ウスマン・デンベレ(Ousmane Dembélé、1997年5月15日 - )は、フランス・ウール県ヴェルノン出身のサッカー選手。リーグ・アン・パリ・サンジェルマンFC所属。フランス代表。ポジションはFW。
経歴
レンヌ
2010年からスタッド・レンヌのユースチームに所属し、2015年、トップチームに昇格した。2015年11月6日、アンジェSCO戦でプロデビューを果たし、11月22日、FCジロンダン・ボルドー戦でプロ初得点を記録した[4]。2016年3月16日、ダービーマッチとなるFCナント戦でハットトリックを記録した[5]。
ドルトムント
欧州のビッグクラブが争奪戦を繰り広げた後[6]、2016年5月12日にブンデスリーガのボルシア・ドルトムントに移籍することが発表された。契約期間は5年間[7]。背番号は前シーズンに香川真司が着用した7番[6]。11月22日の欧州CL第5節・レギア・ワルシャワ戦で香川のアシストから得点、8-4の勝利に貢献[8]。2017年4月26日、DFBポカール準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦では1得点1アシストの活躍で決勝進出に貢献した[9]。
バルセロナ
2017年8月25日、FCバルセロナへ5年契約で加入、移籍金は1億500万ユーロ+最大でその金額の40%のボーナス、契約解除金は4億ユーロに設定された[10]。この移籍金は2017年夏に移籍したネイマールに次いで高額な移籍金であり、2016年夏に移籍したポール・ポグバの移籍金と並ぶ金額であり、FCバルセロナ史上最高額の移籍金である。また、年俸は基本給で1200万ユーロで、ボーナスなどを含めると最大で2000万ユーロとなる[11]。背番号はそのネイマールが着用していた11番。この移籍において、デンベレはドルトムントの練習をボイコットするなどして強硬にバルセロナ行きを要求[12]。練習参加禁止処分を受け、同僚のローマン・ヴァイデンフェラーから苦言を呈されるなど遺恨を残した。
同年9月9日のエスパニョール戦でデビューし、アシストを決めた[13]。
2018年3月14日、UEFAチャンピオンズリーグのチェルシー戦にて初ゴールを記録した[14]。8月12日のスーペルコパ・デ・エスパーニャ、セビージャ戦では決勝ゴールを決めた[15]。
2022年6月30日、契約満了でクラブを退団したが、7月14日、2024年までの契約締結を発表した[16]。
2022年7月27日、ユヴェントスとのプレシーズンマッチに右ウイングのポジションで先発出場。34分、40分、右サイドでボールを受けると、対峙したDFを両足を使ったドリブルでかわして2得点を挙げた[17]。フットボールの研究機関CIES Football Observatoryが、2022年のドリブラーランキングで、1位に選出された。試合の難易度、プレー時間、ドリブル突破の成功数から100点を最高水準として決定され、100点だった[18]。
パリ・サンジェルマン
2023年8月12日、パリ・サンジェルマンFCへ移籍した[19][20]。5年契約で、移籍金は約5000万ユーロとみられている[21]。当初背番号は23番だったが、ネイマールの移籍に伴い背番号を10番に変更[22]。9月24日、オリンピック・マルセイユ戦に勝利後、チームメイトらと同性愛嫌悪のチャントを歌ったことにより、1試合の出場停止処分を受けた[23]。11月24日、ASモナコ戦で移籍後初ゴールを挙げた[24]。
2023-24シーズン、公式戦41試合に出場して5ゴール14アシストを記録。 リーグ優勝に貢献した。
2024-25シーズン、リーグ戦開幕3戦で1得点2アシスト、チームの3連勝と単独首位浮上に貢献した。
代表歴
2016年8月29日、ワールドカップの予選に向けたフランス代表に初召集され、9月1日のイタリア代表との親善試合でA代表デビュー。2017年6月13日のイングランド代表との親善試合で、代表初得点を挙げた[25]。
2022年、2022 FIFAワールドカップ・決勝トーナメント1回戦でポーランド代表と対戦。74分にキリアン・エムバペのゴールをアシストしたほか、積極的なドリブル突破でチャンスを生み出し勝利に貢献した[26]。しかし決勝のアルゼンチン戦では、相手に2点のリードを許す展開の中、ジルーと共に前半途中での交代を命じられた[27]。
プレースタイル
爆発的なスピードを備えた両利きのアタッカーである[28]。UEFAが発表した調査ではデンベレのドリブル時の速度は36.6km/hである[29]。得点が命題の選手ではなく、チャンスを創出するタイプである。
ドルトムントのスカウト部門を担当し、現在アーセナルのスカウト部門で責任者を務めているスヴェン・ミスリンスタット氏は、デンベレについて高く評価しており、10代の頃のデンベレを回想して、「特定の状況で彼はどっちの足を使うのか分からなかった。なぜなら彼自身がある意味、それについて無頓着だったからだろう」と両足を自在に操れることを強調した[30]。
