと好きだと思う」)。
栄養価の高さから第二次世界大戦 の際に軍の携行食として採用され、現在の国防軍 も同様に利用している[ 2] 。
ベジマイトはビクトリア州 メルボルン 近郊の工場で製造されており、オーストラリアを中心に年間2,300万個が販売されている[ 1] 。
食べ方
ベジマイトチージーバイト(左)とベジマイト
ベジマイトは塩辛く、エビオス錠 などの酵母製剤に似た香りがある。
そのため、その強烈な味を和らげるためにバター やチーズ と一緒にパンに塗られることが多い。
オーストラリアではベジマイトにチーズが入った、チージーバイト(Cheesybite)も発売されている。
また「チージーマイト・スクロール(Cheesymite Scroll)」あるいは「チェダーマイト・スクロール(Cheddarmite Scroll)」という、チーズとベジマイトを巻き込んだ渦巻き状のペストリー も販売されている。離乳食 としても使用され、1歳くらいから食べ始める[ 2] 。
その他
ベジマイトは、「We're happy little Vegemites 」という名の覚えやすい歌を歌う、魅力的で健康的な笑顔の子供たちを使った1940年代の販促キャンペーンによって確立された。1956年メルボルンオリンピック のときにもテレビCMで流された。実際、今でも多くのオーストラリア人が、そのような子供たちを表すのに「happy little Vegemite」というフレーズを使っている。[ 2]
オーストラリアのロックグループ、メン・アット・ワーク による「Down Under 」の歌詞で言及され、オーストラリア以外の国でもベジマイトが知られるようになった。1980年代初頭のこの世界的ヒット曲は、オーストラリアがアメリカスカップ で優勝した際に「非公式の国歌」として歌われた。
脚注
外部リンク
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