『イースVI』(イースシックス、Ys VI)とは、日本ファルコムのアクションロールプレイングゲーム (ARPG)、イースシリーズの第6作目。
オリジナルであるWindows版の正式販売タイトルは『イースVI -ナピシュテムの匣-』(イースシックス ナピシュテムのはこ、Ys VI -The Ark of Napishtim-)。家庭用ゲーム機への移植作はシリーズ番号を外した『イース -ナピシュテムの匣-』がタイトルとされた。
※『イースシリーズ』の項も合わせて参照。
赤毛の剣士アドル・クリスティンが主人公の冒険ファンタジー。
『V』より3年後、エレシア大陸の遥か西、「世界の果て」のカナンの大渦の中心に位置するカナン諸島を舞台に、『有翼人』の謎に迫る冒険物語。原典とされるアドルの冒険日誌は『翼の民を求めて』。
前作『V』から8年振り、またPCゲーム市場では『III』以来14年振りの新作となり、「伝わる優しさ、広がる冒険心。」をキャッチコピーに2003年に発売された。
また、Windows版は最新OSへ都度対応しており、2013年3月22日にはWindows 8対応版が発売されている。
久しぶりの新作ということで、発売後、週刊アスキーで売り上げ1位を4週連続で獲得する等、PCゲームとしては快心のヒット作となった。
イベル半島エディス港町の酒場で、「アドル」と「ドギ」は二人組に「どうだ、俺たちと一緒に『世界の果て』を見に行かないか?」と声をかけられる。二人組の正体は、3年前(『イースV』)に出会った盗賊一家の娘「テラ」とその父親で海賊の「ラドック」だった。アドルたちを乗せ、海賊船トレス=マリス号はアトラス洋をはるか西、「カナンの大渦」を目指す。
しかしトレス=マリス号が大国ロムンの艦隊に襲われ、海に投げ出されたアドルは、カナンの大渦のなか、カナン諸島の砂浜へと流れ着く。気を失っていたところを、長い耳と尻尾を持つ少女「オルハ」に見つけられ介抱される。そこはカナン諸島の原住民・亜人レダ族の集落で、そこからアドルの新しい冒険が始まる。
前作『V』をベースとしながらこれまでのシステムを総括し、全く新しいシステムとなっている。クォータービューのARPGで、シリーズ初の3D作品。
操作はゲームパッド、キーボード、キーボードとマウスの併用に対応しており、それぞれに応じて操作方法が異なるが、本稿ではゲームパッドかキーボードを使用した際の操作を基本として述べる。
基本となる操作は移動、攻撃(決定・話す)、ジャンプ(キャンセル)、剣魔法、アイテム使用、剣の切り替えとなっており、これまでに無いアクション要素が強い作品となっている。
『イース』シリーズでは、最終戦までには最高レベルもしくはその付近までレベルが上がる様に、ゲームバランスが調整されているものがほとんどだが、本作では最終戦時においてもレベルの上限に対してかなりの余裕が設けられている。しかし、シリーズ伝統のレベル制限が存在するため、過度のレベル上げは非常に困難である。
通常版以降で搭載され、初回限定版には搭載されていない。
ゲーム開始時にNORMAL・HARD・NIGHTMAREの3種類から、ゲーム難易度を選択できる。ただし、NIGHTMAREは一度クリアした後でなければ、選択肢に現れない。
『V』に改良を加えた物となっている。画面いっぱいに表示されたプレイ画面上に、いくつかのステータス情報が重ねて表示されている。基本画面で表示されるステータスは、数字で表される現在HP/最大HP・所持金・所持エメル、HPと経験値のバー、魔法ゲージ、装備している剣とアイテムのアイコンがある。HPバーは『V』と同様最大値に対する相対表示でHPが増えてもバーの長さは変わらない。経験値バーはHPバーと平行に表示され、取得経験値に応じて伸びていき、このバーが右端に達するとレベルが上昇する。
攻撃には、武器による通常の攻撃の他、特殊攻撃として剣魔法、剣技がある。剣魔法、剣技については装備品にて後述。攻撃は『V』と『III』のシステムを合わせ、さらに発展させた物となっている。攻撃操作に方向キーやジャンプを組み合わせる事により、多彩な攻撃が可能となっている。またキーの連打によって3連撃までが可能となっている。
