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この項目では、命題の同値性について説明しています。同値関係における同値については「同値関係」をご覧ください。 |
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「iff」はこの項目へ転送されています。その他のIFFについては「IFF」をご覧ください。 |
同値(どうち)または等価(とうか)とは、2つの命題が共に真または共に偽のときに真となる論理演算である。
英語ではequivalence (EQ)。「if and only if(~のとき、かつそのときに限る)」を略して、iff ともいう。否定排他的論理和 (XNOR) に等しい。
演算子記号は ⇔、↔、≡、=、EQ などが使われる。
真理値表
命題 P |
命題 Q |
P ⇔ Q
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真 |
真 |
真
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真 |
偽 |
偽
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偽 |
真 |
偽
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偽 |
偽 |
真
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性質
基本的な性質
同値の基本的な性質は以下の通り。
(は論理包含(ならば)、は論理積(かつ))
- 反射律:
- 対称律:
- 推移律:
その他
他にも次のような性質がある。
( は否定、 は排他的論理和)
- 反対称律:
必要十分条件
二つの条件 p 、q に対して、「 p を満たすものは全て q も満たす 」 というとき、「 p は q である為の十分条件である 」 あるいは 「 q は p である為の必要条件である 」 という。
また、「 p は q である為の十分条件であり、q は p である為の十分条件である 」 というとき、「 p は q である為の必要十分条件である 」 あるいは 「 p と q とは同値である 」 という。
例 1
ある数が4の倍数である為には、その数は少なくとも偶数である必要がある。つまり、偶数であることは、4の倍数である為の必要条件である。ただし、偶数であっても、必ずしも4の倍数であるとは限らない。
また、ある数が4の倍数である為には、その数が8の倍数であれば十分である。つまり、8の倍数であることは、4の倍数である為の十分条件である。ただし、その数が8の倍数でなくとも、必ずしも4の倍数でないとは限らない。
他方、ある数が2の倍数である為には、その数は少なくとも偶数でなければならない。つまり、偶数であることは、2の倍数である為の必要条件である。また、その数が偶数であれば、その数は必ず2の倍数である。つまり、偶数であることは、2の倍数である為の十分条件である。すなわち、偶数であることは、2の倍数である為の必要十分条件であり、両者は同値である。
例 2
自然数変数 n についての条件 p(n), q(n) を次のように定める。
- p(n): n > 10
- q(n): 2n > 20
そのとき、p(n) は q(n) である為の必要十分条件である。すなわち、n > 10 は 2n > 20 である為の必要十分条件である。
例 3
実数変数 x についての条件 p(x), q(x) を次のように定める。
そのとき、p(x) は q(x) である為の十分条件である。しかし、−1 は q(x) を満たすが p(x) を満たさないので、 「q(x) を満たす実数は全て p(x) を満たす」 とはいえない。よって、q(x) は p(x) である為の十分条件ではない。従って、p(x) は q(x) である為の必要十分条件ではない。
例 4
¬、⇔ を論理演算とし、命題変数 A 、B についての条件 p(A, B), q(A, B) を次のように定める。 ( ¬ は集合 { 真、偽 } から集合 { 真、偽 } への 1 つの写像である。⇔ は { 真、偽 }×{ 真、偽 } から { 真、偽 } への 1 つの写像である。A 、B は { 真、偽 } の元の変数である。)
- p(A, B): ¬( A ⇔B ) = 真
- q(A, B): ( ¬A )⇔B = 真
そのとき、p(A, B) は q(A, B) である為の必要十分条件である。すなわち、「¬( A ⇔B ) = 真」 は 「( ¬A )⇔B = 真」 である為の必要十分条件である。
関連項目
脚注
外部リンク