アサイー (アサイ[ 2] 、アサイヤシ[ 2] 、和名:ニボンモドキ [ 3] [ 4] 、ワカバキャベツヤシ 、学名 :Euterpe oleracea 、ポルトガル語 : açaí ( 発音 [ヘルプ /ファイル ] ))は、ブラジル のアマゾン が原産のヤシ科 の植物である[ 5] 。
特徴
雌雄同種[ 2] 。木の高さは30メートル以上にもなる[ 2] 。一つの木に3から4房の果実をつける[ 2] 。
アサイーベリー (açaí berry ) などと表記される場合もあるが、植物学的にはブルーベリーやその他ベリー とは近縁ではない。アサイーはヤシ科の1種であり、そのため英語では植物そのものをアサイー・パーム (açaí palm )、果実をアサイーと表記するが、エウテルペ属の他種のヤシもアサイー・パームと呼称することがある。ブラジルでは、植物をアサイゼイロ (açaizeiro )、その果実をアサイー (açaí ) と呼称する。
果実
果実は未成熟のものは緑色であるが、成熟すると紫色に変化する[ 2] 。外見はブルーベリー に似ているが、1粒の体積比では種が95%を占め、可食部は5%しかない。単体では無味に近いため、他のフルーツ などと混ぜ合わせる方法が一般的である。
栄養価
アサイーの果実
アサイーの実は非常に栄養価が高い。アサイーの果実100g中に含まれるポリフェノール は約4.5gで、ココア の約4.5倍、ブルーベリー の約18倍ともいわれている。他にも、鉄分 はレバー の3倍で、食物繊維 、カルシウム なども豊富である。
利用法
アサイーのピュレ とグラノーラ
成長点 (ハート・オブ・パーム )を収穫し、野菜としてサラダ などに利用する。ジュース状にし、そのまま飲むか、牛乳 やヨーグルト 等の乳製品 、バナナ やイチゴ あるいはそれらの果汁などと混ぜて飲むことが多い。これは、アサイー自体には味がほとんどないためである。スムージー にして飲むこともあり[ 5] 、ボウルにアサイーのスムージーを入れ、バナナやクラッカーなどと一緒に供されアサイーボウル と呼ばれる。新芽の芯は、Heart of palm、パルミットpalmitoと呼ばれ野菜として利用される。
注意点としては、未処理のアサイージュースを飲むことは、サシガメ 類昆虫によるシャーガス病 (アメリカトリパノソーマ症)と関連がある[ 6] 。また、アサイーの摂取によってMRI の検査結果に影響が出る可能性がある[ 6] 。
流通・転用商品など
ブラジルでは、アサイーはアマゾンに多く自生しているが、パラー州 のトメアスー (ポルトガル語版 、英語版 ) では、アグロフォレストリー により栽培されたアサイーの実をすりつぶしてペースト 状にしてパックした製品(パルプ)や、果実のまま冷凍され袋詰めされた製品などが同州の州都ベレン の市場へ出荷されている。またトメアスーは日系移民が多く住む街として知られるが、ここでは日系人による農協組織CAMTA(トメアスー総合農業共同組合)によるアサイーの実が収穫され、これをパルプに加工したものがブラジル全土に多く流通している。
なお、全国各地のブラジル食材店などでは、CAMTA以外の冷凍果実を袋詰めしたアサイーも独自ルートにより輸入されており、比較的容易に入手できる。またアサイーにガラナ を加えたパルプなども販売されている。
なお、近年ではアサイベリージュースなどと称して、連鎖販売取引 も行う会社もある。
アメリカ では減量 やアンチエイジング 用途で市販されているが、効果は実証されていない[ 6] 。アメリカの連邦取引委員会 は、減量を目的としてアサイー製品を販売した企業に対して、詐欺 の疑いで処分を行ったことがある[ 6] 。
2009年、米消費者団体の公益科学センター (CSPI) は、ダイエット効果は実証されていないと指摘した。
画像解説
アサイーの林
アサイーの林
果実と幹
アサイー
Euterpe oleracea -
トゥールーズ博物館 の標本
アサイー果汁を絞る
アサイーのジューサー
備考
日本 では2003年 に株式会社フルッタフルッタが「アサイー」を紹介したことで認知された[ 7] 。
横浜F・マリノス のDF中澤佑二 が、普段より貧血気味だったため、練習後の疲労回復の為にアサイーを愛飲するようになったことで改善された、と各種メディアで語り、これが一般的に認知されるきっかけになった。
ブラジル音楽 のミュージシャン、ジャヴァン 作詞作曲の「Açaí 」(1983年発表アルバム『LUZ 』に収録)はこの植物がテーマで、多くのミュージシャンによりカヴァーされている。
脚注
^ a b c d e The Plant List (2013). Version 1.1. Published on the Internet; http://www.theplantlist.org/ 2018年4月25日 閲覧。
^ a b c d e f “アサイヤシ ”. 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所. 2024年12月14日 閲覧。
^ コーナー, E. J . H. 、渡辺, 清彦 『図説熱帯植物集成』廣川書店、1969年、992頁。
^ “List 植物和名-学名インデックス ”. 米倉浩司 ・梶田忠. 2018年4月26日 閲覧。
^ a b バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント『世界の食用植物文化図鑑』山本紀夫(監訳)、柊風舎、2010年1月20日第1刷、314頁。
^ a b c d アサイー - 厚生労働省、2023年10月閲覧
^ “横浜F・マリノスが『アサイー』を採用。トップチーム選手のエネルギーチャージに役立っています。 ”. valuepress . 2021年2月18日 閲覧。
関連項目
外部リンク
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