ロイ・ネルソン(Roy Nelson、1976年6月20日 - )は、アメリカ合衆国の男性総合格闘家。ネバダ州ラスベガス出身。エクストリーム・クートゥア所属。元IFL世界ヘビー級王者。TUF 10王者。
来歴
15歳の時に少林拳を始めた。シマロン・メモリアル高校時代は、レスリング、アメリカンフットボール、野球で活躍[1]。卒業後は補欠教員として働きながら、ジョン・ルイスの下でブラジリアン柔術を学んだ[2]。
2003年11月15日、グラップリング大会「グラップラーズ・クエスト」の無差別級トーナメントに出場。1回戦でフランク・ミアと対戦し、ポイント勝ち。準決勝でブランドン・ヴェラと対戦し、膝十字固めで一本勝ち。決勝でディエゴ・サンチェスと対戦し、ポイント勝ちを収め優勝を果たした[3]。
2004年4月17日、Rage on the Riverのヘビー級トーナメントで総合格闘技デビューし優勝を果たした。
IFL
2007年からはIFLに参戦。12月29日、アントワーヌ・ジャウジとのヘビー級グランプリ決勝に挑み、2ラウンド開始直後の右ストレートでダウンを奪い、パウンドでKO勝ちを収めグランプリ優勝を果たし、世界ヘビー級王座に認定された[4]。その後はファビアーノ・シェルナー、ブラッド・アイムスを相手に同王座を2度防衛したが、2008年7月をもってIFLは活動停止した。
2009年8月、ヘンゾ・グレイシーからブラジリアン柔術黒帯を授与された[5]。
TUF
2009年、リアリティ番組「The Ultimate Fighter」のシーズン10に参加。シーズンではラシャド・エヴァンス率いるチーム・ラシャドに5位指名で所属した。
トーナメントでは1回戦でチーム・ランペイジのキンボ・スライスと対戦し、サイドポジションからのパウンドでTKO勝ちを収めた。2回戦ではチームメイトのジャスティン・レンに2-1の判定勝ち、準決勝では同じくチームメイトのジェームス・マクスウィーニーにTKO勝ちを収め、決勝進出を果たした。
2009年12月5日、The Ultimate Fighter: Heavyweights Finaleでチームメイトであるブレンダン・ショーブと対戦し、右ストレートでKO勝ち。シーズン優勝を果たすとともに、UFCとの正式契約を獲得した[6]。また、この試合でノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[7]。
UFC
2010年3月31日、UFC Fight Night: Florian vs. Gomiでステファン・ストルーフェと対戦。開始直後に右フックでダウンを奪い、パウンドでTKO勝ち。2試合連続のノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[8][9]。
2010年8月7日、UFC 117でジュニオール・ドス・サントスと対戦し、アッパーでダウンを奪われるなど圧倒され、0-3の判定負けを喫した[10]。
2011年1月1日、UFC 125でシェイン・カーウィンと対戦予定であったが、カーウィンの負傷により試合が消滅した[11]。
2011年10月29日、UFC 137でミルコ・クロコップと対戦し、打撃で攻め込まれるシーンも見られたが、グラウンドの展開でミルコを削り、最後は3RにバックマウントからのパウンドでTKO勝ちを収めた。
2012年2月4日、UFC 143でファブリシオ・ヴェウドゥムと対戦し、ファブリシオの首相撲の膝蹴りや打撃戦で押し切られ0-3の判定負け。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。
2012年5月26日、UFC 146でデイブ・ハーマンと対戦し、右フックでKO勝ち。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。元々はアントニオ・シウバとの対戦であったが、欠場者が出たためカードが変わり、急遽出場したハーマンとの対戦であった。
2012年9月、The Ultimate Fighter シーズン16でコーチ役を務めた。2012年12月15日にはThe Ultimate Fighter 16 Finaleでマット・ミトリオンと対戦し、右フックでダウンを奪いパウンドで1RTKO勝ち。当初はシェイン・カーウィンとコーチ対決を行う予定だったが、カーウィンが負傷欠場したため、代役として出場したミトリオンとの対戦であった。
2013年4月26日、UFC 159でシーク・コンゴと対戦し、右フックでKO勝ち。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。
2013年6月15日、UFC 161でスティーペ・ミオシッチと対戦。ミオシッチの打撃に終始翻弄され、0-3の判定負け[12]。
2013年10月19日、UFC 166でヘビー級ランキング2位のダニエル・コーミエと対戦。コーミエのスピーディーな打撃とテイクダウンを前に終始圧倒され、0-3の判定負け。
2014年4月11日、UFC Fight Night: Nogueira vs. Nelsonでヘビー級ランキング11位のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと対戦。開始直後から右フックを連続でヒットさせ続け、最後は右フックでKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。
2014年9月20日、日本で開催されたUFC Fight Night: Hunt vs. Nelsonでヘビー級ランキング6位のマーク・ハントと対戦し、2Rに右アッパーでKO負け。
2015年3月15日、UFC 185でヘビー級ランキング9位のアリスター・オーフレイムと対戦し、アリスターの堅実な攻めで着実にポイントを重ねられ、0-3の判定負け。
2015年9月27日、日本で開催されたUFC Fight Night: Barnett vs. Nelsonでヘビー級ランキング8位のジョシュ・バーネットと対戦。1Rは優勢だったが、膝蹴りやパンチ連打などで巻き返され、0-3の判定負け。
2016年2月6日、UFC Fight Night 82でヘビー級ランキング12位のジャレッド・ロショルトと対戦し、3-0の判定勝ちを収め、連敗を3でストップした。
2016年7月7日、UFC Fight Night: dos Anjos vs. Alvarezでヘビー級ランキング12位のデリック・ルイスと対戦し、1-2の判定負け。
2016年9月24日、UFC Fight Night: Cyborg vs. Lansbergでヘビー級ランキング15位のアントニオ・シウバと対戦し、KO勝ち。試合直後にレフェリーの"ビッグ"ジョン・マッカーシーが試合を止めるのが遅かったという理由で蹴りを入れたため、9か月の出場停止と2万4000ドルの罰金を科された。
2017年4月15日、UFC on FOX 24でヘビー級ランキング11位のアレキサンダー・ヴォルコフと対戦し、0-3の判定負け。この試合でUFCとの契約が満了し、Bellatorへ移籍した。
Bellator
2017年9月23日、Bellator初戦となったBellator183にてハビー・アヤラと対戦。打撃で押される場面もあったが、テイクダウンを奪いグラウンドで試合を優勢に進め3-0判定勝ち。
2018年2月16日、Bellator 194のBellatorヘビー級ワールドグランプリ1回戦でマット・ミトリオンと対戦し、0-2の判定負けを喫した。
2019年2月16日、Bellator 216でミルコ・クロコップと約7年4カ月ぶりに再戦し、0-3の判定負け。リベンジを許した。
2019年10月25日、Bellator 231でフランク・ミアと約8年5カ月ぶりに再戦。ローキックを何度も効かされ0-3の判定負け。
