日立製作所では、検索技術の開発に従事していた[5]。連想が齎すようなコンテンツ同士の互いの関連性を、数値的に情報処理して検索・表示させたいと考え、連想検索用の検索エンジン「Generic Engine for Transposable Association」を開発した[5]。のちに、日立製作所と平凡社が共同出資して設立した日立デジタル平凡社が、百科事典の電子化を手掛けた際には、この検索技術が「連想的文書検索システム『DualNAVI』」として実装されることになった[5]。さらに、インターネット上で『世界大百科事典』が利用できる「ネットで百科」にも、この検索技術が「デュアル連想検索」として実装されることになった[5]。2000年12月、日立製作所を退職した[3]。
大学では数学科に在籍していたが、その後の専門は情報学であり、連想情報学、関数プログラミング、プログラミング変換といった分野を中心に研究を続けている[21]。特に連想情報学については、日立製作所在籍時から連想検索の検索エンジンの開発に取り組むなど[5]、ライフワークとなっている。集積された情報を連想計算用メカニズムに変換する手法を開発するとともに、連想計算を応用した連想検索や特徴語抽出による要約といった機能の開発も手掛けている[21]。これらの知見を応用し、連想計算を利用した各種システムを構築している[21]。具体的には、連想検索用の検索エンジン「Generic Engine for Transposable Association」を開発した経験を生かし[5]、それを応用・発展させる形で「Webcat Plus」、「新書マップ」、「想――IMAGINE Book Search」など、連想検索を実装したシステムを次々と開発した[7]。
高野個人に対して贈られる賞だけではなく、手掛けたプロジェクトに対して贈られた賞も多い。2008年5月の東京インタラクティブ・アド・アワードでは、「想――IMAGINE Book Search」がサイト部門プロダクトサイト入賞を果たすと同時に「Powers of Information」がサイト部門キャンペーンサイト入賞を果たし[25][27][28]、国立情報学研究所連想情報学研究開発センターと連想出版に賞が贈呈された。同年10月のグッドデザイン賞では、「神保町へ行こう」と「想――IMAGINE Book Search」と「国立美術館遊歩館」とがそれぞれ同時に受賞し[25]、いずれも国立情報学研究所連想情報学研究開発センターと連想出版に賞が贈呈された[29][30][31]。翌年10月のグッドデザイン賞においても、「絵引――絵で引く錦絵アーカイブシステム」で再び受賞を果たし[25]、こちらは渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター、国立情報学研究所連想情報学研究開発センター、連想出版に賞が贈呈された[32]。2011年12月のJEPA電子出版アワードベンチャー・マインド賞では、「e読書ラボ」が受賞を果たし[25]、国立情報学研究所に賞が贈呈された。