理想ONE(中:理想One、英:Li Xiang One)は、理想汽車が製造・販売していたPHEVのミドルサイズSUVである。
全電気航続距離(180km、NEDC基準)は、PHEVとしてトップクラスであった。なお、大容量のガソリンタンク(55L)も備えているため、合計航続距離は1,080kmにもなる(より全電気航続距離の長いBMW・i3は9Lで計321kmだった)。
概要
理想汽車が初めて発売した自動車。
2019年4月に開催された上海モーターショーで初披露され、同11月から常州市の工場で生産開始された[1]。翌2020年初旬に初納品された。発売価格は328,000元。
2019年12月の販売後、6か月後の2020年6月には累計販売台数が10,000台を達成した。同10月には20,000台に到達し、これは国内自動車スタートアップ企業として最速販売記録であった[2][3]。2021年11月、月間販売台数で10,000台超えを達成した。
2022年9月に後継車種である「理想L8」が正式発表され、10月に本機の販売が終了した[4]。
仕様
この車種は、レンジエクステンダーやPHEVに分類される。競合車としてBYD Tangや NIO ES8があげられるが、いずれも動力面で違いが大きく、完全な比較はできない。
動力
フロントに100kW(136PS)、リアに140kW(190PS)の2つの電気モーターを搭載する。総出力は240kW(326ps)、530Nm。
バッテリーは40.5kWhの三元リチウムイオン電池。80%までの充電に、急速充電器で40分。200Vでのフル充電には6時間かかる。NEDC航続距離は700kmとしていた。2021年の改良版では、NEDC航続距離が800km、電気のみのNEDC航続距離が180kmとなっている。
また、フロントに1.2リットルのターボチャージャー付き3気筒ガソリンエンジンも搭載しており、ガソリンタンクの容量は45リットルとなっている。2021年の改良でガソリンタンクは55リットルに増量された。ただし、ガソリンエンジンは電気モーターのレンジエクステンダーであり、車輪を直接動かすものではない。
装備
当初は3列シートの6人乗りと7人乗りが用意されていたが、改良版から6人乗りのみとなった。2列目シートまではヒーターやマッサージ機能が付く。インテリアにはデジタルメーターも含めて4枚のスクリーンがあり、インフォテイメントシステムはAndroid Autoで動作し、クアルコム社製Snapdragon 820Aプロセッサを搭載している。USBポートやエアコン吹き出し口、ハイレゾスピーカーは全列をカバーしている。
フロントカメラ、ミリ波レーダー、超音波センサーを備え、自動運転レベル2に値する先進運転支援システムを搭載している。安全性も十分考慮され、様々なブレーキシステムや後列シートのISOFIX、エアバッグ7つなどが用意されている。[5]
脚注
- ^ “Leading Ideal startet Presale Phase”. China Auto News (2019年11月22日). 2021年12月11日閲覧。
- ^ “10カ月で2万台、「理想one」が国内自動車スタートアップ企業で最速販売記録達成”. MobiNews. 2021年12月11日閲覧。
- ^ “【图】用时10个月 理想ONE交付数量达两万台_汽车之家”. www.autohome.com.cn. 2021年12月11日閲覧。
- ^ Zhang/CnEVPost, Phate (2022年9月5日). “Li Auto faces owner outcry as it discontinues Li ONE in Oct to make way for Li L8” (英語). CnEVPost. 2023年1月3日閲覧。
- ^ CarNewsChina.com. “Li Xiang ONE Launched In China”. Facebook. 2021年12月11日閲覧。
外部リンク