2020年8月21日、 Bellator 244: Bader vs. Nemkovで、ワレンティン・モルダフスキーと対戦し、0-3の判定負け。
戦績
総合格闘技
総合格闘技 戦績
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42 試合
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(T)KO
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一本
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判定
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その他
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引き分け
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無効試合
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23 勝
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15
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4
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4
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0
|
0
|
0
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19 敗
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3
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0
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16
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0
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総合格闘技エキシビション
勝敗
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対戦相手
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試合結果
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大会名
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開催年月日
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○ |
ジェイムス・マクスウィーニー |
1R 4:13 TKO(パウンド) |
The Ultimate Fighter: Heavyweights |
2009年7月8日
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○ |
ジャスティン・レン |
5分2R終了 判定2-0 |
The Ultimate Fighter: Heavyweights |
2009年6月29日
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○ |
キンボ・スライス |
2R 2:01 TKO(パウンド) |
The Ultimate Fighter: Heavyweights |
2009年6月10日
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グラップリング
勝敗
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対戦相手
|
試合結果
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大会名
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開催年月日
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○ |
ディエゴ・サンチェス |
ポイント19-2 |
グラップラーズ・クエスト 【無差別級トーナメント 決勝】 |
2003年11月15日
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○ |
ブランドン・ヴェラ |
膝十字固め |
グラップラーズ・クエスト 【無差別級トーナメント 準決勝】 |
2003年11月15日
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○ |
フランク・ミア |
ポイント15-2 |
グラップラーズ・クエスト 【無差別級トーナメント 1回戦】 |
2003年11月15日
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× |
マイク・ヴァン・アースデイル |
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ADCC 2003 【99kg超級 準々決勝】 |
2003年5月17日
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○ |
ソア・パラレイ |
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ADCC 2003 【99kg超級 1回戦】 |
2003年5月17日
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獲得タイトル
表彰
ファイトスタイル
ヘビー級としては低身長ながらも、アンコ型の体型を生かしたパワフルな打撃が得意で、特に右のオーバーハンドで幾多の相手をKOしている。また、離れ際やカウンターのアッパーなど細かいボクシングも得意である。ディフェンス技術に関しては、打撃を被弾するシーンは多くみられるものの、高い攻撃力を誇るファイターの打撃ですらKOに至らないほどの見かけ通りの打たれ強さを誇る。またグラウンドの攻防も優れており、今までに一本負けは一度もない。
人物・エピソード
- 既婚者。妻でマネージャーのジェシーと、息子のジャクソン(2013年生まれ)がいる。
- 勝利した際にはお腹を撫でるパフォーマンスをする。
- UFC Fight Night: Barnett vs. Nelsonにて記者に腹筋について尋ねられた際には「シックスパックのお腹に憧れたこと? 考えたこともないね。神からもらった身体なので、私は今の体型のままやっていくよ」と返答した。
- カンフーのトレーニングを始めた理由については映画カラテ・キッドに影響された為だという。
出演
脚注
関連項目
外部リンク
前王者 王座新設
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初代IFL世界ヘビー級王者
2007年12月29日 - 2008年7月31日
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次王者 王座廃止
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