クリス・ファーロウ(Chris Farlowe、1940年10月13日[1] - )は、イングランドのボーカリスト。本名はジョン・ヘンリー・デイトンで、芸名の「ファーロウ」はジャズ・ギタリストのタル・ファーロウにあやかって付けられた[1]。
来歴
誕生〜1960年代
北ロンドンのイズリントンで生まれた。少年時代にイギリスでスキッフルのブームが起こると、ジョン・ヘンリー・スキッフル・グループを結成してギターを弾きながら歌うが、その後はボーカルに専念するようになる[1]。そして、1962年にはクリス・ファーロウ&ザ・サンダーバーズ名義でデビュー・シングル「Air Travel」を発表する[1]。1964年にはサンダーバーズにアルバート・リーが加入。1967年2月から1968年5月まで、カール・パーマーが在籍した[2][3]。
1966年、アンドリュー・ルーグ・オールダムが設立したイミディエイト・レコードと契約。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズが提供した「シンク」は全英シングルチャートで37位を記録した[4]。同年には、やはりジャガー=リチャーズの提供による「アウト・オブ・タイム」(全英1位[4])、「ライド・オン・ベイビー」(全英31位[4])をシングル・ヒットさせた。なお、ローリング・ストーンズも同時期にこれらの曲を録音しており、「シンク」と「アウト・オブ・タイム」はアルバム『アフターマス』(1966年)、「ライド・オン・ベイビー」はアルバム『フラワーズ』(1967年)で発表された。また、1966年9月16日に放映された『レディ・ステディ・ゴー』では、エリック・バードンと共にオーティス・レディングのステージにゲスト参加した[1]。
1967年、スモール・フェイセスのスティーヴ・マリオットとロニー・レーンが提供した「マイ・ウェイ・オブ・ギヴィング」が全英48位に達した[4]。その後、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのカヴァー「モーニン」が全英46位、マンフレッド・マンのマイク・ダボが提供した曲「ハンドバッグス・アンド・グラッドラグス」が全英33位を記録するが、それ以後はシングル・ヒットに恵まれなくなる[4]。
1970年代以降
1970年、コロシアムに加入。ファーロウ加入後のアルバム『ドーター・オブ・タイム』(1970年)は全英アルバムチャートで23位、『コロシアム・ライヴ』(1971年)は17位に達した[5]。コロシアム解散後はアトミック・ルースターに加入し、スタジオ・アルバム2作に参加した。
1981年12月には、ドイツのルートヴィヒスブルクでブライアン・オーガー及びピート・ヨークと連名のアルバム『Olympic Rock & Blues Circus』を録音[6]。1982年公開のアメリカ映画『ロサンゼルス』のサウンドトラックでは、「Who's to Blame」と「Hypnotizing Ways (Oh Mamma)」の2曲でジミー・ペイジと共演[7]。その後、ジミー・ペイジのソロ・アルバム『アウトライダー』(1988年)では3曲に参加した。
1994年、コロシアムが『ドーター・オブ・タイム』期のラインナップで再結成され[8]、ファーロウはその後もソロ活動と並行してコロシアムで活動を続けた。
ディスコグラフィ
リーダー・アルバム
- Chris Farlowe and the Thunderbirds(1966年) ※クリス・ファーロウ&ザ・サンダーバーズ名義
- 『フォーティーン・シングス・トゥ・シンク・アバウト』 - 14 Things to Think About(1966年)
- The Art of Chris Farlowe(1966年)
- Paint It Farlowe(1968年)
- The Last Goodbye(1969年)
- From Here to Mama Rosa(1970年) ※クリス・ファーロウ with ザ・ヒル名義
- Chris Farlowe Band - Live(1975年)
- Out of the Blue(1985年) ※クリス・ファーロウ&ザ・サンダーバーズ名義
- The Live EP: Live in Hamburg(1986年)
- Born Again(1986年) ※クリス・ファーロウ&ザ・サンダーバーズ名義
- Chris Farlowe & Roy Herrington Live in Berlin(1991年)
- Waiting in the Wings(1992年)
- Lonesome Road(1995年)
- BBC in Concert(1996年)
- As Time Go By(1996年)
- The Voice(1998年)
- Glory Bound(2001年)
- Farlowe That!(2003年)
- Hungary for the Blues(2005年)
- Hotel Eingang(2008年)
- As Time Goes By(2013年)
- Live At Rockpalast(2018年)
コロシアム
- 『ドーター・オブ・タイム』 - Daughter of Time(1970年)
- 『コロシアム・ライヴ』 - Colosseum Live(1971年)
- Colosseum LiveS - The Reunion Concerts(1995年)
- Bread & Circuses(1997年)
- Tomorrow's Blues(2003年)
- 『コロシアム・ライヴ! 05』 - Live05(2007年)
- 『タイム・オン・アワ・サイド』 - Time on Our Side(2014年)
アトミック・ルースター
- 『メイド・イン・イングランド』 - Made in England(1972年)
- 『ナイスン・グリージー』 - Nice 'n' Greasy(1973年)
ジミー・ペイジ
- 『「ロサンゼルス」オリジナル・サウンドトラック』 - Death Wish II(1982年)
- 『アウトライダー』 - Outrider(1988年)
脚注
外部リンク