「エスノセントリズム」という用語は、社会科学の分野でアメリカの社会学者ウィリアム・グラハム・サムナーによって初めて利用された[7]。1906年の書籍『Folkways』で、サムナーはエスノセントリズムを「自分のグループがすべての中心であり、他のすべてのグループは自分のグループを基準に評価するような物事の見方を表す専門用語(the technical name for the view of things in which one's own group is the center of everything, and all others are scaled and rated with reference to it.)」と説明している。彼はさらに、しばしば傲慢(英語版)、虚栄心、自身のグループの優越性への信念、部外者の蔑視(英語版)に繋がるものとしてエスノセントリズムを特徴づけている[8]。
その後、エスノセントリズムという用語は、社会理論家テオドール・アドルノなどの人々による社会的理解の進展とともに発展した。アドルノの『The Authoritarian Personality(英語版)』において、彼とフランクフルト学派の彼の同僚らは、この用語のより広い定義を「in group-out group differentiation」の結果として定義した。つまり、エスノセントリズムは「自分の民族や文化グループ(in group)に対する肯定的な態度と、他の民族や文化グループ(out-group)に対する否定的な態度を組み合わせたものであると説明した。これらの並置された態度はともに、社会的同一化(social identification)および社会的反同一化(social counter-identification)として知られているプロセスの結果でもある[9]。
20世紀に入ると、アメリカの社会科学者ウィリアム・グラハム・サムナーが1906年に出版した著書『フォークウェイズ』において、2つの異なる定義を提唱した。サムナーは、「エスノセントリズムとは、自分の集団が全ての中心であり、他の全ての集団はそれを基準に尺度づけされ評価されるという、このようなものの見方の技術的名称である」と述べている[12]。『War and Other Essays』(1911年)の中で、彼は「結束、同胞意識、自集団への献身といった感情は、あらゆる外集団に対する優越感を伴い、外集団から自集団の利益を守ろうとする。このような考えは専門的にはエスノセントリズムとして知られている。」と書いている[13]。ボリス・ビズミックによれば、サムナーがエスノセントリズムという言葉を生み出したというのは誤解であり、実際にはサムナーは英語の出版物を通じてエスノセントリズムを人類学、社会科学、心理学の主流に持ち込んだと述べている[11]。
^McCornack, Steven; Ortiz, Joseph (2017). Choices and Connections: An Introduction to Communication. Boston, New York: Bedford/St.Martin's. pp. 109. ISBN978-1-319-20116-6. OCLC1102471079
^LeVine, R.A. (2017). International Encyclopedia of the Social & Behavioral Sciences: Second Edition. ELSEVIER. pp. 166
^Hooghe, Marc.(2008) "Ethnocentrism." International Encyclopedia of the Social Sciences: 1–5.
^Shala, Blerim; Cooper, Robin (2014). Thompson, Sherwood. ed. Encyclopedia of Diversity and Social Justice. Lanham: Rowman & Littlefield Publishers. ISBN978-1-4422-1606-8. OCLC900277068
^ abNaturalism in Sociology of the Turn of the Century (by Alexander Hofman and Alexander Kovalev), A History of Classical Sociology. Ed. by Igor Kon. Moscow, 1989, p. 84. ISBN5-01-001102-6
^ abBizumic, Boris (2014). “Who Coined the Concept of Ethnocentrism? A Brief Report”. Journal of Social and Political Psychology2: 3–10. doi:10.5964/jspp.v2i1.264. hdl:1885/38646.
^Miller, Barbara (2013). Cultural Anthropology. Pearson. pp. 23. ISBN9780205260010
^Öğretir, Ayşe Dilek (2008). “The Study Of Ethnocentrism, Stereotype And Prejudice: Psycho-Analytical And Psycho-Dynamic Theories”. Journal of Qafqaz University24: 237.