能力に応じて働き、必要に応じて受け取る[1][2](のうりょくにおうじてはたらき、ひつようにおうじてうけとる)、あるいは各人からはその能力に応じて、各人にはその必要に応じて[3](かくじんからはそののうりょくにおうじて、かくじんにはそのひつようにおうじて、独: Jeder nach seinen Fähigkeiten, jedem nach seinen Bedürfnissen!)は、カール・マルクスの1875年の著書『ゴータ綱領批判』によって広まったスローガン[4]。この原則は財・資本・サービスへの自由なアクセスと分配について言及するものである[5]。マルクス主義者の見解では、このような図式は、発展した共産主義システムが生み出すことができる財とサービスの充溢によって可能となる。すなわちこれは、社会主義と自由な生産力の完全な発展により、すべての人の欲求を満たすに足るようになるとの考えである[6][7]。
このフレーズはマルクスによって作り出されたと一般には考えられているが、このスローガン自体は社会主義運動の中において一般的なものであった。例えば、アウグスト・ベッカーが1844年に[9]、ルイ・ブランが1851年に[10]このフレーズを使用している。その起源はフランスのユートピアンであるエティエンヌ・ガブリエル・モレリ(フランス語版)に帰せられており[11][12]、その1755年の著書『自然の規範』(Code de la nature)の「全ての社会の悪と邪悪の根源を打ち破る神聖にして基本的な法」には次のような文章が含まれている[13]。
^Busky, Donald F. (July 20, 2000). Democratic Socialism: A Global Survey. Praeger. p. 4. ISBN978-0275968861. "Communism would mean free distribution of goods and services. The communist slogan, 'From each according to his ability, to each according to his needs' (as opposed to 'work') would then rule"
^Schaff, Kory (2001). Philosophy and the problems of work: a reader. Lanham, Md: Rowman & Littlefield. pp. 224. ISBN978-0-7425-0795-1
^Walicki, Andrzej (1995). Marxism and the leap to the kingdom of freedom: the rise and fall of the Communist utopia. Stanford, Calif: Stanford University Press. p. 95. ISBN978-0-8047-2384-8
Cohen, G. A. (1995). “Self-ownership, communism, and equality: against the Marxist technological fix”. Self-ownership, freedom, and equality. Cambridge, UK: Cambridge University Press. ISBN978-0-521-47751-2
Furner, James (2018). Marx on Capitalism: The Interaction-Recognition-Antinomy Thesis. Leiden, The Netherlands: Brill Press. pp. 113-114. ISBN978-90-04-32331-5
Gilabert, Pablo (2015). “The Socialist Principle 'From Each According To Their Abilities, To Each According To Their Needs'”. Journal of Social Philosophy46 (2): 197?225. doi:10.1111/josp.12096.