ウールワースビル (Woolworth Building)は、ニューヨーク市 マンハッタン 区 シヴィック・センター に建つ超高層ビル である。
概要
ウールワースビルは、57階建て高さ241.4mであり、1913年から1930年までの間、世界で一番高いビルだった[ 4] 。
1966年にはアメリカ国定歴史建造物 に、1983年にはニューヨーク市歴史建造物 に指定されている。
建築
豪華な内装のメインロビー
1913年撮影
1910年 、実業家 フランク・ウールワース (英語版 ) は、建築家 キャス・ギルバート に、F.W.ウールワース (英語版 ) 社の新たな本社ビルの設計を依頼した。場所は、ロウアー・マンハッタン のブロードウェイ 沿い、パーク・プレイス (Park Place) とバークレー通り (Barclay Street) の間、ニューヨーク市役所 の向かいである。様式は、ネオ・ゴシック様式 。1913年 4月24日、ウールワースビルは開業の日を迎えた。もともとは、地区計画法に基づき、高さ190メートルとする計画であったが、240メートルに変更された。建設費である1350万ドルは、ウールワースが現金で支払った[ 4] 。
ヨーロッパのゴシック教会を思わせる壮麗さから、オープニング・セレモニーにおいて、S. Parkes Cadman牧師 から、「商業 の大聖堂 」と称された。1930年、40ウォール・ストリート・ビル とクライスラービル に、その座を譲るまで、世界一高い建物であり続け、58階の展望室は、1945年まで観覧客を集め続けた。
ブロードウェイに面した高層部は、採光のために設けられた中庭を持つ低層部の上に聳え立っている。外装は、ライムストーン色に着色された、つや出しテラコッタ パネルで覆われている。力強く節立てられたピアは、コーニス を邪魔することなく三角形の頭頂部まで到達し、上方への高い指向性を演出している。著しく目を引く最上部に集められたゴシック様式 の装飾は、190メートル下の路上レベルからも読み取れるよう、十分に大きなスケールとなっている。
飾り立てられたロビー は、十字形のプランとなっており、天井はヴォールト 形でモザイク 張り、中にはギルバートやウールワースらの風刺画 も描かれた。ウールワースのプライベート・オフィスは、フランス 帝政様式 の大理石 装飾で覆われている。
構造設計者、ガンヴァルド・オースは、支持層に達する巨大なケーソン によって、この建物の鋼構造を支える設計とした。高速のエレベーター が導入されたことで、高層部のオフィス にも動線 上の不便を与えることはなく、高い不動産 価値を維持することができた。テナント には、アーヴィング・トラスト銀行、コロムビア・レコード が入っており、録音スタジオ も当ビル内に備えている。
近年
F・W・ウールワース社による所有は85年間及んだが、1998年、ウールワース社の後継企業であるヴェネーター・グループは、当ビルをウィットコフ・グループに1億5500万ドルで売却した。
世界貿易センタービル は、数ブロックを隔てた近傍に位置したが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件 の後、数週間の間、電気・電話が使用できなかったものの、重大な被害を受けることはなかった。事件後、警備体制が増強されたことにより、以前は観光スポットであったロビーへの立ち入りは禁止された。
当ビルは、長きに渡って高等教育機関と関係が深く、20世紀前半にはフォーダム大学 が多数の学部を入居させている。今日に至っても、多くのテナントの中に、コントロール・グループ社や、ニューヨーク大学 School of Continuing and Professional Studies' Center for Global Affairs などが含まれている。
脚注
^ ウールワース・ビルディング - Emporis (英語)
^ "ウールワース・ビルディング" . SkyscraperPage (英語).
^ ウールワース・ビルディング - Structurae
^ a b “Study for Woolworth Building, New York ”. World Digital Library (1910年12月10日). 2013年7月25日 閲覧。
関連項目
外部リンク