クマコケモモ(熊苔桃、 Arctostaphylos uva-ursi)はツツジ科の常緑低木。別名、ウバウルシ、ウワウルシ。ウワウルシの名称は、種小名の「uva-ursi」(ウワ=ウルシ)が由来であり、ウルシ科の植物ではない。種小名の「uva-ursi」はラテン語の「クマのブドウ」という意味で、和名もこれが由来となっている。
特徴
北半球の原野や高山に自生する。高さ50cmほど。葉は矩形もしくは円形で2.5センチメートル程度になる。
花期は春〜初夏で、釣鐘型をしたピンク色の小花をいくつか咲かせる。果実は赤く熟し、中に種子が5つある。酸味が強く食用には向かない。
利用
葉は強い殺菌・収れん作用があり、尿路殺菌剤として用いることがある。日本薬局方に生薬「ウワウルシ」として収録されている。最近では、メラニン抑制効果が認められたことから、化粧品に配合されることが多い。[2]
主成分はアルブチン、エラグ酸などのタンニンなど。尿路消毒薬の原料としても使われる。
アメリカインディアンはこれらのハーブを混ぜてタバコとして喫煙する。煙にも爽やかな酸味が感じられる。アメリカインディアン居留地などで、お土産として購入可能。
匍匐性の植生から、園芸ではカバープランツとして利用されている。
脚注
- ^ 主にアルブチンのグルコース結合をβからαに変換して配合されている。天然と書かれているものはβ結合のまま配合されている。
参考文献
- レベッカ・ジョンソン、スティーブン・フォスター、ティエラオナ・ロウ・ドッグ、デビッド・キーファー 著、関利枝子、倉田真木 訳『メディカルハーブ事典』日経ナショナル ジオグラフィック社、2014年。ISBN 9784863132726。
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