ケプラー7 (英: Kepler-7) は、こと座の方角の、NASAが太陽系外惑星探査を行う宇宙望遠鏡ケプラーの観測領域内に位置する恒星である。ケプラーによる発見が最初に公表された5つの系外惑星の内の1つの母星であり、太陽よりも大きく、金属量は太陽より少し多い。2010年1月4日、ケプラー7の周囲を公転する太陽系外惑星の存在は、アメリカ天文学会の会合で公表された[4][5]。
ケプラー7は、NASAが主導するトランジット法による地球型惑星の探査計画である、ケプラー計画によって発見された7番目の系外惑星系の母星であることから命名された[6]。ケプラー7の周りを公転する惑星は、ケプラーによって発見された4番目の惑星である。ケプラーが最初に検出した3つの惑星は、既に発見済みの惑星(TrES-2・HAT-P-7b・HAT-P-11b[7])で、ケプラーの観測精度を確認するための観測だった。ケプラー7bの発見は、2010年1月4日にワシントンD.C.で開催されたアメリカ天文学会 第215回会合(英語版)において、ケプラー4b、ケプラー5b、ケプラー6b、ケプラー8bと共に公表された[4][5]。
ケプラー7bの発見は、アメリカはハワイ州のケック第1望遠鏡、テキサス州のホビー・エバリー望遠鏡、ハーラン・J・スミス望遠鏡、カリフォルニア州のヘール望遠鏡、C・ドナルド・シェーン望遠鏡、アリゾナ州のフレッド・ローレンス・ウィップル天文台(英語版)、WIYN望遠鏡、MMT・ティリングハスト望遠鏡、そしてカナリア諸島の北欧光学望遠鏡の追観測によって確定した[4]。
ケプラー7の視等級は13で、地球から見るととても暗く、肉眼では見ることができない。太陽系からの距離は、およそ3,000光年と見積もられている[3]。
ケプラー7は太陽に似た恒星だが、質量は太陽の1.347倍と太陽より35%程度大きく、半径は太陽の1.843倍と太陽より84%程度大きい。年齢はおよそ35億年と見積もられ、約46億年の太陽より若い[8]。金属量は、基準となる鉄と水素の存在比で 0.11 dex であり、太陽と比べ3割程多いと推定される。系外惑星を持つ恒星の多くは金属量が多く、ケプラー7もそれと同じ傾向にある[9]。表面温度は 5,933 K で、太陽の 5,777 K[8] と比べてやや高温である。
ケプラー7bは、ケプラー7の周囲で発見されている唯一の惑星である。質量は、木星の0.441倍、半径は木星の1.622倍と推定されており、体積は木星の4倍以上であるが、木星の44%の質量しかないことになる[10]。密度は0.14 g/cm3で、水の1/7しかなく、発泡スチロール並みである[5]。母星からの距離は 0.06067 au で、公転周期は4.885日である[10]。水星の太陽からの距離は 0.3871 au、公転周期は87.97日であるのに比べると、ケプラー7bはずっと母星に近く、公転周期も短い[11]。軌道の推定において、離心率は0、つまり円軌道であることが仮定されている[2]。
座標: 19h 14m 19.564s, +41° 5′ 23.30″