アドミラル・ラーザリェフ(ロシア語: Адмирал Лазарев)は、ロシア海軍の保有していたキーロフ級ミサイル巡洋艦の2番艦。太平洋艦隊に所属していた。艦名はロシア帝国海軍の黒海艦隊司令官で、ノヴォロシースクの整備に関わったほか南極圏調査を指揮した功績のあるАдмирал Лазаревミハイル・ペトロヴィッチ・ラザリェーフ(ロシア語版、英語版)海軍大将に因む。ソビエト連邦時代の艦名は、ミハイル・フルンゼに因んだフルンゼ(ロシア語: Фрунзе)だった。
艦歴
フルンゼはレニングラード(現・サンクトペテルブルク)のバルチック造船所で建造され、1985年から1987年にかけて太平洋艦隊に配備された[1]。
ソ連崩壊後にロシア海軍に編入されアドミラル・ラーザリェフに改名されたが、1993年に小事故を起こし原子炉が緊急停止された。再起動には艦隊司令官の許可が必要だったが、当時の太平洋艦隊司令部では不祥事が相次ぎ、司令官を初めとする司令部要員が頻繁に交代していた。そのため太平洋艦隊は本艦のことを気に掛ける余裕が無く、原子炉の再起動命令が出されないまま時間が過ぎた。原子炉の停止後、D.ヘンドラーが同基地にいた本艦を視察し「この艦の原子炉は蒸気発生器が老朽化し、原子炉の再起動手順を知っている専門家が居ないため、原子炉を再起動出来ない」などという結論を下した。その後1996年に退役、保管される[2]。
2002年12月6日にも小規模の火災を起こしたものの、すぐに鎮火した。2004年、ボリショイ・カーメニのズヴェズダ造船所に回航して最低限の修理を行った後、2005年、再びストレロークに戻され、係留された。2014年12月には、係留保管を続けるために浮きドックで船体修復作業が実施された[3]が、2021年4月に解体が開始された[4]。2021年10月24日時点で上構の兵装や電子機器が撤去され[5]、1年後の2022年10月12日には上構がすべて撤去された[6]状態の写真が撮影された。
脚注
出典