秩父鉄道ヲキ100形貨車 |
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秩父鉄道ヲキ・ヲキフ100形貨車 (野上駅 - 樋口駅間 2017年11月) |
基本情報 |
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製造所 |
汽車製造・川崎重工業 |
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製造年 |
1956年(昭和31年) |
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製造数 |
143両 |
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主要諸元 |
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車体色 |
黒 |
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軌間 |
1,067 mm |
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全長 |
7,500 mm |
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荷重 |
35 t |
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実容積 |
22.5 m3 |
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自重 |
14.9 t |
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換算両数 積車 |
5.0 |
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換算両数 空車 |
1.5 |
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台車 |
TR41C |
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軸距 |
4,140 mm |
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秩父鉄道ヲキ100形・ヲキフ100形貨車(ちちぶてつどう-ヲキ100がた・ヲキフ100がた-かしゃ)は、秩父鉄道に在籍する貨車(鉱石運搬用ホッパ車)である。
概要
1956年(昭和31年)から汽車製造・川崎重工業(宇都宮)で製造された、35 t積みのボギー式石灰石バラ積みホッパ車で、全車が太平洋セメント所有の私有貨車である。
石灰石の荷卸しは、底板が開き、一度に下に落ちる仕組みである。初期に製造された車両はリベットで組み立てられていたが、後期の車両は溶接によって組み立てられている。
ヲキフ100形は車掌室付だが、1988年(昭和63年)以降、車掌は乗務していない。ヲキ8両、その両端にヲキフを連結して10両編成を組み、これを2本連結して20両編成で使用されていたが、近年この編成は崩れている。現在はヲキ100形はヲキ101-ヲキ110, ヲキ119, ヲキ121, ヲキ124, ヲキ134, ヲキ146, ヲキ153, ヲキ173, ヲキ183が廃車に、ヲキフ100形はヲキフ101-ヲキフ114, ヲキフ118-ヲキフ120, ヲキフ125, ヲキフ131, ヲキフ133-ヲキフ137が廃車になった。特に車掌乗務の廃止後、ヲキフ100形の廃車が進んでいる。2020年現在は、試運転など一部を除いて、影森方にヲキフを1両、ヲキを9両繋げた10両編成を2編成繋いで、20両で使用されている。ヲキフ100形は車掌室の幅員が狭い形の車両と広い形の車両の2種類があったが、現在は広い形のみとなっている。
現在の運用区間は影森駅 - 武州原谷駅 - 武川駅 - 三ヶ尻駅間で、主に太平洋セメント熊谷工場向けの貨物を運んでいる。JRなどの他社線に乗り入れることはない。
その他
- ヲキ・ヲキフの「ヲ」の由来については、「鉱石」(コヲセキ)からきた説と、英語で鉱石を表す「ore」からきているという2つの説がある[1]が、「鉱石」は歴史的仮名遣いでも「くわうせき」であることから[2]、後者の「ore」を語源とする説が有力となっている。
脚注
- ^ 渡辺一策「東武根古屋線とヲキ1形」、『RM POCKET 3 Rail Magazine 1992-9増刊 トワイライトゾ~ン MANUAL』、ネコ・パブリッシング、1992年、p.54-55。
- ^ 金田一京助・山田忠雄他編『新明解国語辞典』株式会社三省堂、1999年第五版第十五冊、ISBN 4-385-13099-X、P460。
参考文献
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)