「おおすみ 」(Ōsumi )は、海上保安庁 のヘリコプター 1機搭載型巡視船 。つがる型巡視船 の2番船にあたる。船種記号は、当初は他の大型巡視船と同じPL(Patrol vessel Large )とされていたが、後にPLH(Patrol vessel Large with Helicopter )に変更された[ 注 1] 。また公称船型も、当初は単に「ヘリコプター搭載型」と称されていたが、2機搭載のみずほ型 の出現によってヘリコプター1機搭載型 となった。
2022年に「さがみ 」(Sagami )と改名された。
船歴
船名「おおすみ」当時の勇姿
1979年10月18日に竣工し、鹿児島海上保安部 (第十管区 )に配属された。船名は大隅半島 に由来する。
その後、新造の「しゅんこう 」が同保安部に配属されることになったことから、2019年12月25日付けで横浜海上保安部 (第三管区 )へ配属替えとなった。1979年10月から2019年10月までの間で、航走距離は約95万海里、457回の海難出動で304人を救助した[ 4] 。
なお平成22年 度補正予算で延命・機能向上工事費が認められ、2012年1月から同年6月まで工事を受けた[ 4] 。その際に、主兵装であるボフォース 60口径40mm単装機関砲 をエリコン 90口径35mm単装機関砲 へ換装している。
みやこ型巡視船 の2番船が「おおすみ」と命名されたことに伴い、2022年2月1日に「さがみ」と改名された[ 5] 。
2023年3月15日、「さがみ」船長に大型巡視船船長として女性初の中林久子 が就任した[ 6] [ 7] 。
同年6月22日、伊豆大島 東方海域において、海上自衛隊 護衛艦 「やまぎり 」、SH-60K 哨戒ヘリコプターと共同訓練を実施した。本訓練は、武力攻撃事態において海上保安庁を防衛大臣 の統制下に入れ、住民の避難並びに船舶への情報提供及び避難支援を想定した初めての実動訓練であり、海自と海保との間における情報伝達の要領などについて演練・検証した[ 8] 。
延命・機能向上工事を行ったが老朽化が進んでおり、令和6年度予算にて代船建造が要求されている[ 9] 。延命・機能向上工事から15年経過する2027年(令和9年)度に就役する予定となっている。
搭載機の変遷
機種
機番
愛称
配属期間
ベル 212
MH540
きんこう
1979年2月7日-2011年3月25日
MH595
2011年3月6日-2015年3月12日
シコルスキー S-76 D
MH912
るりかけす
2015年3月9日-
脚注
注釈
^ 1985年 6月1日 付けで「海上保安庁の船舶の番号および名称の附与基準」(昭和24年海上保安庁達第54号)の一部が改正されて「PLH」の記号が制定されたもので、本船は同年9月4日 付けで変更された。
出典
参考文献
関連項目