イースシリーズの伝統であった「立ち止まっていればHPが回復する」システムは本作では廃止された。ただし、ACCESSORY「エメラスガード」を装備すれば、前作までの様に立ち止まるだけでHPが回復する様になる。基本となる回復方法は「精霊碑に触れる」(瞬時に全回復)か「アイテムの使用」になる。回復アイテムは数種類存在し、種類に応じて回復量が異なる。
魔法ゲージは敵へダメージを与えた場合や敵からのダメージを受けた場合に回復。また、剣のレベルが上がると自動で回復する様になる。
メイン画面上で主な物が表示される他、キャンプメニューで詳しい情報を見る事が出来る。キャンプメニューで表示される情報は、以下の通りである。
メイン画面では表示されるが、STATUS画面には表示されないもの
本作ではいくつかの状態異常がある。アイテムの使用か精霊碑に触れる事で回復可能。また、「呪い」以外は時間経過によっても回復する。
キャンプメニュー内のEquipにて装備。WEAPON、SHIELD、ARMOR、ACCESSORY、TOOLがあり、ACCESSORY以外は各カテゴリにつき一つずつ、ACCESSORYはアクセサリホルダの数に応じて最大5つまで装備できる。
本作最大の特徴とも言えるシステムである。剣を鍛える事が出来、種類に応じた魔法が使えるというシステムはスーパーファミコン版『イースIV MASK OF THE SUN』にその原型を見る事が出来るが、本作ではこの『IV(SFC)』のシステムをより発展させている。エメラス剣は、敵を倒して取得したエメルと引き換えに、エメラス工房において10段階まで鍛える事が出来る。鍛える度に剣の攻撃力を増す他、その剣Lvに応じ剣魔法や剣技が使える様になる等の効果もある。剣魔法は魔法ゲージが一杯の状態で剣魔法ボタンを操作すると発動、剣技は剣の種類に応じた攻撃操作によって発動する。
キャンプメニュー内のUseにて確認できる。EVENT ITEMとTOOLに分けられる。
精霊碑のみでセーブ可能。『V』にあったクイックセーブもなくなり、完全な定点セーブとなった。
本編のボスキャラ戦だけを連続して行い、そのクリア時間を競う。ただし、本編を一度クリアしていないと遊ぶ事はできない。
本来であれば、エレシア大陸出身の人間をさす言葉であるが、レダ族が「エレシア人(びと)」と言った場合、『レダ族とは異なり長い耳と尻尾を持たない人間』全般の事であり、アフロカ人などのエレシア以外の出身者も含める。これは、まれにカナンの大渦を超えて漂着する人の多くがエレシア人であった事から、「尻尾を持たない人」=「エレシア人」と認識した為である。
カナン諸島にのみ生存する原住民で、長い耳、獣のような尻尾、褐色の肌を持つ亜人。アニミズムに基づいたアルマ信仰に忠実な生活を営んでいる。
S!アプリ、iアプリ、EZアプリとして提供されている。基本的な内容はWindows版に準ずるが、若干の違いがある。以下はEZアプリとWindows版の相違点である。
コナミによるPlayStation 2 (PS2) 及び、PlayStation Portable (PSP) 向けの移植作品。開発を行ったのはコナミの米国子会社・Konami Digital Entertainment,Inc.(現在「KONAMI」ブランドで日本国内のゲーム事業を行う同名企業とは異なる。参照)。
シリーズ番号を外したのは、コンシューマー機市場において『イース』を知らない新規ユーザが続き物である事を理由に避けない様にした為と言われている。
どちらもほぼ忠実にオリジナルを移植している。なお、PS2版にはいくつかの追加要素も見られ、キャラクターボイスも追加された。
いくつかの追加要素等はあるものの、基本的にはオリジナルの忠実な移植であり、変更箇所は少ない。
PS2版に見られるような追加要素は無く、オリジナルからの忠実な移植。
PSP版にいくつかの新要素が追加され、操作性などのシステム面が向上したもの。
イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