倉山 満(くらやま みつる、1973年〈昭和48年〉12月18日[1] - )は、日本の歴史学者。
専門は憲政史(特に憲政の常道)、皇室史[2][3]。一般社団法人「救国シンクタンク」所長・理事長。
国士舘大学非常勤講師、国立公文書館アジア歴史資料センター非常勤職員、希望日本研究所所長、次世代の党自主憲法起草委員会顧問を歴任。
来歴
生い立ち・教育
香川県生まれ[1]。香川県大手前高等学校(現・大手前丸亀高等学校)卒業。
1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業[自己 1]。中央大学大学院文学研究科国史学専攻博士前期課程修了[1]、修士(文学)。大学院在籍中の1999年から国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め[4]、2006年に中央大学大学院文学研究科国史学専攻博士課程単位取得満期退学[自己 1]。大学院在学中は、満洲事変を法制、政治的背景から検討する論文を発表していた[5]。中央大学辞達学会の出身で、先輩に上念司がいる。
1998年、北朝鮮の拉致被害者に中大生の蓮池薫が含まれると聞き、3人の有志で「北朝鮮に拉致された中大生を救う会」(中大生を救う会)を発足。この活動が後の2002年9月17日 内閣総理大臣・小泉純一郎の日朝首脳会談での拉致被害者蓮池薫・奥土祐木子夫妻の奪還に繋がったと荒木和博は評している[6]。
評論活動
2009年、ブログ「倉山満の砦」を開設[自己 2]。2012年にインターネットサービス「倉山塾」を開講する[1]。同年、志太勤が創立した一般財団法人希望日本投票者の会のシンクタンクである希望日本研究所の所長に就任[自己 1]。また同年9月に行われた自由民主党総裁選挙を巡り、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」発起人に名を連ねた[7]。
2013年10月、各分野の専門家を迎えて情報を提供する事を目的としインターネット放送局「チャンネルくらら」を開局[8]。2015年(平成27年)1月19日、次世代の党自主憲法起草委員会の顧問に就任した[自己 3][1]。
2020年3月には江崎道朗、渡瀬裕哉とともに「救国シンクタンク」を設立し、所長・理事長となった[9][10][11]。
杉田水脈とはかつて盟友として活動していた[12]。
主張
ネット右翼批判
安倍政権とネット右翼について、著書『保守とネトウヨの近現代史』(2020年)で以下のように述べている。
歴史家は安倍政権を長いだけで何もできなかった政権と断罪するだろう。そして、そんな安倍晋三にぶら下がっただけの『保守』『ネトウヨ』など、日本の歴史から忘れ去られるだろう。
憲法
大日本帝国憲法について、2014年の著作では「日本国の歴史・文化・伝統に則った、世界標準の文明国の通義にかなった憲法」と主張している[13]。現在でも帝国憲法に高い評価を与えている。
憲法は国家権力を縛るためのものであるという観点から、憲法に理想主義的な不要な文言を書き込むべきではないとし、日本国憲法のみならず、産経新聞や自由民主党が起草した改憲案についても批判している[14]。
次世代の党では、自主憲法起草委員会の顧問に就任していたほか[自己 4]、同党が開講した次世代政治塾の講師も務めている[自己 5]。また、2015年3月28日に開催された「次世代の党を応援する大集会」では、呼びかけ人として名を連ねている[自己 6]。
歴史教育
著書『常識から疑え!山川日本史』では、山川出版社が出版している高校日本史教科書を批判している[15]。
ウィキペディア批判
著書『嘘だらけの日仏近現代史』で、2017年1月1日に閲覧したウィキペディアのルイ18世の項目での「彼は温厚な性格であった」との記述[注釈 1]について、ミシェル・ネイらを処刑した事例や、復古王政時の外相タレイランの「ルイ18世はおよそこの世で知る限り、きわめつきの嘘つきである。1814年以来、私が王と初対面の折りに感じた失望は、とても口では言い表せない。……私がルイ18世に見たものは、いつもエゴイズム、鈍感、享楽家、恩知らず、といったところだ」という辛辣な評価が当のルイ18世の項目内に記述されていたことを挙げ、「学問の基礎ができていないくせに知識人を気取る知ったかぶりが集まる場」と皮肉りながらウィキペディア・ウィキペディアンを批判した[16]。
検察
著書『検察庁の近現代史』では、検察を批判している。ただし、令和2年の黒川騒動においては、内閣の人事介入を批判し、検察を擁護している。
2020年米大統領選における陰謀論への批判
2020年アメリカ合衆国大統領選挙においては、不正選挙陰謀論を拡散した右派言論人たちを批判した[17][18]。
参政党
参政党に関しては批判的で、「振り切ったトンデモ」と断じている。また、ボードメンバーを務めていたKAZUYAと渡瀬裕哉が参政党から離れたことにより、党がさらに陰謀論やスピリチュアル、ネットワークビジネスといった方向に傾斜したと評している[19]。
消費税
消費税の増税には反対の立場を自身の公式HPにて表明している。特に消費税を8%へ増税する際には、自らが主宰する倉山塾や自身のfacebook等を通じ、当時の財務省事務次官木下康司へのコラージュ画像作成による木下への攻撃を訴える等の扇動活動を行っていた。 [20]
著作
単著
扶桑社・嘘だらけシリーズほか
- 保守三部作
単行本および文庫
新書判
共著
編著
分担執筆
監修
出演
テレビ
インターネット番組
番組制作協力
脚注
- 注釈
- 出典
関連項目
外部リンク
連載