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オニテナガエビ (Macrobrachium rosenbergii )は、十脚目 テナガエビ科 の、商業的に重要なエビ の一種。淡水に生息するエビでは最大。
名称
Malaysian prawn 、freshwater scampi (インド )、cherabin (オーストラリア )、golda chingri (バングラデシュ とインド のベンガル語 : গলদা চিংড়ি) udang galah (インドネシア とマレーシア )、uwáng または uláng (フィリピン ) Thailand prawn (中国 と台湾 ) (中国語 : Tàiguó xiā 泰國蝦)[ 2] 、 koong mae nam または koong ghram gram (タイ )[ 3]
形態
体長は30cmを超える。体色は主に茶色がかっている。頭胸甲および腹節は黄褐色で、青みを帯びる[ 4] 。若い個体は緑色で、縞が入る。頭部は大きく、額角の背中側の棘は11〜14本、腹側の棘は8〜11本。第一胸脚 は細長く、小さな爪が付いており、捕食の際の補助として使用される。第二胸脚は特に雄で非常に発達し、体長よりも長く伸びる。可動指は剛毛で覆われる。雄は成長に伴い第二胸脚の色が透明からオレンジ、その後藍色へと変化していく[ 3] [ 5] 。可動指は橙色[ 4] 。
雌は雄よりも第二胸脚が小さく、腹部が広くなる。生殖器 は雄では第五胸脚、雌では第三胸脚を含む体節にある[ 3] [ 5] 。
多型
雄には3つの異なる多型 が存在する[ 6] 。初期段階(small male:SM)では、第二胸脚は小さく透明である。その後成長し、(orange claw:OC)と呼ばれる、第二胸脚がオレンジ色で、長さが体長の0.8 - 1.4倍の状態となる[ 6] 。 後に、最終段階(blue claw:BC)に変化する可能性がある。第二胸脚は青色で、長さは体長の2倍になる[ 5] [ 7] 。
縄張りを持つBCの雄がOCを支配し、OCがSMを支配する[ 6] 。 BC雄の存在はSMの成長を阻害し、OCからBCへの変変化を遅らせる。OCは変化する前に、付近で最大のBC雄よりも大きくなるまで成長する[ 6] 。雄の3つの段階はすべて性的に活動的で、交尾前の脱皮 を終えた雌はあらゆる雄と繁殖する。BCの雄は殻が固まるまで雌を守り、OCとSMは守ることはしない[ 6] 。
生態
インドから東南アジア 、オーストラリア北部にかけて、インド太平洋 の熱帯 および亜熱帯 域に分布する[ 5] 。日本では西表島 から報告があるが、養殖種苗の逸出である可能性が指摘されている[ 4] 。河川 の下流から汽水域 にかけて生息する。雑食 である。
交尾の際、雄は雌の胸部下側、歩脚 の間に精莢 を植え付ける。雌は卵 を押し出し、受精する。雌は受精卵 を孵化するまで持ち運ぶ。卵は通常3週間以内で孵化する。雌は10,000 - 50,000個の卵を年に5回産む[ 7] 。
これらの卵から、幼生の初期段階であるゾエア が孵化する。汽水域で数回の脱皮を経て、通常、孵化後約 32 - 35 日で稚エビになる[ 7] 。体長 7.1 - 9.9 mm で形は成体と似る。その後淡水に戻る[ 7] 。
人間との関係
東南アジアでは重要な食料とされ、市場で盛んに流通している。アフリカ 、タイ、中国、日本、ニュージーランド 、アメリカ大陸 、カリブ海 の一部など、世界各地で食用に養殖されている[ 3] [ 5] 。
脚注
関連項目