チェコ系アメリカ人。ウィスコンシン州ミルビルで生まれる。ウィスコンシン大学マディソン校を中退し[3]、中西部の様々な新聞社で働いた。1929年結婚し、2人の子をもうけた。作家デビュー作は1931年の The World of the Red Sun で、ガーンズバックの「ワンダー・ストーリーズ」に掲載された[3]。1939年、ミネソタ州ミネアポリスの Minneapolis Star and Tribune で仕事をするようになり、その関係は1976年に引退するまで続いた。1949年にはミネアポリス・スター紙の記者となり、毎週『明日の世界』と題する科学コラムを執筆する一方でSF作家としても活動。1961年にはミネアポリス・トリビューンの Science Reading Series を担当するようになった。『再生の時』(1951) の宣伝文で「私は結婚33年目で、2人の子を持ち、幸福に暮らしている。休暇にはつりを楽しむ(ボート上にじっとしていて魚が寄ってくるのを待つだけ)。趣味はチェス、切手収集、バラを育てること」と書いている。この本は妻に捧げられており「彼女がいなければ一行も書けなかっただろう」としている。SF作家仲間にも好かれていて、特にアイザック・アシモフと仲が良かった。1988年、ミネアポリスで死去[4]。
作家としての経歴
シマックは幼少期にH・G・ウェルズの作品を読み、SFに興味を持つようになった。1931年、SF系パルプ・マガジンに作品が掲載されるようになったが、1933年にはいったん作家活動をやめた。1933年から1937年の間に発表されたSF作品は The Creator という中編1編のみだが(1935年、Marvel Tales に掲載)、当時のSFとしては珍しく宗教の意味を問う内容だった。
シマックの作品には同じ基本的考え方とテーマが繰り返し登場する。まず第一に共通するのは、故郷のウィスコンシンの風景である。田舎の無愛想な個人主義的キャラクターの典型として、「大きな前庭」の主人公ハイラム・テインが挙げられる。ハイラムの飼い犬タウザーの設定もシマック作品によく見られる。田園を舞台としていても、常に牧歌的とは限らない。Ring Around the Sun (1953) で描かれるのは不寛容と孤立主義に支配される田園である。