ヒラテテナガエビ(ヤマトテナガエビ)(Macrobrachium japonicum)はテナガエビ科テナガエビ属に分類される大型のエビ[1]。東アジアの熱帯・温帯の川の流れのある場所に生息する。
分布
日本国内では、千葉県以南の太平洋側、福井県以南の日本海側、南西諸島、小笠原諸島[2][3]。
国外では、韓国、台湾から記録がある[2][3]。東アジア固有種[2]。
形態
頭胸甲長34 mm[3]、体長92 mm程度[2][3]。
額角という、甲羅から突き出した角のような構造があり、縁はギザギザしている。上縁には9~13本の歯があり、うち4~5本は頭胸甲上に存在する。下縁には2~4本の歯がある[2]。この額角の長さは第1触角柄部第3節の先端まで達する。雄の第2胸脚は他の胸脚より圧倒的に長く太くなっており、左右で形がほぼ同じで、大きさが異なる。脚の手のひらの部分である掌部は太く扁平し[2][3]、断面は楕円形[2]。
脚のすべての節が鱗状突起で密に覆われる。掌部は指節の約2倍で腕節の約1.5倍。ハサミは腕節の2倍以上。腕節は長節よりわずかに長い。胸脚の関節は橙色[2][3]。
体色は暗褐色で、頭胸甲には網目模様があり、腹の腹節には暗色横帯があり、第3腹節は特に濃い[2][3]。
生態
河川の下流から上流の[3][2]、流れの速い所を好み、比較的浅い所にある石の下に隠れている[2]。テナガエビ(M. nipponense)やミナミテナガエビ(M. formosense)などと生息地が重なるが、本種はより流速の速い場所や、より上流に棲むことで棲み分ける[4]。抱卵期は3~10月で、直径0.63~0.71㎜の卵を、1000~10000個産む。両側回遊型[2]。
参考文献