久保田 徹(くぼた とおる、1996年2月23日 - [1])は、日本出身のドキュメンタリー映像作家。2022年7月30日、軍が実権を握るミャンマーで拘束された[2][3]。
来歴
1996年、神奈川県横浜市に生まれる[1]。
慶應義塾大学政治学科在学中の2014年より創作活動を開始した[1][4]。
2019年よりロンドンの大学院でドキュメンタリーを学ぶが翌年中退する。2020年3月、新型コロナウイルスの影響で日本に帰国した。海外での活動について、インタビューで「僕はいわゆる国際問題に対してアプローチする作品を制作していました」「でも、コロナ禍で日本に戻ったことがきっかけで、自分の当事者意識に目を向けるようになりました」などと述べており、活動の拠点を日本に戻している。心境の変化とコロナ禍の中で『東京リトルネロ』を制作した。2022年夏には同作品が映画化される予定である[5]。また、赤木俊夫の妻より「夫の部屋を撮って欲しい」と撮影を頼まれ、ドキュメンタリー『私は真実が知りたい』を制作した[5]。
2022年7月30日、ヤンゴンにおけるミャンマークーデター抗議デモを取材・撮影中に、治安当局によって拘束された[2][3]。容疑は扇動罪と入管法違反であるが、日本政府がミャンマー側に早期釈放を要求している[6]。久保田と同様にミャンマー軍に拘束された経験を持つジャーナリストの北角裕樹らも「一刻も早い解放を」求めている[7]。しかし10月5日、軍事法廷は久保田に禁錮7年を言い渡した[8]。11月17日、国軍の恩赦によって解放され[9]、18日に日本に帰国した[10]。
2023年2月1日より、ジャーナリストの北角裕樹と共に、ミャンマーのジャーナリスト・映像作家たちを支援するプロジェクト「Docu Athan -ドキュ・アッタン- 」を立ち上げた。[11] 同年4月には、タイの国境地帯を訪問し、現地で活動する映像作家たちにカメラを向けている様子が、5月21日放送のNHK BS1スペシャル『君はなぜミャンマーを撮り続けるのか 映像作家・久保田徹 拘束からの日々』[12]にて放送される。
ディレクター、撮影、編集を担当したドキュメンタリー、「境界の抵抗者たち」は、タイの国境で活動するミャンマー人のメディアワーカーたちの姿をカメラに捉え、2024年7月にNHK BSスペシャルで放送された。[13]
人物
ドキュメンタリー制作を「彫刻のような作業」と表現している。また自身について、ジャーナリストではなく「自分のことはドキュメンタリー作家と呼びたいと思っている」と語っている[5]。
脚注
外部リンク