ガーデンサバーブ(garden suburb)とは、田園郊外のこと。既存の都市施設に依存する形での豊かな田園郊外が、ヘンリエッタ・バーネット女史の手でロンドン郊外ハムステッドに計画された。イーストエンドの労働者向けに計画されたこの住宅地は失敗して、田園郊外は通勤を前提とする居住者を対象にするものに計画変更された。郊外開発は、鉄道と一体の開発とされることが多い。日本の電鉄の取り組んだ開発はすべて田園郊外開発である。戦前の田園調布(東急)、成城(小田急)、常盤台(東武)、宝塚(阪急)など。[1]
低密度で豊かな自然環境に恵まれた郊外住宅地モデルであり、主に20世紀初頭に欧米で計画・開発された。
エベネザー・ハワードによって提唱されたガーデンシティ(田園都市)理念の強い影響下で生まれたモデルであるが、ガーデンシティが職住近接を柱とした自己充足的小都市の構想であったのに対し、このガーデンサバーブはほぼ住宅地のみからなり、自己充足的でない点が特徴である。ガーデンシティの名で計画されながら、実態としてはガーデンサバーブとなった住宅地もある。
日本語では、一部で直訳した「庭園郊外」の表記が用いられる一方、ハワードのガーデンシティを内務省地方局有志が田園都市と訳して紹介し、これが定着しているため、ガーデンサバーブに対しても「田園郊外」[2]の訳語が当てられることがある。
主なガーデンサバーブ
その他 カンザスシティ・カントリークラブ地区、ヒューストン・リバーホークス、LAのパロスベルデス、ヒバリーヒルズ、マラヤのキャメロンハイランズ 南アフリカのパインランズ、ザンビア首都ルサカなど。
脚注
- ^ 戸谷英世・竹山清明『建築物・様式ビジュアルハンドブック』株式会社エクスナレッジ、2009年、147頁。
- ^ 『田園郊外』 - コトバンク
参考文献