オーソリティ(欧字名: Authority、2017年2月12日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2020年の青葉賞、2020年・2021年のアルゼンチン共和国杯連覇、2022年のネオムターフカップ。
馬名の意味は、「権威、威信」。クラシック三冠を達成した父のような活躍を願って[7]。
戦績
デビュー前
2017年2月12日、北海道安平町のノーザンファームで誕生。シルクレーシングにて総額4000万円(一口8万円×500口)で募集された[7]。
2歳 (2019年)
美浦の木村哲也厩舎に入厩。7月7日に函館で行われた2歳新馬戦で池添謙一を背にデビューを果たすと、1番人気の支持に応えてデビュー戦を勝利した[7]。
続く芙蓉ステークスでも1番人気に推されると、レースでは4番手追走から直線で力強く伸びて快勝。デビュー2連勝とした[8]。
重賞初挑戦となったホープフルステークス(GI)では東京スポーツ杯2歳ステークスをレコード勝ちしたコントレイル等が集まった中[9]、4番人気の支持を受けた。レースでは最初の直線で他馬に挟まれるアクシデントがあり、最後の直線も後方から追い上げたものの、最終的には5着と何とか掲示板を確保するにとどまった[10]。
3歳 (2020年)
3歳始動戦には弥生賞ディープインパクト記念を選択。鞍上にライル・ヒューイットソンを迎え、3番人気で臨んだレース本番、先行して直線でも粘ったが、最後はサトノフラッグ、ワーケアに交わされ3着に敗れた[11]。
優先出走権を得ていた皐月賞は回避し、ダービートライアルの青葉賞に出走。鞍上は前走に続きヒューイットソンが務めた。ここでも3番人気になると、レースでは最後の直線で進路を外に切り替えると、ゴール直前で先頭に立ちそのまま優勝。レースレコード勝ちで重賞初制覇と共に、日本ダービーの優先出走権を獲得した[12]。鞍上のヒューイットソンは短期免許期間の最終週で重賞2勝目を飾った[12]。
しかし、レースの7日後に骨折が判明、全治3か月の診断となったため、優先出走権を獲得した日本ダービー出走を取り止めることになり、休養入りとなった。半年の休養明けを12キロ増[13]で挑んだアルゼンチン共和国杯では3番手からレースを進め、2着の6番人気ラストドラフトに1馬身半差をつけ重賞2勝目を果たした[14]。次走は有馬記念に川田将雅鞍上で出走、道中2番手でレースを進めるも14着と初の二桁着順に沈む(詳細は第65回有馬記念を参照)。
4歳(2021年)
4歳初戦はダイヤモンドステークスに出走、川田が再び騎乗し、1番人気に推される。好位でレースを進め、直線抜け出すもグロンディオーズにクビ差差し切られ2着に敗れたが、後続には5馬身差をつけた。続く天皇賞(春)は中団から今ひとつに伸びきれず10着に敗れた。その後、左脛骨の骨折が判明、半年以上の休養を取ることになった[15]。
7月29日付で木村の調教停止処分に伴い、岩戸孝樹厩舎に転厩した[16]。11月1日付で木村の調教停止処分終了に伴い、木村哲也厩舎に再転厩した。岩戸孝樹厩舎所属時はレースへの出走はなかった。
骨折明け、6か月ぶりとなったアルゼンチン共和国杯はトップハンデの57.5kgを背負ってのレースとなったが、好位につけると直線で後続に差をつけ、マイネルウィルトスに2馬身半差をつけて1着、アルゼンチン共和国杯連覇を達成し、重賞3勝目を挙げた。中2週で臨んだジャパンカップはコントレイル(牡4)、シャフリヤール(牡3)、ワグネリアン(牡6)およびマカヒキ(牡8)と4世代のダービー馬が出走し、外国馬3頭などフルゲートとなる18頭でのレースとなった。1コーナーで各馬が殺到し、接触しながらも5番手を確保[17]。最後の直線では残り300mで一旦先頭に立ち、このレースで引退となるコントレイルには屈したが、それから2馬身差の2着となった。
5歳(2022年)
5歳の初戦としてサウジアラビアで行われるサウジカップデーの競走のひとつ、ネオムターフカップに登録された[18]。現地時間26日に行われたこの競走にはルメールとともに出走し、レースが始まると先手を確保し、そのまま2着馬カスパーに1馬身1/4差をつけて逃げ切って優勝した[19]。
続いて海外連勝を目指し、ドバイのメイダン競馬場で開催されるドバイシーマクラシックに出走した[20]。前走に続いて先頭を進みレースをコントロールしたが、最終直線でシャフリヤール、ユビアーに差され3着に敗れた[21]。
帰国したオーソリティは宝塚記念に出走したが、馬場入場後に右前肢跛行を発症したため競走除外となった[22]。その4日後の6月30日、右第3中手骨骨折が判明し、三度長期休養に入ることとなった[23]。
6歳(2023年)
8月6日に札幌競馬場で行われたエルムステークスで1年4か月ぶりに実戦復帰したが、12着と大敗。レース数日後のエコー検査で左前脚の種子骨靱帯に重度の損傷が判明し、競走能力喪失と診断された。8月25日に所有するシルクホースクラブにより現役を引退し、2024年より北海道新冠町の優駿スタリオンステーションで種牡馬入りすることが発表された[24]。翌26日、JRAの競走馬登録を抹消された[25]。
引退後
優駿スタリオンステーションでの種牡馬入りと発表されたものの、その後入厩が確認されず動向はしばらく不明であった。