私生活
- 2019年に来日した際、当時チームメイトであったアントワーヌ・グリーズマンとともに滞在したホテルでゲームの設定をするために呼び出した日本人従業員に対し、「醜い顔ばかりだ」と発言したほか、作業するスタッフの顔をアップで撮影しつつ、「どんな後進国の言葉なんだ」「ここは先進国でしょ?違うの?」と発言した動画が流出した。なぜ流出したのかは不明。この映像は当初、少数の登録者しかいなかったユーチューブチャンネルに投稿されたが、その後ツイッターで「#StopAsianHate(アジア人差別をやめよう)」のハッシュタグが付けられたことで一気に拡散した[31]。これを受けてデンベレは「心から謝罪する」と投稿した[32]。
- スマホゲーム「ポケモンGO」が流行していた頃の練習では、移動距離を稼いでポケモンの卵を孵化させるためにソックスにスマートフォンを仕込んだが、監督にバレてスマホを没収された[33]。
- FCバルセロナに移籍した際、荷物も持たずに出国したためドイツで生活していた時の家が荒廃し裁判沙汰にもなっている[34]。現在はデンベレ側が慰謝料を払う形でオーナーと和解した。
- また、遅刻癖がありフランス代表やFCバルセロナでは寝坊によって練習を欠席することも少なくない[35]。
- 2023年2月にデンベレは財政難に陥る古巣クラブ、エヴルーに10万ユーロ(約1400万円)を寄付したことが明らかになった[36]。同クラブは「困難な時期にクラブへの寛大さと経済的支援をしてくれたウスマン・デンベレに心から感謝したい」と述べた。
- サッカーゲームの「フットボールマネージャー」をプレーしている。メンタルが乱れている選手は使いづらい仕様となっており、自分自身を使った際に非常に使いにくいことを知った。
- 2024年6月、試合後のロッカールームで監督の話を聞きながら1人だけピザを頬張っていた。試合後の炭水化物補給かと思われたが、この試合にデンベレは出ていなかった[37]。
個人成績
2021年6月1日時点
クラブ
|
シーズン
|
リーグ
|
リーグ戦
|
カップ戦
|
国際大会
|
その他
|
合計
|
出場 |
得点 |
出場 |
得点 |
出場 |
得点 |
出場 |
得点 |
出場 |
得点
|
レンヌⅡ
|
2014-15
|
CFA
|
18 |
13 |
- |
- |
- |
18 |
13
|
2015-16
|
4 |
0 |
- |
- |
- |
4 |
0
|
通算 |
22 |
13 |
- |
- |
- |
22 |
13
|
レンヌ
|
2015-16
|
リーグ・アン
|
26 |
12 |
2 |
0 |
- |
1 |
0 |
29 |
12
|
通算 |
26 |
12 |
2 |
0 |
- |
1 |
0 |
29 |
12
|
ボルシア・ドルトムント
|
2016-17
|
ブンデスリーガ
|
32 |
6 |
6 |
2 |
10 |
2 |
1 |
0 |
49 |
10
|
2017-18
|
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0
|
通算 |
32 |
6 |
6 |
2 |
10 |
2 |
2 |
0 |
50 |
10
|
バルセロナ
|
2017-18
|
ラ・リーガ
|
17 |
3 |
3 |
0 |
3 |
1 |
- |
23 |
4
|
2018-19
|
29 |
8 |
4 |
2 |
8 |
3 |
1 |
1 |
42 |
14
|
2019-20
|
5 |
1 |
0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
0 |
9 |
1
|
2020-21
|
30 |
6 |
6 |
2 |
6 |
3 |
2 |
0 |
44 |
11
|
2021-22
|
21 |
1 |
1 |
1 |
9 |
0 |
1 |
0 |
32 |
2
|
2022-23
|
25 |
5 |
2 |
2 |
6 |
1 |
2 |
0 |
35 |
8
|
通算 |
127 |
24 |
16 |
7 |
36 |
8 |
6 |
1 |
185 |
40
|
総通算 |
207 |
55 |
24 |
9 |
46 |
10 |
9 |
1 |
286 |
75
|
代表歴
出場大会
試合数
- 国際Aマッチ 37試合 4得点(2016年 - )
フランス代表 | 国際Aマッチ |
年 | 出場 | 得点 |
2016 |
3 |
0
|
2017 |
4 |
1
|
2018 |
14 |
1
|
2021 |
6 |
2
|
2022 |
8 |
0
|
2023 |
2 |
0
|
通算
|
37 |
4
|
ゴール
タイトル
クラブ
- ボルシア・ドルトムント
- バルセロナ
代表
個人
脚注
出典
外部リンク