ガジ賞(ガジしょう、トルコ語: Gazi Koşusu ガーズィ・コシュスゥ)は、トルコ・イスタンブールのヴェリエフェンディ競馬場で行われる競馬の競走(平地競走)。
トルコ競馬におけるダービー競走であり、英語圏ではガジダービー(Gazi Derby)と称される[4]。
1927年に創設されたトルコ競馬最高峰の競走であり[1]、普段は競馬に関する報道をあまりしない一般メディアでもスポーツニュースとして取り上げられる[5][6]。
欧州諸国の三冠競走にならい、5月開催のエルケック・タイ・デネメ(内国産3歳牡馬限定芝1600メートル。トルコ2000ギニー)またはディシ・タイ・デネメ(内国産3歳牝馬限定芝1600メートル。トルコ1000ギニー)、6月開催の本競走、9月開催のアンカラ賞(内国産3歳限定芝2800メートル。トルコセントレジャー)の3競走を勝利したトルコ内国産の牡馬または牝馬はトルコ三冠馬(Triple Crown)として表彰される[7]。
競走名はトルコの国父である初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルクを記念したものである[1]。「ガジ(ガーズィ(英語版))」は軍人の名誉称号で、1927年の競走創設当時のケマルはまだ「アタテュルク」の姓を持たず、「ガーズィ・ムスタファ・ケマル」と名乗っていた。ケマルはトルコ独立戦争の功績により1921年にトルコ大国民議会からこの称号を贈られていた[8]。
ムスタファ・ケマル・アタテュルクが亡くなった1938年から1969年まではアタテュルク賞(トルコ語: Atatürk Koşusu アタテュルク・コシュスゥ)に改名しており、1970年にガジ賞に名称を復した。この年から優勝馬にはアタテュルクの乗馬像が与えられている[1]。
英語では、名称を直訳すればGazi Raceであるが、主催者であるトルコジョッキークラブの英語版ホームページ[9]や『国際セリ名簿基準書』[2]ではガジダービー(Gazi Derby)と記載されている。
賞金総額[2]、1着賞金[3]ともにトルコの競馬の競走で最高額。さらに1着から5着までに入賞した競走馬の生産者にプレミアムが授与される[10]。
第1回競走は1927年6月10日にトルコの首都アンカラにおいて距離2000mで行われ、出走に年齢の条件はなかった。1932年にイギリスのダービーに範を取って出走条件が3歳馬限定、距離が2400mと現在の形式に定着した[1]。