2024年10月23日に引退競走馬としてノーザンホースパークへの入厩が発表された[26]。
競走成績
以下の内容はnetkeiba.com[7]、サカブジョッキークラブ[27]、Racing Post[28]の情報に基づく。
競走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 |
タイム (上り3F) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) |
馬体重 [kg]
|
2019.07.07
|
函館
|
2歳新馬
|
|
芝1800m(良)
|
10
|
6
|
6
|
001.30(1人)
|
01着
|
R1:54.9(34.5)
|
-0.0
|
0池添謙一
|
54
|
(ブラックホール)
|
494
|
0000.09.22
|
中山
|
芙蓉S
|
OP
|
芝2000m(良)
|
6
|
4
|
4
|
002.00(1人)
|
01着
|
R2:02.9(33.8)
|
-0.4
|
0池添謙一
|
54
|
(ウインカーネリアン)
|
498
|
0000.12.28
|
中山
|
ホープフルS
|
GI
|
芝2000m(良)
|
13
|
7
|
11
|
007.20(4人)
|
05着
|
R2:02.2(36.3)
|
-0.8
|
0池添謙一
|
55
|
コントレイル
|
508
|
2020.03.08
|
中山
|
弥生賞ディープ記念
|
GII
|
芝2000m(重)
|
11
|
8
|
10
|
003.90(3人)
|
03着
|
R2:03.3(36.9)
|
-0.4
|
0L.ヒューイットソン
|
56
|
サトノフラッグ
|
506
|
0000.05.02
|
東京
|
青葉賞
|
GII
|
芝2400m(良)
|
18
|
2
|
3
|
004.30(3人)
|
01着
|
R2:23.0(34.1)
|
-0.0
|
0L.ヒューイットソン
|
56
|
(ヴァルコス)
|
500
|
0000.11.08
|
東京
|
AR共和国杯
|
GII
|
芝2500m(良)
|
18
|
8
|
18
|
005.30(3人)
|
01着
|
R2:31.6(34.6)
|
-0.2
|
0C.ルメール
|
54
|
(ラストドラフト)
|
512
|
0000.12.27
|
中山
|
有馬記念
|
GI
|
芝2500m(良)
|
16
|
6
|
12
|
020.30(7人)
|
14着
|
R2:37.0(38.2)
|
-2.0
|
0川田将雅
|
55
|
クロノジェネシス
|
514
|
2021.02.20
|
東京
|
ダイヤモンドS
|
GIII
|
芝3400m(良)
|
16
|
2
|
3
|
002.90(1人)
|
02着
|
R3:31.2(34.8)
|
-0.0
|
0川田将雅
|
56
|
グロンディオーズ
|
510
|
0000.05.02
|
阪神
|
天皇賞(春)
|
GI
|
芝3200m(良)
|
17
|
8
|
17
|
012.20(6人)
|
10着
|
R3:16.7(38.4)
|
-2.0
|
0川田将雅
|
58
|
ワールドプレミア
|
506
|
0000.11.07
|
東京
|
AR共和国杯
|
GII
|
芝2500m(良)
|
15
|
6
|
10
|
003.00(1人)
|
01着
|
R2:32.4(33.9)
|
-0.4
|
0C.ルメール
|
57.5
|
(マイネルウィルトス)
|
518
|
0000.11.28
|
東京
|
ジャパンC
|
GI
|
芝2400m(良)
|
18
|
4
|
7
|
007.10(3人)
|
02着
|
R2:25.0(34.4)
|
-0.3
|
0C.ルメール
|
57
|
コントレイル
|
520
|
2022.02.26
|
KAA
|
ネオムターフC
|
G3
|
芝2100m(良)
|
14
|
2
|
2
|
003.00(1人)
|
01着
|
R2:06.72
|
-0.21
|
0C.ルメール
|
57
|
(Kaspar)
|
計不
|
00000.3.26
|
メイダン
|
ドバイSC
|
G1
|
芝2410m(良)
|
15
|
10
|
1
|
004.70(2人)
|
03着
|
|
(3/4馬身)
|
0C.ルメール
|
57
|
Shahryar
|
計不
|
0000.06.26
|
阪神
|
宝塚記念
|
GI
|
芝2200m(良)
|
17
|
1
|
1
|
|
除外
|
|
|
0C.ルメール
|
58
|
タイトルホルダー
|
516
|
2023.08.06
|
札幌
|
エルムS
|
GIII
|
ダ1700m(不)
|
14
|
4
|
5
|
005.30(2人)
|
12着
|
R1:45.0(38.2)
|
-2.2
|
0C.ルメール
|
58
|
セキフウ
|
528
|
- 海外の枠番はゲート番
- サウジアラビアのオッズ・人気はRacing Postのもの(日本式のオッズ表記とした)
血統表
出典
注釈
脚注
外部リンク