ヒューズ EX-34は、ヒューズ・ヘリコプターズ社が開発したチェーンガン[注 1]。7.62x51mm NATO弾を使用しており、同社のチェーンガン・ファミリーの中で最小のモデルである。
設計
本銃の設計には、ヒューズ社が先行して開発した30mm口径(M230)および25mm口径(M242)のチェーンガンと共通する部分が多い。自動機構を駆動するための外部動力としては24ボルト・出力0.3 hp(0.22 kW)の電動機が用いられ[3]、発射速度を容易に調整することができる。またM242と同様に空薬莢は銃身に沿って前方に排出されることから、車載機銃として設置した場合でも、機関部から発生する有毒ガスの車内への流入や、空薬莢の散乱を避けることができる。弾帯を外すことなく、10秒以内に銃身を交換することができる[3]。
M60戦車の同軸機銃として、特別な改修なしに搭載できるよう設計されており、M73機関銃から換装することができる。また500MD軽攻撃ヘリコプターへの搭載を想定した派生型としてHGS-55も開発された[3]。
運用史
EX-34はアメリカ陸軍および海軍水上戦センター(NSWC)(英語版)ダールグレン支所での試験に供された[3]。海軍の試験は信頼性、耐久性、性能能力、安全性、扱いやすさを判断するものであり、EX-34はすべての試験段階において傑出した性能を示したと報告された[3]。海軍は、M242チェーンガンを単装に配したMk.38 25mm機関砲システムのmod.3において、7.62mmチェーンガンであるMk.52を同軸機銃として導入した[5]。
イギリス軍も、1979年に少数のEX-34を購入して試験に供したのちに採用を決定し、長銃身化したものがL94A1として制式化された[3]。まずロイヤル・スモール・アームズ・ファクトリー、後にはヘッケラー&コッホによってライセンス生産され、イギリス陸軍のウォーリア装甲戦闘車やセイバー偵察装甲車、チャレンジャー2主力戦車に搭載された[6]。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 床井雅美『最新マシンガン図鑑』徳間書店、2006年。ISBN 4-19-892527-5。
- Chinn, George M. (1987), The Machine Gun: Development of Full Automatic Machine Gun Systems, High Rate of Fire Power Driven Cannon, and Automatic Grenade Launchers by the United States and her Allies, following World War II, Korean Police Action, and the Vietnam Conflict, V, Bureau of Ordnance, https://archive.org/details/TheMachineGunVolume5ByGeorgeMChinn
- Gander, Terry J. (2002), Jane's Infantry Weapons, 2002-2003 (28th ed.), Janes Information Group, ISBN 978-0710624345
- Williams, Anthony G. (2022), Autocannon : A History of Automatic Cannon and Ammunition, Crowood Press, ISBN 978-1785009204
関連項目