「フォー・ノー・ワン 」(For No One )は、ビートルズ の楽曲である。1966年に発売された7作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『リボルバー 』に収録された。レノン=マッカートニー 名義となっているが、ポール・マッカートニー によって書かれた楽曲。バロック・ポップ [1] [2] とチェンバー・ミュージック [3] を融合させた楽曲で、歌詞は恋人関係の終わりを題材とした内容となっている。アラン・シヴィル によるフレンチ・ホルン のソロが含まれており、最後のヴァースでは対位法 として演奏されている。
ジョン・レノン は「ポールが書いた曲の中で一番好きな曲の一つ」と述べている。
背景・レコーディング
マッカートニーは、休暇で当時の彼女ジェーン・アッシャー とスイス へスキーリゾートに出かけた際のバスルームで、本作を書いた。その時の仮タイトルは「Why did it Die?(なぜそれは死んだのか?)」だった。マッカートニーは、歌詞について「よくあるテーマ。女性との関係が簡単だったことは、ただの一度だってなかった」と語っている。
「フォー・ノー・ワン」は、1966年5月9日、16日、19日にレコーディングされた。マッカートニーはベース とボーカル の他に、ピアノ とジョージ・マーティン がAIR社 より借りてきたクラヴィコード 、リンゴ・スター はドラム 、タンバリン 、マラカス を演奏[8] 。なお、レノンとジョージ・ハリスン はレコーディングに参加していない。
フレンチ・ホルン のソロは、レコーディング・エンジニア のジェフ・エメリック が「ロンドンで一番のホルン奏者」と評したフレンチ・ホルン奏者アラン・シヴィル による演奏。セッション時にマッカートニーは、シヴィルに対して通常の楽器の音域を超えた音を吹くように迫った。それに対するシヴィルの演奏について、エメリックは「彼の人生をかけた演奏」としている。
評価
音楽評論家から肯定的な評価を得ており、『オールミュージック 』のトーマス・ワードは「ポール・マッカートニーが書いたビートルズの素晴らしいバラードの1つ」とし、「独特のマッカートニーのタッチに満ちた、疑う余地のないシンプルで素晴らしい楽曲」と評している[11] 。『ローリング・ストーン 』誌のロブ・シェフィールド (英語版 ) は、『リボルバー』においてマッカートニーが書いた歌詞を称賛し、本作について「究極の別れの歌」と評価した[12] 。
クレジット
※出典
カバー・バージョン
脚注
出典
^ a b “Steve Smith: Wyman and Taylor join the Rolling Stones onstage; Coldplay takes a break ”. Pasadena Star-News . Digital First Media (2012年11月29日). 2012年12月3日時点のオリジナル よりアーカイブ。2022年1月11日 閲覧。
^ a b Parsons, Matthew (2019年5月28日). “25 classical pieces with surprising Beatles connections ”. CBC Music . CBC/Radio-Canada. 2022年1月11日 閲覧。
^ a b Brackett, Nathan; Hoard, Christian David (2004). The New Rolling Stone Album Guide . Simon and Schuster . p. 53. ISBN 978-0-74320-169-8 . https://books.google.com/books?id=t9eocwUfoSoC&pg=PA53
^ Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology . p. 56. ISBN 0-19512-941-5 . https://books.google.com/books?id=eTkHAldi4bEC&pg=PA56&lpg=PA56&dq=beatles+for+no+one+maracas&source=bl&ots=D-oWEetf2N&sig=ET6VuqFCLBTXzLNAt0k0gbacaOY&hl=en&sa=X&ved=0ahUKEwjOwr7w_PHNAhVFtpQKHVJmDL44ChDoAQgaMAA#v=onepage&q=beatles%20for%20no%20one%20maracas&f=false
^ Ward, Thomas. For No One - The Beatles | Song Info - オールミュージック . 2020年9月6日 閲覧。
^ “Celebrating 'Revolver': Beatles' First On-Purpose Masterpiece ”. Rolling Stone . Penske Business Media (2016年8月5日). 2020年9月6日 閲覧。
^ Neder, Alvaro. Qualquer Coisa - Caetano Veloso | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2020年9月6日 閲覧。
^ Give My Regards to Broad Street - Paul McCartney | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2020年9月6日 閲覧。
^ “Tracks on The Art of McCartney (Deluxe Edition) - various artists (November 17, 2014) ”. SecondHandSongs . 2020年9月6日 閲覧。
参考文献
外部リンク